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📖読書記録 本と猫と着物が好き。

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    最近の記事

    📖『夜に星を放つ』窪美澄著

    大切に思う人(家族)を失い淋しい、けれど夜空の星の瞬きは優しくて素直な気持ちにさせてくれる。そんな印象が残る短編集。交通事故で亡くなった母が私の前に現れるし、頭をポンポンと撫でる父の手の温もりも感じられる。でも母さんのいない生活になれていく予感は何処か切ない「真珠星スピカ」。家族でありながら埋められない穴。大人は埋められるものを見つけるけれど、つらい思いをするのは、いつも子どもです。という話はよく聞きます。主人公は小学4年のとても優しい男の子でした。健気でとても切ない「星の随

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      • 📖『旅人の夜の歌』小塩節著

        私はゲーテを"詩人"とだけしか知らずにいて、26歳から37歳までのワイマル生活は専ら政治活動をし、文学活動を犠牲にしてまでも行政官として国の財政立て直しのために政治と関わり努力していたことを知り得た。詩的な感性を持つゲーテの有名な作品の手がかりや、音楽家にも人気だったこと、天才シューベルトとのお話が興味深く感じられた。一方で時代背景を思い浮かべながら読みすすめれば、ワイマルにはナチスドイツの強制収容所があり、非常にやるせない気分にさせられる。でも、このことを著者がとても伝えた

        • 📖『民間防衛』スイス政府編

          本書は、スイス連邦内閣の要請によって連邦法務警察省が発行し、各家庭に配られたもの。世界は、数多く戦争が発生しているし、暴力行為はあとを断たない。われわれには危険がないと、断言できる人はいない。絶えず変動しているとしか思えない国際情勢をことさら劇的に描いてはいないが、読めばかなりショッキングである。「最悪の事態」に備えるという発想は本書のいたるところにでてきます。場合によっては、耐え忍ばなければならなくなる現実に、一人一人が慣れておくためである。というスイス国民の平和への執念の

          • 📖『優雅なのかどうか、わからない』 松家仁之著

            主人公は50歳を前に、20年以上生活を共にした妻と離婚をする。息子は高校を卒業し、海外へ留学していた。離婚の報告をするもあっさりです。親は七十後半ですが元気。身のまわりの心配事や問題はありません。いい給料を貰って、古い家をリフォームし住み良い生活空間でひとり暮らしを満喫しているように見えます。これを優雅と言わずしてなんと言うのでしょう。離婚する前にフラれた恋人佳奈との時間が復活します。なんだかよく聞く話ですね。そんな彼女は老父の介護をしています。そこに積極的に介護に関わる日常

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            📖『おどりは人生』鶴見和子 西川千麗 花柳寿々紫 :対談

            西川さんと、花柳さんは流派をこえて他流も学び取り入れ、おどりだけでなく、能、狂言も習得。花柳さんはモダン・ダンスも身につけておられる。私には世界が違い過ぎてとても遠くに感じてしまうのですが、鶴見さんのエピソードには共感するものがあります。9歳の時に初代徳太郎先生に入門。21歳の時に徳和子と名前をいただくも、津田塾を卒業してアメリカ留学で哲学を学び、おどりと別れている。その後、64歳の時に足腰を鍛えなくちゃとおどりを再開している。庶民的なきっかけが好感度大。そして、本書でも武原

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            📖『本を読めなくなった人のための読書論』若松英輔著

            誰とも競争せず、誰かに何かをほこるためでもなく、ただ、自分のなかにある「切なるもの」を愛しむ読書。世界には本が無数にあります。出会うべきときに出会うべき方法を通じて出会い、人生の深みへと導いてくれる読書の扉がふたたび開かれますように。本が読めなくなった人のための読書論、著者の心が籠もる一冊。

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            武原はん 片岡仁左衛門 「姿」 白洲正子:監修 渡辺保:文 立木義浩:撮影

            武原はん。芸者、舞踊家、料亭の女将、二つの改革も行った。座敷舞であった上方舞を劇場空間に解放したこと。もう一つは舞踊の美しさを徹底的に追求した。歌舞伎俳優・十三代目片岡仁左衛門さん。役者としてのお姿はもちろん、家族思いの優しさが伝わる。本書を通しおふたりの老い方に魅了されました。美しさは形あるかぎり滅亡する運命を逃れられず、体は刻々と衰え、生きていくことへの喪失さえ感じられる。観客は美しさが滅びることをゆるさない。90歳、日々の祈りと鏡の前でお稽古。美しさの解放と生きることへ

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            📖『クリームソーダ』 純喫茶めぐり 難波里奈著

            東京喫茶店研究所二代目所長・難波里奈さんの全国純喫茶巡りの中で、今回のお目当てはクリームソーダです。北は函館湯の川温泉、知る人ぞ知る、モカソフトで有名な「きくち」のクリームソーダ。もちろんクリームはモカ味を選ぶことができる。そこから内地へと行き東京は神保町の「さぼうる」6色のクリーソーダを揃えてあるのは驚き。でも、京都の「SHINSETSU」では24種もあります。良いですね喫茶巡り。喫茶チェーンが増えた中で、オリジナリティ溢れるお店に出会うと思わずニンマリだし、本書で全国のク

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            📖『和菓子と言の葉』 藤原夕貴著

            デザイン会社にお勤めしていた藤原さんでしたが、紆余曲折を経て、たどり着いた和菓子の世界。はじめは見るに耐えないものばかりだったと言いますが、作り続けることで見えてきた雅な世界。和菓子ひとつひとつの名前からもデザイナーとしてのセンスが光ります。うつろう季節の情景が想起できる和菓子の奥深さに驚き、物語を紡いでくれる言の葉も美しく、非常に感動しました。一年に一度だけの逢瀬、会えない時間が長いほど会えた時の喜びはひとしお、そんな織姫と彦星の再会を笹の葉に願った『逢瀬』中は胡桃餡。一番

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            📖『ヤマザキマリ 壁と共に生きる』

             ラジオから発せられるマリさんを随分前から知っておりながら書籍にはやっと手を出しました。本作では十代後半に出会って以来、最も敬愛する作家として「安部公房」を紹介。まずは少年時代から二十二歳までの敗戦により失われた故郷、満州の風土で生まれ育った感性と、敗戦後の体験が出発点であるという基本情報を押さえます。絶望も希望も虚妄、本から目を上げれば現実です。社会の不条理な場面に遭遇したとしても、本書でいう壁とともに生きることを受け止めてさえいれば、それほど大したことではない。それにして

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            📖『はつ恋』村山由佳著

            若かった頃の恋愛はとても不自由だったと思っていたハナ。相手を好きだと思う気持ちのほかに、考慮しなくてはいけないことがたくさんある気がして。色々考えたわりに結婚は二度して二度ともリセットすることになった。どちらの夫との間にも子は生まれず、別れてしまえば相手の家との縁も自然消滅。50歳になって結婚適齢期も、産むためのリミットもなくなった。恋に適齢期も不適齢期もありはしない落ちてしまえばそれが答えだ。そんなハナと幼馴染トキヲとのハッピーエンドな恋のお話。終盤でこれは絶対破滅するって

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            📖『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』 多良美智子著

            80歳で夫を亡くし、自分もいつ死ぬかわからない。生きているうちは楽しくやろう、ひとりになって寂しいではなく、ひとりの自由を満喫しようと考える。中学生の孫とはじめたYouTubeが大きな楽しみのきっかけに。80歳でピアスをあけたり、イギリス旅行のツアーにひとりで参加。インテリアを考えるのが好きとあってシンプルに整えられたお部屋。若々しい暮らしぶりは年齢などを公開しなければまさかの87歳って驚いてしまう。寂しくない理由のもうひとつは子どもの頃から好きな読書。ベットサイドには本が置

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            📖 ヤマザキマリ        『壁とともに生きる わたしと「安部公房」』

            ラジオから発せられるマリさんは良く知っていながら書籍にはようやく手を出しました。本書は十代後半に出会って以来、最も敬愛する作家として「安部公房」を紹介。まずは少年時代から二十二歳までの敗戦により失われた故郷、満州の風土で生まれ育った感性と、敗戦後の体験が出発点であるという基本情報を押さえます。絶望も希望も虚妄、本から目を上げれば現実です。社会の不条理な場面に遭遇したとしても、本書でいう壁とともに生きることを受け止めてさえいれば、それほど大したことではない。マリさんの体験談を交

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            📖『透明な迷宮』平野啓一郎著

            平野氏の短編集はじめて。少ない文字数の中で、どれもこれも捻りがきいていて魅了されました。表題作「透明な迷宮」はブタペストで出会った男女が富豪に監禁され、招待客の前で愛し合うことを強要された。そんなエピソードを共有しているふたり。「マチネの終わりに」を思い出しました。もう一つの愛は事実を知るものの、そのエピソードを上書き保存できない。受け入れなければならないし、そうするのだろうと。あとは好き勝手な妄想をして物狂おしい思いに駆られました。素直に物語の世界に誘われてしまい、まんまと

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            📖『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』 多良美智子著

            80歳で夫を亡くし、自分もいつ死ぬかわからない。生きているうちは楽しくやろう、ひとりになって寂しいではなく、ひとりの自由を満喫しようと考える。中学生の孫とはじめたYouTubeが大きな楽しみのきっかけに。80歳でピアスをあけたり、イギリス旅行のツアーにひとりで参加。インテリアを考えるのが好きとあって整えられたシンプルなお部屋。若々しい暮らしぶりは年齢などを公開しなければまさかの87歳って驚いてしまう。寂しくない理由のもうひとつは子どもの頃から好きな読書。ベットサイドには本が置

            原田マハさんの『やっぱり食べに行こう。』を読んで行きたくなったのが、神保町の共栄堂・スマトラカレー食べました。不思議な味、クセになるそうな。。また行きたい❤︎

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