すばらしい人
一対一で人と向き合える人はそれだけですごい才能だと思います。
最近特に尊敬してるのは、介護職や看護師やシングルマザーの人です。
どの方もみんな、自分以外の他人の生命に直接奉仕してるという時点で、相当な徳の高い仕事です。
よく職業に貴賎はないといいますが、やはり「自分以外の人間の汚物を直に処理する」という仕事でなおかつ、その際に相手の尊厳にきちんと敬意を払うことができるというのは、その人の精神的な高い才能以外の何者でもないと思うわけです。
わたしなんて何の取り柄もないただの主婦なんです、と謙遜してるその方が、障害者支援や介護職や病院で働いてると聞くと、わたしはなんだか、本当に涙がにじんできます。
取り柄めちゃくちゃあるじゃないですか、すごい才能の塊じゃないですか、弱い立場にある人を率先して助けて、すばらしいですね・・・と自分で言っててほんとに感動してしまうわけです。
保育士さんとかもそうですよね、他人の幼児のシモの世話をしてくださって、箸の使い方から着替えまで全部教えてくださって、こんなに多くの人の役に立つありがたい仕事はないです。
シングルマザーの人なんてもうひとりで子育てを決意してる時点で本当にすごい、たまたま自分に宿った生命の「生まれようとする意思」に、自分のすべてを全振りしてるわけで、なんらかの勲章をもらうべきだと真剣に思います。
なんかほんとに、そういう人たちががんばってる姿を見てるだけで、壮大な自然の景色を見た時と同じくらい感動してしまうようになりました。
きれいごとじゃなく、こうやって書いてる瞬間も涙が出かかってます。ウソじゃないです。
わたしは親のオムツなんか絶対触りたくない、と正直にここに告白します。
でも「そういうの、わたしは苦じゃないんですよね、ご年配の方と話したり、知的障害の子たちのお世話したり、好きなんです」と微笑んでいる方がいるから、この世は回るわけです。
よく「好きを仕事にする」とか言いますが、やっぱりそれがいちばんだと思います。
自分にどんな才能があるかと多くの人が悩みますが、そのヒントは遊びにあります、きっと好きを仕事にするというよりは、遊びが仕事になるまで遊べ、が正しいのだと思います。
他の人が努力しないといけないのに自分は苦じゃなくできること、その「得意」「好き」の持ち寄りが、本来の社会活動だと思います。
その人の立場に立つ、やさしい気持ちがないとそれはできません。
本当は学校のテスト以外に、やさしさ度テストも実施すべきだとわたしは思います。
やさしさ度テストが一定のラインを超えている人は、その空間において存在してるだけで意味があります、やさしいというそれだけで、なくてはならない人なんです。
たとえ何もできなくても、やさしさ偏差値が高い人は、組織や国家の重要な判断の中枢に必ず一定数いるべきだと思います。
逆にやさしさ偏差値が低い人は、どんなに頭が良く金が稼げたとしても、権力からは一定の距離を持ったほうが全体のためだと思います。
国会に障害者の方が議員として二人も当選したことは、大変な革命的出来事です。
弱者の立場から物を申す、そんな人が議員として政治の決定に携わることができるとは、この世もまだまだ希望があります。
本当にすばらしい人とは、弱い立場の人にやさしくできる人のことです。
もはや人間界のすべての基準は、それだけでいいんじゃないかと、わたしはいま真剣に思っています。
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