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[日本語訳] part 1. Stray Kids ヒョンジンが語る、ソロ曲 'So Good'(Esquire Korea web interview:2024.09.23) / 訳者後記

editor: オ・ソンユン


Q. エネルギーに溢れてますね。遅い時間に行われるインタビューなので、ちょっとダウンした雰囲気になっているのではないかなと思ったのですが。
A. 撮影が上手くいったので気分がいいんです。このくらいの時間なら、そんなに遅いわけでもないですしね。(インタビューは撮影が全て終了した夜の11時頃に始まった。)撮影って、元々結構夜遅くに終わることも多いじゃないですか。

Q. そうは言っても、深夜業務を日常茶飯事でこなしているベテランのスタッフたちも皆少し疲れてはいるんですけどね。今回の撮影の終盤には(ヒョンジンさんの)エネルギーが対比していて、もはや異質にさえ感じられましたよ。何というか、お父さんが夜遅くに酔った友達を家に連れてきた時、眠りから目覚めて楽しくなっちゃってる息子を見るような気分というか。
A. ははは、そうですね。実は少し'空元気'みたいなところもあります。そうやって皆が疲れている時に、気合を入れてあげるのは良いですしね。ほぼ終わりかけなので、ご飯食べにいけるなって思って、それで少しテンションが上がってるのもあると思います。

Q. Stray Kidsのワールドツアー <dominATE>のソウル公演最終日が2日前に終わったじゃないですか。私はそこでのエネルギーの余波なのかなと思ってました。
A. 確かにそれもありますね。実はワールドツアーが始まる前まではファンたちと直接会える機会が多くなかったんですよ。だから、コンサートを通してかなり久しぶりに会えたんですけど、今回ステイがいつもよりも一層公演に没入して楽しんでくれたって感じがしたんです。それを見たら、僕もつられて楽しくなって、そしたらステイもまた喜んでくれて…それで最近はずっと気分がいいですね。

Q. ワールドツアーというのは基本的にコンサートを連続してこなすものじゃないですか。それも世界各国を周りながら。プレッシャーが続くことなのでは、と思うのですが、それでも途中途中でもらえるエネルギーがあるんですね。
A. むしろ、最初のコンサートが一番緊張する気がします。僕たちが準備したものを初めてお見せする場なので緊張しますし、その始まりがソウルということも無視できないですしね。でも、ステイが凄く喜んでくれたので、今は逆に楽しみな感じがしています。「とにかく楽しんでこよう」って気持ちですね。実は僕が本当に楽しんでいるステージでの様子は、観客からもより確実にそれが見えるんですよ。久しぶりに会える海外のファンの皆さんと一つになって一緒に楽しめたらいいなという気持ちです。プレッシャーというなら、ワールドツアーが終わるまで、その気持ちを維持できるようにコンディションをしっかり管理しないとなと思うくらいですかね。

Q. プレッシャーは感じないが、しっかりやり遂げるために必要な緊張はしているという感じなんですね。
A. それが実は、前は体当たりでぶつかっても何とかなったんですよ?食べたいものを食べて、コンディションの面では少し無理してもツアーをこなせたんです。でも今はもう少し体系的に管理しないと難しいかもな、と思うんです。と言っても、そんなに何年も経ってるわけじゃないんですけど、不思議と(笑)。なので、最近は運動も定期的にして、食事にも気をつけています。

Q. ツアーの完成度や自身に対する期待が高まっているからでもありますよね。1年前のこの時期にもEsquireでカルティエの撮影をしたじゃないですか。さっき撮影しているのを見ながら、たった1年だけだけど纏う雰囲気も結構変わったように思えました。昨年も、もちろんセクシーさがあったんですけど、今はアンニュイというか、ロックっぽいシックさまで出てきてますね。
A. そうですか?最近ロックを結構聴いてるからかな?(笑)ありがとうございます。それが最近僕が追い求める感じでもあるんです。昨年の撮影は、コンセプト自体に清楚な感じが少しあって、今日の撮影はもう少し僕の色が入って、ダークでアンニュイっぽい感じが上手く出せたと思います。

Q. 最初の撮影時は、カルティエのムードを理解して表現しようと努力したなら、協業を重ねながら、今ではヒョンジンさんの中でカルティエの既存のイメージをもう少し拡大してみようとする段階に来てるんじゃないかとも思いました。
A. カルティエが考える、ブランド カルティエのイメージがあるわけじゃないですか。それはどんなブランドでも持っているものだから。僕も普段からカルティエがとても好きなので、そのスタイルをより理解して合わせようと努力します。でも一緒に仕事をしてみると、カルティエも僕が追い求めるムードを尊重し、好んでくださるんですよ。ありのままの僕を受け入れてくださってる感じがして、凄く感謝します。なので、僕が何かを拡大するというよりかは、コラボレーションが次の段階に進んだと言うのが正確かな、と思います。各自持っている色の中で思い切って果敢に挑戦している最中だと思います。

Q. 撮影を見ていて、もう一つ驚いたのが、体がかなり鍛えられましたね。
A. (笑)あ、コンサートも控えていて、少し鍛えました。バルクアップしたのではなく、有酸素運動とウェイトトレーニングを併行しながら筋肉が少し整うようにしたんです。今日の撮影が特に、少し露出があるのでファンたちの中でもびっくりする方達がいると思うんですけど。まあ、こういう機会に一度くらい新たな姿をお見せするのも良いんじゃないかと思って。喜んでくれるんじゃないかと、楽しみでもあります。

Q. 大きな筋肉も綺麗に見えていて、運動や食事管理で確実に努力した体だろうなと思ったんです。
A. 簡単なことではなかったです。時間もなくて、いつも夜中に運動しに通って、明け方から漢江を走ったりとかして。今日も朝走ってきました。

Q. なおさら、この時間までこんなに元気なのがより一層不思議ですね(笑)。最近、Stray Kidsには良い知らせが沢山ありましたよね。その中でヒョンジンさんにとって一番嬉しかったのは何ですか?
A. 僕ですか、うーん…僕は何よりも僕たちがワールドツアーを周れるように、僕たちを待っていてくれるファンたちがいるということに、大きく感謝しています。音源の成績、音盤の成績、全てに感謝していますが、公演は僕たちを待ってくださる方たちがいなければできないじゃないですか。実は、今回のツアーは会場の規模も以前より遙かに大きくなったんですよ。それにも関わらず、本当に沢山の方が反応してくださって、僕はそれが一番嬉しいです。

Q. 5つのアルバムが連続してビルボード200で1位を達成したり、ミラノでのI-Days、ロンドンでのBST Hyde Park、シカゴでのLollapaloozaのような大型フェスティバルで、全てヘッドライナーとして舞台に立ったり、アジアアーティスト初で<Rolling Stone UK>の表紙を飾ったりというような活動がありましたが、ヒョンジンさんはファンたちが変わらずStray Kidsを待っているということが一番嬉しかったんですね。
A. そのような活動にも、もちろん本当に感謝しています。ですが、どんな記録みたいなものの知らせを聞くときよりも、僕たちがステージに立った時、応援してくれて、一緒に踊ってくださるのが一番ありがたいです。僕は、公演をするのが一番楽しいんですね。あんなに大きなフェスティバルでヘッドライナーとして立てたということも、そういう意味では非常に幸せでしたし。もちろん<Rolling Stone UK>のカバーを飾ったのも大きな意味がある出来事でしたね。音楽をしている人であれば、誰でも夢見ることじゃないですか。長い間、英ロックのファンだった人間として、僕にとっても大きなロマンだったし、不思議なことだったし、年を取ってからどこかで自慢したいなと思います。「僕は20年前に<Rolling Stone UK>の表紙に出たんだ」って(笑)。記事の内容も僕たちの音楽的な面を深く掘り下げてくださって、とても良かったですしね。

Q. さっき撮影していた時もスタジオで急にレディオヘッドの歌が流れたら踊ってましたよね。背景のセッティングのために、少し休憩するタイミングだったんですけどね。ロックをすごくお好きなんだな、と思いました。
A. 幅広く聴く方だと思います。季節によってガラッと好みが変わったりもしますし。そろそろ秋に入っていく時期なので、最近はemo-rock系をよく漁ってますね。僕が好きな音楽を一言で言うならば、俗に言う'インディーズ'系統だと思います。その中でも、グルーヴがありつつセッションがよく聴こえる音楽が好みです。最近は曲作りをする時もそんな感じを追求しています。

Q. 作詞作曲もこつこつ続けているじゃないですか。そこに関しても、ある種のプライドが生まれましたか?「僕の曲はこんなスタイルじゃないと」っていう。
A. いやいや、そんなのはないですよ(笑)。全然、全くないんですけど、でも最近は歌詞の面ではプライドを少し持とうと思ってます。僕が書く歌詞の感情は、僕だけが知ってるじゃないですか。見方によっては、僕の歌詞はあえて難しくひねって書いていると感じるかもしれないですけど。そうやって解釈の余地を残しておく歌詞を書くのが好きです。僕も誰かの音楽を聴きながらそれを自分なりに解釈する時が一番面白く感じるんです。なので、おっしゃていた'スタイル'という面から見るならば、メロディーはイージーリスニングっぽくして、歌詞は深みのあるものを盛り込むことを追求していると言えると思います。それがどれだけ伝わるかは分からずとも、とりあえず僕の歌は僕が聴いて良いと思わないといけないですから。

Q. 今回のツアーで披露したソロ曲 'So Good' は、ヒョンジンさんの中にある最もポジティブな面だけを集めて作った歌だと言ってましたね。
A. そうです。僕の中にある沢山の面の中で楽観的な自我を選んで歌詞を書き下ろしたんです。「僕を苦しめるものたち、縛り付けるものたちは数え切れないほどあるけど、それでも、人生は楽しいじゃないか」ってね。ヒップホップベースだけどリズムを少し独特に使って、パフォーマンス面では観客との交わりを重要に考えました。元々はただ音源だけで出そうと思ってたんですが、やってみたらこの曲でステージにも上がってみたくなったんですよね。それで、曲の長さも細かく切って、ダンスブレイクも入れて、起承転結が感じられるようにトラックを調整してほしいとお願いして整えました。

Q. メインパートがかなり脳裏に残る曲です。'Life is so good!' とありますが、炭酸飲料のCMみたいに弾ける快感がありますよね。
A. そうなんです。その部分で曲の主題となる感情を観客たちも直接的に感じてもらいたいです。ツアーでずっと歌うので、後々ファンの皆さんも一緒に叫んでくださったら相乗効果がより生まれるんじゃないかと、僕も期待しています。

Q. ステージのチッケム動画もすでに話題ですよね。私も見ながら、ヒョンジンさんはやはりステージでの表現力や伝達能力が最高だと感じたんですけど。チッケムで見てもこんなにかっこいいですが、オフィシャルビデオを作る計画はないのですか?
A. 僕も作りたいです。可能であれば、ステージでの様子をそのまま移すような感じで。ダンス練習動画も良いんですけど、僕もステージ上の僕自身がとても好きなんですよ。それをそのまま撮ったら良いんじゃ、と考えてました。それが、この曲とより一層合うように思うし、また僕がステージの途中途中でダンスをアドリブで変えたりもするんですよ。そういう臨場感も盛り込んでみたいです。

Q. お、想像してみたら鳥肌が立ちました。そういうロウ(raw)な演出の中で、このステージを作ったヒョンジンの実際の生き様と 'Life is so good' というメッセージがパッと重なる側面がありそうですね。
A. そうなんです。ロウ(raw)な感じ。かっこよく編集せず、そのままワンテイクなり、生の感じの映像で収めてみたら良いと思うんですよね。



ー 訳者後記(という名の書き殴りメモ)
私は、余白や余裕を感じられる空間やデザインを好む傾向にある
今回のインタビューを訳しながら、それが彼にも当てはまると気付かされた

解釈の余地を残しておく歌詞を書くのが好き

まさにこの部分
そして、常日頃から耳に張り付いているくらいに彼の作った曲を聴きまくっている人間として、この表現には大きく頷くわけで

ヒョンジンって魅力詰め詰めではあるんだけど
彼の思考や垣間見える哲学にはうまい具合の余白を感じる
ってなんか気づいて、余白を愛する私が彼にこんなにもぞっこんなのは、そういう魅力もあるからじゃいないかって思ったりもする

そして、キュレーターを目指し、日頃から解釈や分析に体を浸して生きている私として、こうして解釈の機会を投げてきてくれる存在には、どうしてもときめいてしまう…よね


日本語訳:manna
原文: "part 1. 스트레이 키즈 현진이 말하는 솔로곡 'So Good'" (https://www.esquirekorea.co.kr/article/1870673)

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