冨樫義博『レベルE』｜絶対に忘れられない漫画が、そこにはある

レベルE 上 (ジャンプコミックスDIGITAL)

宇宙一の天才的な頭脳と美貌、そして最悪な性格の持ち主・ドグラ星第一王子…人呼んで「バカ王子」。その魔の手から地球を守るのは…熱血健康優良野球少年 7 番レフト・筒井雪隆。襲い来る魔物の群れに…不承不承立ち向かう悪ガキ 5 人組。その智略を尽くした剣・棒・術・策！　塾があるのに…。塾か？　世界平和か？　そして…廊下は走るな！

連載当時、週刊少年ジャンプ誌上でありながら、月一連載を公言していてビックリしたのを覚えている。また、アシスタントを使わずに一人で全てを描きたいという拘りにも、非常に驚いた。商業として成り立たせる為にはアシスタントを使うのが当たり前なのだろうが、漫画という芸術作品を一人で完成させることの意味……共感した人も多かったのではないだろうか。そして、冨樫義博の頭の良さを痛感する作品だった。『幽★遊★白書』で既にその片鱗を見せていたが、グウの音も出ない面白さで、ただただ驚愕した。今や一般的に使われる「予想の斜め上」という表現については、この漫画が初出だったと言われている。その登場を連載時にリアルタイムで読めたことが、何故か今でも誇らしい。