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排泄の自立へのステップ1

前回の記事で、子どもの排泄の自立(一般的にはトイトレ、トイレとレーニング)には3つのステップが必要だとお伝えしました。

(その記事はこちら↓)


さて、では今回は最初のステップについて、より詳しくご紹介します。

排泄の自立のステップ1

『体から排泄物が出る事実を五感を使って脳が認識する』

まずは

『体から排泄物が出るという事実を、五感を使って脳が認識する』

ということが大事です。大人は当たり前すぎて、意識していませんが、膀胱パンパンの状態でトイレに行く時、または外出先で突然大きい方がしたくなってしまい、やっとどこかのトイレで用が足せた時、こう思いませんか。

「あぁ~!!気持ちいい!!」

そう思えるのは、私達は体から排泄物が出ていくことを、脳が感覚を通じて感じられているからなのです。おむつの中では、出ている実感さえほとんどありません。すると実感がないため、ためておいて一度にすっきりと出すこともしにくいので、頻尿になります。ですから、まずはこの「おむつの外」で排泄物が出ていくことを体験し、それを五感を使って脳が認識する必要があります。

大前提となる気持ち

そんなに気負わないで大丈夫です。このステップを一度始めたらもう二度とやめてはいけない、など恐ろしいものではありません。

大人が「おむつの外でするの、きっと気持ちいいよね。子どもにもおむつの外で気持ちよく排泄する機会をできるだけ、もたせてあげたいな」と心を寄せるだけでも、意識しないとのではすでに大きな違いなのです。

例①おむつを開けるだけ

そして、この「おむつの外での排泄経験」は、こうしなければならぬ!という固いメソッドはありません。自分流のありとあらゆるバリエーションで行えます。例えばねんねの時期には、ただおむつを開いてみるだけでOK!!これなら新生児期からできます。

おむつを開いて、寝たまま開いたおむつの上でしていても、性器が外気に触れていれば、充分に、開放空間での排泄を体験することができます。ずっとおむつを開けっぱなしではなく、しそうな時に5分間からスタート・・・などママパパが様子を見て行えます。

例②授乳中におしりに何かをあててみる

子どもがいつ排泄するかを観察していくと、多くの赤ちゃんは授乳中に飲みながら排泄することも多いようです。

ですから、授乳中に下半身裸やすぐおむつがとれる状態にしておいて、おまる、バケツ、容器などをあてて排泄物をキャッチされる方もいるようです。

「え?食事中に排泄物を容器でキャッチするの?」などと抵抗を感じられる方もいるかもしれません。これは、もちろん人よって価値観は様々ですので、ご自分の考えで行ってください!

(ひとつの例ですので絶対に授乳中にしなくてはいけない、ということはありません。)

例③やりちょうず

「やりちょうず」は昔の日本では一般的に行われてきた方法で、浮世絵にやりちょうずが描かれていたりします。この後ろから抱えて「シー」させるスタイルは、首が座ったころから、どこででもできます。

例④立ってしたい時期

ちょうど、立てたり歩けたりできるようになった頃でしょうか。おまるなどで座ってしたくない!立ったまま用を足したい!という時期があるようです。このような時期には、フローリングなど濡れても良いところで過ごしたりして様子を見てもいいかもしれません。

「座ってしたいならここ(おまるなど)、立ってしたいならここ(お風呂場や、お部屋の隅にしいてあるシートなど)、それも嫌ならオムツをつけておこうね」などと選択肢をあげてもいいかもしれません。「立ってしたい時期」が、子どもによってはあるということを頭の片隅にいれておくだけで、「なんでおまるに座ってできないのよ!なんで座らないの!」という争いがさけられると思います。

例⑤座ってできそうならおまるで

多くのママパパがきっとここからはじめてしまいそうですが、「おむつの外でするのが気持ちいいな」「排泄物ってこうやって体の外に出るんだな」というステップを踏んでから、様子をみながらおまるやトイレに誘ってみてください。今までトイレやおまるでやりちょうずなどをさせてきてもらった子は、「ここは排泄物にバイバイするところなんだな」とぼんやり理解しているでしょう。

はじめのうちは、子どもが「トイレ怖い!」という経験をしてしまわないように、自動洗浄するトイレは、電源をオフにしておいた方がいいと思います。

用意する物

この排泄のステップ1は、下半身はさまざまな状態で行えます。なるべくなら、下半身に着けるものが薄ければ薄いほど、おむつの外でしなかった時も、排泄物を感じやすいとは言われていますが、普段紙おむつでだってできます!

紙オムツの場合は、より観察力をもって、「そろそろ、排泄しそうかな?」ということに気が付いて外してあげることが必要になってきます。

寝るとき紙おむつ、日中は布パンツ、時々すっぽんぽん、寒いときはまた割れズボン(中国などで良く使われている、股間の部分のみ穴があいているズボン)など使い分けてやられる方もいらっしゃいます。

また割れズボンショップ
http://utaubaby.shop-pro.jp

おむつの外でさせる頻度は?

キーワードは「ゆる~く、続けること」


やらないよりはやった方がいい、位に思いましょう。

パパママが神経質になるよりはリラックスした方が、子どもも安心します。フルタイム(一日中おむつの外で排泄)でやれたら素晴らしいですし、パートタイム(時々おむつの外で排泄)でも大丈夫です。

赤ちゃんが折角おむつの外ですることに慣れてきたのに、旅行などでいつものようにできない際などは、赤ちゃんだと思わずにきちんと伝えましょう。

「今日は○○という理由で、おむつの外ではできないけど、また○○になったらできるからね、今日はおむつを着けてくれてありがとう」などとちゃんと心から説明すれば、赤ちゃんだって分かってくれます。

いかがでしたか?

おさらい

大事なことは、排泄物の形や色を見、出る時の音を聞き、皮膚で感じること。

「いいうんち」「おしっこいっぱい出たね」等と肯定的に思える言葉を伝えてあげましょう。これで身体感覚的が発達していきます。

下半身を裸や布パンツにして一定時間(15分〜30分程度でも)過ごし、おむつ外での排泄体験してみましょう。場所にこだわらず、濡らされても気にならない場所ならどこでもOKです!

やり方は、これでなくてはいけない!ということはありませんので
自分にあった、無理のない方法で、「楽しんで」お子さんと協力してやってみてください。

「できるだけおむつの外で気持ち良い排泄をさせてあげたいな」

その気持ちを持つだけで、立派なおむつなし育児のはじまりなのです!


(出典、参考文献:おむつなし育児研究所 <0歳からの自然なおむつはずし オムツなし育児アドバイザー養成講座テキスト>)

本投稿の漫画監修:和田智代先生
(おむつなし育児研究所所長)

和田智代先生の最新刊:「赤ちゃんはできる! 幸せの排泄コミュニケーション: 「おむつに頼りすぎない育児」という選択」(言叢社)「好評発売中)

おむつなし育児研究所HP http://omutsunashi.org/

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育児日記

子育て中のママパパに役立つような情報を書いています。 これからも頑張りますので応援お願い致します!! 保育士、モンテッソーリ教育資格者(0-12歳)、おもちゃコンサルタント、おむつなし育児アドバイザー。