米国の映画界の異端児ミニオン〜ディズニー・ピクサー・ドリームワークスがひしめくアニメーション映画業界に突如現れた黄色い生き物〜

2010年米国のアニメーション映画界において突如現れた黄色い生き物。何を喋ってるか分からない。何者かも分からない。ただそんな黄色い生き物は「ミニオン」と呼ばれてる。そのミニオンというキャラクターが出てくる「ミニオンズ」及び「怪盗グルー」シリーズの累計興行収入は全世界のアニメーション映画の中だとNo. 1である37億ドルを超えている。ではなんでディズニーやピクサー等の多くの人気作品がひしめくアニメーション映画界において2010年に突如現れた黄色い生き物がここまで人気が出たのか。今回はその理由を単純に可愛いから。面白いから。だけではなく様々な角度から紐解くことにした。そうしたら現在のアニメーション映画の仕組みとキャラクタービジネスの重要な鍵となるものが分かった。

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「ミニオン」を作ったのはイルミネーション・エンターテイメントという会社だ。この会社は2007年に設立された他の会社と比べても新しい会社だ。このイルミネーションは新しいながらも怪盗グルーやミニオンズのほかにペットやSINGなどの人気作も抱えており、今後は任天堂と連携したスーパーマリオの映画や浦沢直樹先生作のPlutoも公開予定だ。新興映画会社ながら比較的に人気作が多い印象がある。

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ここで米国のアニメーション映画業界について考えてみる。米国のアニメーション映画にはディズニーやピクサーやドリーマーワークス等がある。その中でも特にディズニーやピクサーの存在は大きい。アニメーション映画歴代興行収入はほとんどディズニーやピクサー作品が占めている。それらの結果通りにディズニーやピクサーの作品は本当にどれも凄い。哲学や教訓、深いストーリー性、社会情勢などを取り組んでおり(ズートピアだと差別と偏見について、トイストーリーは友情と別れ等)しかもそのテーマを何の違和感もなくストーリーに取り入れている。だからこそ子供から大人まで楽しめる作品になっていると思う。それでは「ミニオンズ」はどうだろう。作品を観るとそこには特に哲学や教訓は深いストーリーかとかもない。1時間半ミニオン達がスクリーンの中をただただ暴れ回ってるのだ。一言で言うなら超ドタバタコメディ映画。だけどだからこそ成功したと思うし、2015年当時で歴代アニメーション映画興行収入2位の11.59億ドルを記録したと思う。どちらかと言うとその頃のアニメーション映画はストーリー性を重要視してたと思う。そうした中で「怪盗グルー」シリーズ「ミニオンズ」そう言ったストーリー性重視の作品というよりキャラクター重視という別の山を登ったと思うし、だからこそ差別化できたのだと思う。

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思えばイルミネーション作品はそういった傾向が多々みられる。2016年に公開した「ペット」は公開以前はトイストーリーの動物版と言われていたが内容は1時間半可愛いペットが暴れてるドタバタコメディ。「怪盗グルー」も一作目は家族愛なども描いてたが2作品目からはドタバタコメディになった印象がある。個人的にはイルミネーションはそのような独自の山を登っている印象がある。

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実はミニオン誕生にはスタジオジブリが深く関わっているのはファンの中ではひそかに有名な話だ。実はイルミネーションの制作陣は映画を制作する以前にスタジオジブリを尋ねており今後どんな映画がヒットするかを聞きに行ったと言われてる。そうするとジブリ側は「まっくろくろすけ等そういう小さいキャラクターが出てくることが大事」だとアドバイスを受けたそうだ。そこで生まれたのがミニオンというキャラクターである。そしてこのミニオンを分析すると非常に精密に作られたキャラクターだと分かる。

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やはりミニオンの印象で最初に出てくるのは「可愛い」ということだと思う。その人間が可愛いと思うのもカラクリがあるらしい。それは動物行動学者のコンラート・ローレンツ先生が1943年に発表した論文によると

大きな頭、大きな目、短い手足、体の丸み、柔らかさ…などが挙げられる。これらの定義に全て当てはまるのは身近な例だと赤ちゃんであって、人間が赤ちゃんを可愛い、守りたいと思う心理は人間が本能的に持っている性質と言われている。。そう考えるとミニオンもこれらの定義に多く当てはまると思う。(大きな目、短い手足、丸み等)つまりミニオンは赤ちゃんのような性質を持ち可愛いという心理が働くと思う。日本のキャラクターでもドラえもんやピカチュウなどはこの性質があるし、日本各地にいるご当地キャラクターやマスコットキャラクターもこれらの定義に当てはまっているキャラクターが多いと思う。

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まとめに入るのだが2010年代に突如現れたミニオンがこの短期間でここまで人気が出たのはイルミネーション独自のキャラクター重視映画ビジネス。そして可愛いという定義を満たしているキャラクター性だと思う。そして2020年にそんなミニオンズの待望の新作「ミニオンズフィーバー」が公開予定だった。しかし、今や世界を取り巻く大問題で公開は延期したのだが、また来年全世界でミニオン旋風が吹き荒れるのを楽しみにしている。


とゆーわけで!バーイ!🤲

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