進撃の巨人が漫画界に与えた影響と鬼滅の刃の台頭〜2010年代革命〜

今鬼滅の刃が大ブームだ。アニメはもちろん主題歌の紅蓮華も大ヒット。関連商品も軒並みヒットし、単行本に関したらこの一年弱で売上が12倍に伸びて6000万部を突破した。今や社会現象となってる同作だが少し前でも同じような現象が起きていたような気がする。それが「進撃の巨人」だ。

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進撃の巨人の進撃の歴史

進撃の巨人は2009年9月に別冊マガジンで連載がスタートした。連載当初こそはさほど人気は高くなったが、連載開始から3ヶ月が経過した頃に読者アンケートによる評価が急速に増え始め単行本が発売した2010年にはわずか2巻にも関わらず発行部数は100万部を記録した。2011年には宝島社による「このマンガがすごい!」にオトコ版で1位に選ばれるなど人気が高かった作品だ。

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その進撃の巨人が更なる進撃を見せたのはやはり2013年のアニメ化がきっかけであると思う。それこそアニメは大ヒット。主題歌の紅蓮の弓矢も紅白歌合戦で歌われる等の人気を飛ばし、関連商品も軒並みヒット。もちろん単行本の発行部数も急速に伸び始めた。そして2020年現在は発行部数が1億部を超える今や日本が誇る世界的な作品になった。

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そんな「人類VS巨人」をメインに描いたこの作品だが実は各出版社からたらい回しにされたのはご存知ですか?

王道少年漫画「ジャンプ」と異例の快進撃「進撃の巨人」

これは漫画ファンの中だと知られた話だが実は進撃の巨人はマガジンの編集部に持ち込みする以前にジャンプとチャンピオンに持ち込みするが蹴られた経験がある。特にジャンプの編集部からは「『漫画』じゃなくて『ジャンプ』を持ってこい!」(ジャンプの3大テーマである努力、友情、勝利の漫画)と言われたのは有名な話だ。

その後その才能をマガジンの編集部に見出されて1話のタイトルページに「この才能は本物か!?」という1文と一緒に別冊マガジン2009年10月号で進撃の巨人の伝説が始まった。

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このことに関したら未だにネットでも色々物議をかましているのだが、これはあくまで僕の意見だが正直言って進撃の巨人はあの頃のジャンプには向いてなかったと思う。ちょうど2010年前後のジャンプってワンピースやNARUTOのような「努力・友情・勝利」の揃ったいわゆる王道少年漫画が多かったイメージがある。一方進撃の巨人は皆さんも知ってる通りに主人公のエレンは巨人によって家族や故郷、全てを失った。その巨人を駆逐するために調査兵団に入団する………暗い。暗すぎる。正直僕も進撃の巨人を読んでて胸が痛くなる所が多々ある。しかし、だからこそ人気があるのだと思うし、支持されてると思うのだがジャンプが思い描く「努力・友情、勝利」には少し離れてるような気がする。

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ジャンプを読むのをやめた時

僕は昔から超がつくほどジャンプっ子だった。小学生から毎週ジャンプを読んでどの作品も好きだった。絵を描くのも大好きで描く絵は大体ワンピースやNARUTOなどのジャンプキャラが多かった。そんな僕だがパタリとジャンプを読むのをやめた時がある。それは2010年代の中盤辺りだ。その当時はNARUTOやBLEACH、銀魂や暗殺教室やこち亀といったいわゆる一時期のジャンプ黄金期を支えた作品が一斉に終わった時だ。この時はネットでも「ジャンプは終わった」と言われていた。僕もちょうどそのタイミングでジャンプを読むのをやめた。皮肉にもその時はジャンプが連載を蹴った「進撃の巨人」が爆発的な人気を獲得してた時に………。

だからと言って僕は今でもジャンプ作品は大好きである。未だにワンピースは大好きだしヒロアカも大好きです。しかしそれらは単行本で買うようになりジャンプを読むのをやめてしまった。


進撃の巨人が与えた影響

進撃の巨人がヒットして以降バトルものがよりハードなシーンが多くなった印象がある。何かを犠牲にして戦うというシーンも多くなった気がするし、重いシーンも増えたような気がする。これは絶対とは言えないが僕個人的には「進撃の巨人」のヒットが影響していると思う。

ジャンプの作品も影響を受けたような気がする。その時はジャンプでもクセのある漫画家をたくさん起用していった記憶がある。例えば「呪術廻戦」などもそうである。思えば「約束のネバーランド」も従来のジャンプっぽくない作品である。もちろん打ち切り漫画は多いのだが、その2010年代ジャンプ改革の最中に始まったのが今大人気の「鬼滅の刃」(2016年〜2020年)だ。

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鬼滅の刃と進撃の巨人の共通点


鬼滅の刃も正直言って暗い話である。主人公の炭治郎の家族は鬼に殺されて妹は鬼に変えられてその因縁を晴らすために鬼殺隊に入隊する。 これも暗い……。正直進撃の巨人に比べると少しは明るい話もあるのだがやはり読んでいて心が重たくなる時が多々ある。鬼滅の刃も従来のジャンプらしさとは少し離れてるような気がする。

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しかし2020年になっていわゆるジャンプらしくない鬼滅の刃が大ヒットをかましている。関連商品は軒並みヒット。アニメも好調で主題歌も大人気。今年の12月には映画も控えてるまさに飛ぶ鳥を落とす勢いの人気である。惜しくも今年の5月に連載は終了したのだが未だに鬼滅人気はとどまるわけじゃない。多分少し時代がズレていたら鬼滅の刃もジャンプ編集部に「『ジャンプ』を持ってこい!」と言われてたかもしれない。しかし現在明らかにジャンプから大ヒット漫画が登場した。これは明らかにジャンプの進化だと思うし、明らかに漫画界が更なる盛り上がりを見せていると思う。そして僕は食わず嫌いで読まなかったジャンプを鬼滅の刃の影響でまた読んでいる。

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これからも進化し続ける日本の漫画・アニメ文化


未だに鬼滅の刃ブームに関してたくさんの意見はあるよだが、社会現象ともなる漫画が登場することで漫画界が盛り上がるのはもちろん、いわゆる日本が誇るクールジャパン、日本の漫画やアニメはより発展して素晴らしいものになると思う。

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これからも進化し続ける「少年ジャンプ」でヒット作が生まれるのを願っている。