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【創刊号〜No.3】週刊少年ジャンプ 1968年 8月1日/8月15日/8月29日

序章「冒険の始まり」

私、漫画がというよりジャンプがすごい好きなんですよ。

人並みなんですが、毎週月曜日が生きる活力ですし、集英社には入社できなかったものの、少しでも近くで仕事がしたいと思って集英社の下請け企業で働いたこともありました。

それはそれで幸せだったんですが、まあ収入面が苦しく。今は別の仕事をしています。

そんなことはさておき。

とにかくジャンプが好きなんです。

ただ気づいたんですよね。その始まりをよく知らないなって。
数年前に発売された創刊号の復刻版は買ったんですけど、なんとなく読まなくて。好きだと語るのにそれでいいのかなあなんて思ったんです。

で、気づいたら国会図書館にいました。
10年かけて全部読んでやろうというわけです。

そしてまあ、結論から言うと辞めたわけですが笑。

来館予約→貸出申請→読む(資料の状態によっては個室で)→複写(スキャンはできないので、プリントを申請してしてもらわないといけない)

ダルゥ笑

情熱うっっっっすと言うツッコミはさておき。

とりあえず3冊は読んだのでそのざっくり感想でも投稿できればなと思います。

あー永田町に家があればなあ。
そうか、総理大臣にでもなろうか。
なんて。はい。

創刊号(1968年 8月11日)

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まさに伝説の始まりである創刊号。

表紙はよくわからんレーシングカーです。

「★ぜんぶ漫画★ぜんぶ読み切り」のキャッチが示すとおり、グラビアがなかったり、小説がなかったり、そんな少年誌はなかったようで。

「新しい漫画新幹線」も意味がわからないですが、とにかく最先端。新しい漫画雑誌だぞ、と言う後発の少年漫画誌としての意気込みを感じます。

掲載タイトルはこんな感じ。

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おそらく編集部員からのコメントのところに

月二回発行の全く新しい週刊誌スタイルの「少年ジャンプ」創刊号をおとどけしました。
作者と編集者が一体となって、作品を創りだすという、新しい方向を打ち出しました。そして、一流の先生方に精魂こめてかいていただきました。これが本誌が誇る漫画新幹線です。

とあります。

とにかく”新しさ”を打ち出していて、後発の少年漫画誌としての意気込みを感じます(二度目)。
事実わずか5年で週刊少年マガジンを追い抜いて、雑誌発行部数1位となるんだから。その速度も新幹線だったんでしょう。

ほぼ巻頭に創刊記念大懸賞として、総額100万円のプレゼントキャンペーンを張っているのも勢いを感じます。

さてはて、掻い摘んで作品感想です。

・くじら大吾
梅本さちお

キャッチコピー「おお、けたはずれにおもしろい…新人No1のNo1漫画」

巨漢少年 さちおが高知から上京し、創立10周年の超エリート校に、スポーツ特待生として引き抜かれるという、ストーリー。

創刊号の表紙なので、鳴り物入りで始まったんだろうと思います。
ちばてつやさんのアシスタントもされていた作家さんなんですね。

残念ながら11回くらいで連載は終わってしまって、その後はジャンプの「専属契約」を嫌って、本誌を離れてしまったようです。

・大あばれアパッチ君
赤塚不二夫

ジャンプといえば、「◯◯先生の作品が読めるのはジャンプだけ!」なはずが、赤塚先生も創刊号から登場。

先述の梅本先生の話もあるので?ではあるんですが、途中からそのルールが発生したんですかね(数号後にかの石ノ森章太郎先生も描いています。「俺と俺」すごい面白かった)。

ちなみに、本作は保安官の息子がアパッチ(インディアン風)、しかも街の住民と風景はメキシコ風というカオスさ笑

・すべてのニュース・得ダネを漫画で料理してしまう漫画ジャーナル

手塚治虫やちばてつや、川崎のぼるも登場してるコーナーでした。

・地獄剣
高野よしてる

時代劇ものもたくさんありますね。

父が剣術指南役の盲目の剣士(13歳)雷太郎が、父親の敵討ちに殿様を討つという王道な感じ。

劇画でハードな内容が多いのも印象的。

・父の魂
貝塚ひろし

キャッチコピー「熱血野球漫画の大ホームラン!」

こちらも連載物(全部読み切りとはなんなのか笑)。

1話でバタバタと人が死ぬ怒涛の物語なんですが、実はサブキャラっぽく出てきたバット職人とその甥っ子が主人公という、なかなかひねりの効いた構成。

実在の選手が多数出演するのもこのころの漫画っぽい。

ちなみに、1話のストーリーテラーは川上哲治で、野球好きの少年として長島茂が登場します。

・ハレンチ学園
永井豪

キャッチコピー「傑作ギャグ漫画」

これまた初期の少年ジャンプを支えたと言われる作品。

初回は意外にもお色気シーンはほとんどなかったのが印象的。
勝手に「やるっきゃ騎士」的な作品かと思い込んでいた笑。
”初期は”からかもしれないけど、ドタバタギャグ的な作品でした。

お色気シーンといえば女子更衣室で女の子の背中が見える程度。むしろ担任の丸ゴシ先生の尻が丸出しになるという…。

・ドル野郎
望月三起也

キャッチコピー「異色戦記漫画」

・フラッシュ・ゴードン
ダン・バリー

海外の人気漫画を掲載するという試みらしいんですが、なぜか右からしっかり読める構成。ジャパナイズして書き直したりコマ組み替えたりしてたんだろうか。

アメリカでは、コミック・ストリップ(新聞連載漫画)だったらしい。映画化もしてるんですね。

・手
梅津かずお

キャッチコピー「妖怪時代漫画」

またもや御大の漫画。

今と変わらぬクオリティで、それを描き続けてるってすげえなあとシンプルに思いやす。

1968年8月15日 No.2

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・父の魂
貝塚ひろし

「キ◯ガイ」とかバンバン放送禁止用語が出てくるのに時代が感じるなあ笑

・伊賀丸
森田拳次とげんこつプロ

キャッチコピー「ナンセンスギャグ漫画」

伊賀忍者の子孫伊賀丸とライバルの甲賀の介によるドタバタギャグ。
「トムとジェリー」とかひかわ先生の「星のカービィ」みたいなノリでした。

・びっくり太郎
よこたとくお

キャッチコピー「爆笑KOパンチ」

・おーい!一組
巴里夫

キャッチコピー「学園ユーモア漫画」

いじめられっ子が芯のある転校生の影響で、自信を持てるようになるっていう今でもよくある物語で、ストーリーの基本展開ってやっぱり基礎基本があるんだなあという気づきがありました。

・すてきなサムライ
関谷ひさし

キャッチコピー「ゆかいな時代漫画」

・負け犬
中沢啓治

キャッチコピー「熱血ボクシング漫画」

「はだしのゲン」の中沢先生が登場しました。

絵柄ははだしのゲンと同じく、ドキリとするような目力のあるキャラクターたち。

簡単に解説すると、負け犬ボクサーが突然拉致されて滝の前に縛られた状態で座らされ、一日パン一個だけを支給される。しかも突然の投石セット。犯人は謎のトレンチを着た男でした。

トレンチの男による試練は、ボクサーとして大成するための修行らしく、その後どんどんエスカレート。

日本刀を避けまくる特訓、ナイフで切りあう特訓…笑

しかもトレンチの男を刺すことで修行完了。

しかもトレンチの男、死にます。
すげえな笑。

しかもトレンチ男の動機は、自分の影をたまたま見た主人公に重ねただけと言う笑。

・アタックV
旭丘光志

キャッチコピー「探偵アクション」

・魔術探偵マンドレーク
ストーリー:リー・フォーク
絵:フレッド・フレドリック


・くじら大吾
梅本さちお

大吾は3メートルあるらしい。どんな巨漢だ。

学園ものが始まるかと思いきや、あんまりその雰囲気はなく、なんとなくドタバタした印象でした。

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1968年8月15日 No.2

・くじら大吾
梅本さちお


・父の魂
貝塚ひろし

割と物語の進み方が面白くて。

熱血野球漫画じゃないんですよね。

あくまでバット職人の父親にフォーカスが当たっていて、人情漫画って感じ。

新しく始まった少年漫画の看板作品が、直球なスポーツとかバトルじゃないところが面白い(時代背景もあるのかな)。

新しいことを指定いこうっていう、編集部の考え方が透けて見えるようで興味深いです。

・風天忍法帖
永井豪

キャッチコピー「珍説笑夏術」

・走れ!番長
荘司としお

キャッチコピー「熱血感動漫画」

・ラッパ君
松下ちよし

キャッチコピー「爆笑漫画」

・涙の追手
橋本将次

・秘密諜報員コリガン
アル・ウィリアム

・星と刀とつむじ風
望月三起也

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そんなわけで、意気込んだもののすぐに折れた私でした。

定年したら再挑戦しようかな。

各作品についていたキャッチコピーが面白かったので、ぜひそこも見てみてください。

それではまた別の投稿でお会いしましょう。

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