漫画好き男

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北北西に曇と往け 入江亜季 KADOKAWA

この作品を読むと、ほぼ確実にアイスランドに行きたくなる。温泉、食べ物、その他の観光などなど、物語が流れる中で紹介してくれる。何より食べ物が美味しそう。 と書いておきながら、この漫画はアイスランドの紹介漫画ではない。アイスランドで探偵をする日本人が主人公の漫画なのだ。「能力」×「アイスランドの日常」という新たな組み合わせ。「メタモルフォーゼの縁側」のような今までなかった組み合わせがKADOKAWAは力を入れているのだろうか。 アイスランドに行くなら観光雑誌とこの作品をセット

    • グッド・ナイト・ワールド 岡部閏 小学館

      これほどまでに完成された第1話と、これほどまでに考察に富む最終話を私は知らない。 「世界鬼」という作品をご存知だろうか。岡部閏先生の前作である。世界鬼に続いて「グッド・ナイト・ワールド」は独特の世界観を私たちに魅せてくれる。 VRが当たり前の世界で、最強の4人が紡ぐ物語。家族の絆とは何か、人とは何か、存在とは何か、そんな問いを投げかけてくれる。 第1話だけでもぜひ。 そして現在は「夜人」という作品も連載中。こちらも目が離せない。

      • 青のフラッグ KAITO 集英社

        どうすることもできない問題に対して、自分ならどのように向き合うだろうか。 どうすることもできない問題に向かう友人に対して、自分ならどのような言葉をかけるだろうか。 根性や努力ではどうにもならない問題がこの世にはある。主人公たちはその問題をどのように乗り越えるのか、はたまた逃げるのか、今後の展開に目が離せない。 どのようなことをテーマにした漫画なのかをいうことはできない。それ自体がネタバレに繋がりかねないからだ。ただ、読んで後悔することはないだろう。ぜひ一度読んでほしい。

        • メタモルフォーゼの縁側 鶴谷香央理 KADOKAWA

          また新たな風が漫画界に吹く。 これが2巻まで読んだ私の感想だった。私は男だ。「男がBLなんて読むものじゃない」なんて言うつもりは一切ない。しかし、私がこんなにも早くBLが題材の漫画を読むことになるとは思ってなかった。 「おばあちゃんと女子高生の日常」×「BL漫画」が題材のこの漫画。男女問わず、どんな年齢層でも楽しめる工夫が散りばめられている。「このマンガがすごい!2019 オンナ編」第1位に相応しいと思うのはきっと私だけではないはず。

        北北西に曇と往け 入江亜季 KADOKAWA

          ブルーピリオド 山口つばさ 講談社

          人生の岐路に立たされている時、あなたは何を基準に道を選びますか? 主人公は頭は良いが素行はあまり良くない。そんな主人公にとって「美術」の時間はどうでもいい時間に過ぎなかった。しかし、先生や周りの言葉、美術作品によって心動かされていく。これはある高校生が国内最難関の美大を目指す話。 「楽しいことを仕事にすることの意味」を問われた先生の答えを見て私はハッとしました。今の自分に言われているようで...

          ブルーピリオド 山口つばさ 講談社

          懲役339年 伊勢ともか 小学館

          「生まれ変わり」が信じられている世界。そんな世界で、ある重罪を犯した主人公は339年の懲役刑が科せられた。主人公が牢屋で死んでも、すぐにその生まれ変わりを見つけては牢屋に入れていた。 「信じるとは?」「正義とは?」「真理とは?」様々な哲学的問いを考えるきっかけを与えてくれる。 全4巻。最終巻にきっと涙するだろう。

          懲役339年 伊勢ともか 小学館

          セトウツミ 此元和津也 秋田書店

          いつもの河原でいつもの2人。それが瀬戸と内海である。2人の掛け合いが面白すぎて、電車内で読むことをお勧めしない。ぜひ、1人で大笑いしてほしい。 また、此元和津也先生の天才ぶりが手に取るように分かる。最後の2話。開いた口が塞がらないとはまさにこのことである。数々の伏線をたった2話で回収し、今までの話とは雰囲気がガラリと変わる。 全8巻。ぜひ1話だけでも読んでいただきたい。一気に全巻読んでしまいたくなる漫画である。

          セトウツミ 此元和津也 秋田書店