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【あのクリエイターのひと言】シンプル・ミニマルがすべての解ではないかもしれない。

出典・・・youtube (埋め込み・TOP画)

ペプシマンは足し算なんです。広告はシンプルな引き算だっていうのは間違っていると思います。要するに、単に削ぎ落として表面的にシンプルにすることはたやすいけど、そういうことではなくて、言いたい100個のことをたった1つの声で全部凝縮して言うっていう、とてつもない足し算をするわけです。
最終的にはコカコーラを抜くところまでやるというシナリオが僕の中にあったんですが、たまたま、先方の担当者が代わるなどして、やりきれずに終わっちゃった。そこでまた僕はすごく挫折したわけです。10年間やってきたことは何だったんだろうと。単に企業の売り上げを考えているだけなのはいかがなものかと思うようになった。

出典・・・BRAIN 2009年 4月号 大貫卓也×平野敬子スペシャルトーク


※ペプシコーラはこの後、大貫さんのディレクションのもと、ボトルキャップキャンペーンを開催。爆発的な人気となる。


大貫卓也・・・日本の著名なアートディレクター・グラフィックデザイナー

著名な仕事として「TSUBAKI」(資生堂)「Yonda?」(新潮文庫)「プール冷えてます」(としまえん)などがある。

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デザイナー(自分)も、経営側もメッセージをシンプルに、シンプルにしたいと思いがちだ。そうやって複雑なサービスをシンプルにシンプルにしようとしてきたが、最近、ねじまげたシンプルさでは、うわべをすくっただけのような骨組みになり、本当のことは伝えられないと思うようになっていた。引き算が無意味なら、究極の足し算を考えなくては!さらに、このCMディレクションのすごいところは、海外からまるっと持ってきたような空気感であること。ある意味キャンペーン臭を消すことで、ずっと前からペプシマンが居たような定番感を感じることができます。すごい・・・。

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美大生の頃は、大好きなクリエイターさんが私の心の中にいつもいました。時代が変わってきて、自分の中にそういった存在感があるクリエイターさんの存在がいなくなってきていることに気づきました。歳を重ね成長したからかな?という思いと共に、若い人にとっても、ただこの人!という象徴的なクリエイターさんがいない時代かもしれない。という思いになりました。

このマガジンでは、自分が読んだ本から見つけた素敵なクリエイターさんが、自分のデザインの糧になるよう、誰かの何かのきっかけになるよう、紹介して行こうと思います。

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将来は、小さな連載を数本抱えているおばあちゃんになりたいです。