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不思議だけどきらきらかわいいSerani Poji

以前、自分の音楽史みたいなのをRIP SLYMEの記事で書きましたが、その中にすっぽり抜けているアーティストがありました。
「CECIL」と「Serani poji」です。
この2組は、私の人生を長きにわたってきらきらかわいく彩ってくれました。

まず、最初に出会ったのはCECILです。
昔ニコニコ動画で料理タグの動画を見るのにハマっていたのですが、ある動画のバックでめちゃくちゃかわいい曲が流れてて、調べるとCECILの「プラバルーン」という曲だったんです。
普段、音楽に基本興味はもたない私には珍しく、そのままニコニコ動画で「CECIL」と検索しました。
そこで出会った動画がCECILの作業BGMで、投稿者さんが曲を厳選してくれている中にやつがいました!
それがSerani Pojiちゃんです!
要はCECILとSerani Pojiはボーカルが一緒なんですけど、メンバーというかプロデュースしてる人が違う別グループなんですね。
普段音楽を積極的に聞かない私には本当に珍しく、その作業BGMを聴きながらネットサーフィンの毎日。
その頃、バドミントンの県大会に行った先で一目惚れした男の子がいたので情報を探るべくホムペのリンクとびとびにはまっており、CECILとSerani Pojiとセットの思い出になってます。キモ歴史。特定の曲を聴いたらほんのり蘇る。
その動画だけじゃなく他の曲が入った動画もあさりまくり、私はその2組のそれぞれの魅力にしっかりとりつかれました。
今回はその、Serani Pojiちゃんの話をしたいと思います。

Serani Pojiはアーティストのグループというか、ちょっと変わった出自なので簡単に説明します。(私がわかる範囲で)
昔SEGAで出された「ROOMMANIA」シリーズというプレステのゲームがあって、そのゲーム内で主人公が好きなグループが「Serani Poji」で、ゲーム内で実際に曲とかも流れるんです。
その企画として生まれた、という感じですね。たしか、ゲーム内ではセラニポージちゃんというひとりの女の子。
ゲームベースでできてるので、ストーリーに沿った歌詞の曲を歌ってるらしいです。
それからあくまで企画なので、ボーカルが2回変わったりもしています。3人目のササキトモコさんに関してはプロデュースされてるご本人です。

というわけで、ゲームありきのグループなんですね。
なんですが、ゲーム内の曲を生めばいっか〜というクオリティでは全くありません。
私はROOMMANIA全くやってないですが、それでも歌詞は最高メロディも最高クオリティMAXという感じです!
ゲームを知らずとも名曲だけど、ゲームを知っていたらもっと名曲という。
本当に好きなものを語っているので偏差値が2になっていますが、とにかくSerani Pojiは音楽に興味のない私の心に入り込んできて、きらきらと輝きをくれ感情を震わせてくれました。

では良さ(たくさんありすぎますが)を語ります。
ひとつめ、何と言っても歌詞が本当にすてき!
けっこう歌詞に関しては好き嫌いが多くて、歌詞気取りすぎやろ!とかくどくど言い過ぎ!とかすぐ思うんですが、Serani Pojiの歌詞はとにかく響きがかわいい。
かといってセンス押し付けんな!と思うような羅列とかではなく、心の機微や情景の描写がすごく綺麗で、世界観も曲ごとにいろいろあるけど全部素敵で、心が震えるようなものばかりなんです。
それはやっぱり、ゲームの明確なストーリーに沿ってるからこそなんだろうなと思います。綺麗な世界観と描写。
私が特に好きな歌詞の曲は「勇気のでる歌」「夜の喫茶店」「Octopus Daughter」「EVE」「宇宙船はどこへいった?」などなど…
特に、ゲームをやっていない私でも分かりやすくて描写が素敵すぎ…となったのは「夜の喫茶店」です。
以下に歌詞を書きます。


夜の喫茶店

凸と凹がなんかうまく噛み合ってない。
連続エラーのキャッチボールは、息切れ寸前。
コーヒー紅茶、なくなったのは30分も前。
ウォーターマニアか?僕ら…。水をがぶがぶ飲んでいる。

「水のおかわりいかがですか。」

まわるまわるBGMは、気のきかないヒット曲。
さえない愛のランキング、きっと下降中。

シャララララン、シャララララン。
喫茶店のざわめき。
シャララララン、シャララララン。
ありがちな夜の喫茶店。

1番がこんな感じ。
はあ、かわいい歌詞…。
付き合うちょい前の男女ふたり、どっちも引っ込み思案でお互いの出方を待ってる。
緊張も手に取るように伝わってくる…
かわいいとしか言えないしこんな1番の歌詞量だけでぐんぐん伝わるなんて!
「ウォーターマニアか?僕ら…。水をがぶがぶ飲んでいる。」とか、センター国語レベルで状況描写うますぎる。答えは「喫茶店でお金を出して買った飲み物もとっくに尽きて水だけでおしゃべりしている状況に、これからどこかへ移動するの?店側も大丈夫なのか?と不安を抱きながら言い出せず水を飲むことしかできない。」みたいな感じだ!たぶん!
喋ってる時間より水飲んでる時間のが多いんよね、繋ぎとして水を飲んでいるんよね。

やっぱり2番も好きすぎるから書こう。




カップ&ソーサー、持ってかれて、なびくレシート。
エアコン台風直撃。私ドライスキンじゃない?
ブラックホールや火星探査機の話だなんて、ふーん、とかへぇーしか言えない…。
私、なんとなくおバカ。

「ラストオーダーの時間ですが。」

ウルウルのリップグロスは、買ったばかりの恋コスメ。
このままさよならじゃ、悲しすぎるんです。

シャララララン、シャララララン。
喫茶店の窓際。
シャララララン、シャララララン。
2回目の映画のあと。

「水のおかわりいかがですか。」

パタパタ働くウェイトレス。
本を閉じる予備校生。
喉まで出かかった台詞、同じなのに。

シャララララン、シャララララン。
喫茶店のためいき。
シャララララン、シャララララン。
恋のしっぽが逃げてゆく。


2番といいつつ、結局最後まで書いてしまいました。(誤記あるかも)
センター国語レベルに素晴らしい…本当に…
私本を読まなすぎて褒め言葉がセンター国語しかなくてボキャ貧ですがそれほど意味が伝わってくる…
主人公の女の子も、がっちりはまる会話ができなくてどうしよう…が伝わりますが男の子の会話内容から男の子慣れてないじゃん!!てのが伝わってきてをかしですわ…
男の子も頑張って会話繋げようと話すけど、違和感があることは分かってるんやろうなあ、その上でどうしようもなく話し続けてるんやろうな…
それでもお互い好きだし発展してほしいんだよなぁ。くぅ〜かわいい!
お互いの顔色見すぎるというかね。お互いそうなのに勇気が出ないんだな🤣かわいい。
このセンター国語なみに機微描いてるし登場人物みんなかわいいのが本当にたまらなく好きです。
絵本とか教材のお話を歌詞化したみたいな綺麗さ、素敵すぎです。
これが全部こんな感じなんです。「勇気のでる歌」とかも歌詞に何度元気付けられたか…
がんばれ!負けるな!と言ってるわけではなく、のら犬ミケの心の動きをただ描写してるだけなんですけど、切なくて涙して最後にがんばろうって思えるんですよね。
自分ってなんでこの世に存在してるんだ…とかゴミクズやん…とかよく思ってしまうたちですが、ミケみたいに小さなことをプラスに捉えたら私って幸せやん!と思えて、この幸せを見逃して周りに感謝しないのはだめだなとまで思えます。なのに説教くさくはまったくなくて、ただただ素敵すぎる歌です。
他の曲も、歌詞がまったく説明口調とかメッセージ性ありますみたいな応援口調でもないのに、グッと心にきたり、ズンと重くのし掛かったり、言葉の力ってすごいなと思います。叙述と切り取る場面のプロ。


ふたつめ。
メロディーが素晴らしい。
これは音楽の話なのでテキストで説明は難しいんですが、セラニはいわゆる渋谷系?(渋谷系自体がよくわかってないですが)らしいです。
10年前のあのときから今にかけて、一度も古さを感じたことのない新しさのあるサウンド、パソコンでミックスして作った、ゲーム内にふさわしい電子的なメロディーという感じです。
相対性理論を、さらにキャッチーにポップにした感じだと思います。
で、最近新たに思ったことが、声も含めて落ち着いた感じなのでめちゃくちゃ作業用にしやすいです!これはバンドミュージックじゃないからというのもあると思います。
喫茶店で流れててほしい、会話とか作業とか他にやることあっても気にならない感じの!
あと流れてるだけでお店の雰囲気ごとかわいくおしゃれになること間違いなしなきらきらサウンドです。
先ほども話した「夜の喫茶店」は本当にメロディーも素晴らしくて、喫茶店らしい落ち着いた雰囲気とかおしゃれさとか、恋のきらきら感が伝わってくるようなそんなメロディーなんです。さっきと同じこと言ってますが、とにかくそんな感じです。

それから、セラニにはほぼインストゥルメンタルの曲が何曲かあるのですが、電子的でかわいい音、高い音、かわいいメロディー、ゲームから生まれたという事実よろしく遊び心のある音の入れ込み(ロシア語の少年?と魔王?みたいな声のふたりのやりとりなど) があり、非常にキャッチーで、何か人生のどこかでBGMとして使いたいと思うほど素敵です。
「ラブレイバー」「Shopping Mania」とかは実際にテレビ番組で使われてるのもきいたことあります。
実際にお買い物してるコーナーで「Shopping Mania」使ってる番組あって粋だね!と思ったの覚えてます。それも発売から10年以上経ってるときに流れてます。
それほど誰にも親しみやすく常にイマドキなメロディーなんだなーと思います。



3つ目を話さないとさっきのメロディーの話が完成しないと思うので3つ目。
ボーカルの声が素晴らしい。
最初に話したように、Serani Pojiはボーカルが2回変わってるんですが、それぞれのボーカルが本当に素晴らしい。それぞれに良さがあってきっと、ササキトモコさんもその良さに合わせて作ってる曲もあるんかなと思います。

まず1人目ゆきちさん。
この人がCECILのボーカルでもある、私がCECILとセラニを知るきっかけになった方です。
ゆきちさんの声はめちゃくちゃかわいいけど、どこか切なさが残るような陰があるような、そして艶のある声でお花に例えると「りんどう」って感じだと思います(自分でもピンときていません)
色でいうと薄青紫。
ウィスパーボイスというよりは、元の声のまま歌ってるのかなという印象です。それがウィスパーなだけという感じ。
セラニの中では、低めの音程を可愛い声で歌っているイメージがあります。
ゆきちさんが歌っている曲で言うと、「勇気のでる歌」「Octopus Daughter」「宇宙船はどこへいった?」「128号の謎」あたりは憂いがあったり、謎さが残る曲だからか3人の中でもゆきちさんが歌うからこそ良さが活きる感じがします。
逆に言うと東野佑美さんバージョンの「もじもじ」はありそうですね。
低い歌をミステリアスに歌うのが超いいのがゆきちさんです。
これは3人に共通してますが、ただ歌うだけで感情が全然乗ってないのがまたいいんですよね。こちらの想像ししろがあるというか…
ボーカルの声の色だけに聴く時のポイント?が集中してるから、それぞれのボーカルの良さが伝わりやすいのかなと思います。

次に2人目東野佑美さん。
もともと女優さんで歌手もしていた方です。どうやって2代目セラニポージになったんだろう…?と不思議に思うぐらいSerani Pojiにぴったりな声の方。
そんな佑美さんの良さは、跳ねるような可愛い声!!
お菓子でいうとキャラメル味のウエハース。(これ個人的にめちゃくちゃしっくりきました)
甘いけど軽くて口溶けがいい、という感じ!
ゆきちさん時代の歌とはキーの高さが全然違うのが印象的です。佑美さんの方が高くて抜けるような歌をたくさん歌ってます。
底抜けに明るいかわいい曲と思いきや実は切ない…みたいな曲が多い気がします。「スマイリーを探して」「ぴぽぴぽ」「ボンバーミンミ」「さかな男の物語」などなど。
高くてかわいい曲は佑美さんのエッセンスで切なさはセラニのエッセンスでしょうかね…
かと思えば、「胸にアイタ穴」「EVE」「マイニーウィボン」のような切なさ主体の曲もすごく合っていて、特にEVEは佑美さんの声だからこそよかったなと思います。
ゆきちさん、トモコさんだとこの高さがどうなるんだろう?という感じだし雰囲気的にも1番合っていると思います。ウィスパーで消え入る感じとか。
なんか、高くてかわいくて軽いだけじゃなくてちょっとした無機質感もあるので、その感じがEVEのロボットを歌う歌詞にあってる気がしました。

あとは「ゴーゴー!シューパーガール」も素晴らしいです。とにかくかわいくて「普通の女子」感がめちゃ出てる!
3人の中で1番、お年頃の普通の女の子って感じの声なのでイメージもぴったりです。
ちょっぴり無機質ってことは何にでもなれるという部分もありますしね。ロボットにも寄り添えるし、シューパーガールな女子高生にも、追い込まれて爆弾をしこんだ女の子にもなれる。でも全員かわいいという。


そして最後にトモコさん!
セラニポージを作っている人ご自身が最後は歌も歌うようになりました。
トモコさんの声はとにかくとにかく優しい!優しくて柔らかくて、2人より落ち着いた感じの声です。
すべてを包み込んでくれる母のような声だなと思いました。
「笑うカエル」が特にトモコさんに合ってる曲だなと思います。なんかトモコさんが歌うと歌に説得力が生まれるので(作ったご本人だからかな?)歌詞がいい曲は染みる感じがするんですよね。全部歌詞いいんですけど。
「名もない花」とかもトモコさんが歌うからこその切なさみたいなのあっていいですね。
「ありふれた毎日の歌」なんかめちゃくちゃ山奥にある知る人ぞ知るカフェで流れてそうなおしゃれすぎる曲ですが、トモコさんの声がクレモンティーヌさんみたいな甘すぎないスッと入ってくる歌声だからこそさらに映えてるなと思います!
かわいさ成分よりおしゃれ成分が強くあるのかな。
だから逆に、「シュガーブー」「Dear Heroes」あたりは佑美さんが歌ってるの聴いてみたい!かわいい曲なので!
でもDear Heroesは歌詞がかわいい寄りでなく応援的なニュアンスもあると思うのでやっぱりトモコさんかも。佑美さんにはもっと意味ない歌うたってほしい笑
やっぱそれぞれに合う歌を作ってるとしか考えられんなあ、トモコさんすごい…


こんな感じで良さをポイントに分けて話してきましたが、絶対上手く伝わるわけないなー笑
音楽の話って難しいですね…
トモコさんの曲の話書いてて思い出しましたが、最後のアルバムが出たのが2010年なので私がファンになってからだったんですよね。
なので、発売までの流れ、Twitterや2ちゃんねるのファンたちの反応などをリアルタイムで見ることができました。
ファンは多いとは言えないけど、みんな濃いファンで復活をすごく喜んでいました。
そして発売に合わせて、公式ホームページかなにかでSerani Poji Tシャツが発売されて、高校生で金もない私がなぜかそれを買ったことをふっと思い出しました。
その当時、自分のガタイが大きめなことにあまり気付いていなかったのか、HPの「SSサイズ…女性用」っていうのを信じ切ってSSサイズ買ってました。
着れることは着れましたがピチピチで、「あと2サイズ上げとけばよかった」と後悔してました笑
あとピンク嫌いなよくいるひねくれ高校生だったので、絶対ピンクの方がかわいいのに茶色買ってました。バカ。茶色ももちろんかわいいけどセラニはピンクやろーて!
そんな昔の思い出でした。

私の昔からある夢として、マイカーを買ったらCECILとセラニを流して口ずさみながらドライブしてみたいんですよね!そして友達を乗せて、「これなんの曲?」と訊かれたい。
雰囲気づくりにはぴったりな曲たちばかりで、スカしてる雰囲気もゼロでセンス押し付け感もまったくないので安心して人前で流して「こいつこれが好きなんだな」と思われたいアーティストです。

最後に、私はこの記事を作業中にCECILとセラニ流して「作業しやすい!」と思ったことから書こうかなと思ったので仕事中、作業中にぜひ。
ちょっと歌詞が気になったりしたらじ〜んときちゃうので歌詞はBGMにしつつで。
こんなところで以上といたします。

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