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今回の米大統領選挙、現在の情勢がテレビで見聞きしていた事と違う?と思った方へ

フリーアナウンサーの佐々木真奈美です。

2016年から数年間、アメリカにて研究員、アナウンサー、ジャーナリストとしてノースカロライナ州とニューヨーク州に住んでいました。

今の (11/4 19時現在) 米国大統領選挙の開票途中結果を見て、

「あれ?日本のニュースを普段から見ているけど、アメリカ国民ってよく街頭インタビューでトランプ大統領を酷く批判していなかったっけ?なぜ未だにこんなに支持されているの?」

と思った方がいらっしゃるかもしれません。実はここには一つ、メディアの裏事情があります。

皆さんは、在アメリカの日本のテレビ局の支局がある場所をご存知ですか?まず、ニューヨーク証券取引所や様々な国際機関のあるマンハッタン、ホワイトハウスのあるワシントンD.C.、そしてロサンゼルスです。日本から駐在で来ている記者は大体このどれかの支局に在籍して取材活動を行っています。

では、その支局がある場所は開票結果で民主党と共和党、どちらが選挙人を獲得しているでしょうか?

全て青、「民主党」なのです。

ということは、アメリカ政治で何か動きがあって「よし、街頭インタビューをしに行こう!」となった時には急いでそのVTRを作りたいため、わざわざ広大なアメリカで遠くに出張することは滅多にありません。そうなると、支局の近くを歩いている人、なのでインタビューにこたえている人は民主党支持者(反トランプ)である確率が自然と高くなっているのです。

そして誰に聞いてもトランプ大統領を批判するものですから「民主党が優勢なのか!」とインタビュー側も感じてしまうのです。

もちろん今回のビックイベントに合わせて日本のテレビ局はサンベルトやラストベルトなど共和党支持者の多い州や激戦州にも記者を派遣しますが、どうしても場当たり的になってしまったり、現地コーディネーターが用意周到に準備した人にだけインタビューをしたりして取材が終わってしまうこともあります。

是非こういった事情も知った上で日本のテレビ局が報道しているアメリカのニュースを見ると、見方が変わってくるかもしれません。

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