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医療カルテに何を書いているの? #00074

 病院に行くと、医者や歯医者の先生が何やら紙に書き込んだり、パソコンに入力しているのを見るはずです。アレは、「カルテ」というのを作成しています。カルテに何を書いているんでしょうか。説明します。(小野堅太郎)

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 半年ほど前、歯科医師ワクチン筋注の講習会で市庁舎に集まった時でした。たまたま、本学の守下先生と隣同士になり、講習の間で「マナビ研究室で何か話してよ」と、お願いしたところ快諾してもらえた。内容は、「カルテ、そしてレセプトの書き方」についてでした。撮影は3時間ほどかかりましたが、14分と20分の二つの動画にまとめています。今回は、カルテについてです。

 カルテとはドイツ語の「Karte」から来ており、患者の診療記録のことです。歯科は患者の基本情報をまとめた一号用紙と、実際の診療内容を記録する二号用紙からなります。医科は三号用紙があり、何か違うのかはYouTube動画を、ご覧ください。

 小野は、歯科医師免許を取得しましたが、基礎研究の道に突き進んだため、臨床経験がありません。つまり、カルテを書いたことがありません。なので、何となくはわかるのですが、詳細は知らないため、結構勉強になりました。学部学生や研修医の皆さんには結構タメになる話だと思います。

00:18 診療録(カルテ)とは
03:10 紙か電子か
07:32 実際の歯科カルテ用紙(医科との違い)
12:35 保険点数について(講義はあるの?→ない)

補足・訂正

 電子カルテには「電子保存の三原則」が適用されます。「真正性」「見読性」「保存性」です。真正性とは、「間違いなく本人が書いていて、後で改竄されていないこと」です。電子上で、変更履歴が判断できないといけません。見読性とは、「読みやすいように直ぐに画面表示や印刷できること」です。保存性はそのままで「ちゃんと保存されてること」です。真正性が技術的に結構難しいため、電子入力しているものの「カルテの紙印刷保存」が行われている理由です。

動画クイズの答え

 カルテと同じく、レセプトもドイツ語です。明治時代以降、医学は蘭学や漢方医学を離れ、細菌学華やかなりしのドイツ医学に方向転換しました。200年以上の鎖国から急に開国したわけですから、感染症対策が最優先事項でした。ドイツ医学の発展にはベルリン大学による「新しい大学のあり方」が始まっていることが関係しています。
 と言うわけで、日本の近代国家の始まりにおいて、ドイツ医学が日本に接近したわけです。そこから診療録のカルテや歯科診療請求書であるレセプトいう言葉は、英語ではなくドイツ語に由来しています。


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