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うちの庭で
うちの古民家に元々住んでいる黒猫のジジが
仔猫を生んだ。
何度生んでいるかわからないけれど
気がついたらみんないなくなっていく。

今回は、ジジは庭の隅っこの
枯れ葉と波板の間の細い隙間に
生んだ様子。
生んだ、ジジの姿は今、どこにもない。
今回は育児放棄を選んだようなのです。

私は猫は最も苦手な動物だった。

子供の頃、猫に襲われて血まみれになったから
それ以来猫が恐い。
そして
かつてはひどい猫アレルギーで
猫ときくだけで咳が止まらなかった


息子が「10日だけ預かってほしい」と仔猫をつれてきて
やむおえず預かった。
それからずっと1年以上いる黒猫アリを育てているので
少しくらいはどうすればよいかわかるようになってきた。
面白いもので、猫を受け入れたら咳は出なくなった。


そして、その後も、前回ジジが生んだと思われるうちの
1匹が家の中に入ってきてしまい
そのままうちで育てることに。
今2匹猫がいます。息子の黒いかぎしっぽの野良だった子アリくんと
まだまだ仔猫のミャオちゃん。
私、犬派なんだけど・・・


ともかく昼間はあったかいけれど
夜は冷えるし、
この小さな命を救わなければ!と
郵便局に小包を出しにいくところだったのだけれど
今の状況を把握して
とりあえずは猫に詳しい友達に連絡をとる。

FBにアップしたりして
パニックのようになっていたのだけれど
一番よく保護しているであろう
愛護センターに電話をして状況を伝え
どうすればよいのかをきくことにした。

私の予想では
「すぐに体温が下がらないように温かくして
連れてきてください」
だと思っていた。

ところが違った。

「仔猫ちゃんはお母さんが放棄してしまって母乳が飲めないと
ほとんどの場合がすぐ亡くなってしまいます。
心痛いとは思いますが
お母さんが帰るまで何もせずに
そのまま見守ってあげてください。
人間がいると警戒してまた戻ってこなくなるので
ともかく母乳を飲むということが先決です。
それで亡くなったからといって、
責めないでくださいね」


という内容だった。
優しかった。
「少し気持ちが楽になりました。ありがとうございます」
と電話を切った。


きっと、何も知らなければ
ダンボールに断熱材用の綿を敷いて
手で仔猫を持ち上げて、あっためて
その箱に戻していたと思う。


しかし、待てよ。
と思った。


親が放棄しているには理由があるのじゃないか?
相手は野生の猫。
人間が「良かれ」と思っても
親が放棄しているのだ。
人間と違ってそこには怠惰とか
面倒くさいという感情はないはず。
何かしら育てたくない
本能的な理由があるのかもしれない。


数時間の間に
色々な思いがぐるぐると頭の中を巡った。


小学生の頃(低学年だと思う)
学校の行き道で
スズメのヒナが上から落ちたらしく
下に落ちていた。


私は助けようと思い、学校につれていき
帰るころには弱っていたけれど
連れて帰って祈る思いで温めた。
元々インコや文鳥や十姉妹など飼っていたので
ひなに餌をあげる道具なども揃っていたので
父が帰ってきて一緒に温めたり餌をあげようとがんばった。
しかし残念ながら朝には冷たくなってしまった。


その日学校に行って
「あのスズメはどうなったん?」ときかれて
「死んでしまった」と言うと
みんなから「殺したー」とか「死なせたー」とか
「可愛そう」とか言う言葉をもらった。
とても悲しかった。
助けようと思っても助からなかった命。
自分が死にたくなった。


その後、大人になってから
野生の中では育たない子は間引くということを知った。

その一連の話はすっかり忘れていたけれど
今日、突然ふと、思い出した。


痛い。心が痛すぎる。


でも、魚も食べるし、牛もトリも、豚もいただく。
その生命は殺めているけれど
野菜を食べるのと変わらなくいただいている。
ハンバーグ!やったー!
焼き肉!やったー!
といただいている。


ところが、
私は野良だったミャオが

「助けて」と言わんばかりに
ガリガリで家の中に入ってきて育てるようになってから
ナメクジもゴキブリもムカデも蚊も何もかも
急にその生命が輝いてみえるようになって
手を出せなくなってしまったのですよ。


もちろん、植物たちについている虫もそう。
この小さな世界でも生態系があるんだと思うと
むやみに手を出せないというのかな。
大げさな話、
自分の庭で宇宙を観ることができるというのかな。
全ての営みがつながっていて
一つが狂うことで色々なことが狂ってくるんだなと
庭を触りながらいつも思うのです。


スズメを保護スズメしなくても
自然にいればその循環は自然と
プラマイゼロになるのではないか?


猫が大好きな人たちにとって
それをただ何もせず見守るというのは
非情極まりのないことだと思う。
そのままにしたらカラスやモズに食べられるかも
という話もあった。
だけど
カラスやモズは悪いのか?
誰が悪いのか?
保護しない私が悪い?
放棄するジジが悪い?
見守ってくださいという保護センターの人が悪い?


誰も悪いことない。
良いか悪いかとかではなく
自然か不自然か
なんじゃないかな。

一番大事なことを忘れそうになっていた。
やはり自然の摂理には
逆らってはいけないということを。


母親がそれを選んだのならば
その自由意志に任せるということ。

ものすごく色々考えています。
今も。
こんなこと言いながらも
寒いだろうなと
泣きそうです。


辛いです。


でもジジの判断を信じています。

この件でシェアしてくれたり
いろんな人にきいてくれたりした皆さん
ありがとうございます。

感謝します。

Love× Laugh→Peace 


大変大変感謝申し上げます