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日本のGDPの伸びはメディアが隠すほど危機的だった。 これが「失われた30年」なのか?

世界各国のGDPの推移をちょっと調べてみた。バブル崩壊後の1993年と、直近の2019年の数字を比べてみるとアメリカは3.00倍に、中国は21.46倍に、イタリアは1.97倍に。さて、日本は?


失われた30年。バブリーではなかったけどそこそこ豊かだった

「失われた30年」と聞いたことがあります。

昭和末期のバブル以降、何がそれほど失われたのかわからないけど、犯罪が増えたわけでもなく、そこそこ豊かに暮らしていたつもりでした。

「先進国は人口の伸びもなく、経済の成長も緩やかなのは致し方ない・・」と思っていたのです。中国や韓国などの中進国が伸びてくるのはわかります。イタリアやスペインなど欧州の先進国は、日本同様、経済的に低迷しているような気がしていました。

あるときGDPの伸びは他国と比べてみると「日本のGDPの伸びはゾッとするほど悪かった」のです。


2019年のGDP 上位15カ国

世界各国のGDPは次の通りです。ちなみに単位は10億US$です。2019年全世界のGDPは87,552です。( )内に、各国の世界シェアを記載しています。

【まずは上位の3カ国です】

(順位)国名 GDP(世界シェア)

第1位 アメリカ 21,433(24.48)

第2位 中国 14,732(16.83)

第3位 日本 5,080(5.80)


アメリカは1国で世界のGDPのほぼ1/4を占めています。

中国のGDPは、アメリカの68.7%の規模まで大きくなりました。2/3を超えたところです。やがてアメリカを超えるのでしょうか? ちなみに人口はアメリカが3億2907万人、中国が14億3378万人ですから、中国はアメリカの4.36倍の人がいます。人口一人当たりでは、まだまだ先進国レベルではありません。

日本のGDPは、アメリカの23.7%、約1/4です。ちなみに日本の人口1億2686万人は、アメリカの38.5%です。人口の割には、GDPは少ないとうことがわかります。

上位3カ国のGDPが世界に占めるシェアは、アメリカ24.48%、中国16.83%、日本5.80%です。3カ国で47.11%です。この3カ国で世界経済の約半分を占めています。日本も経済大国の一角と言えるのか、世界は2強というべきなのか微妙なところです。



【つづいて4位から6位です】

第4位 ドイツ 3,862(4.41)

第5位 インド 2,869(3.28)

 第6位 イギリス 2,837(3.24)

やはり欧州ではドイツの経済規模が大きいです。日本の76%ほどです。ちなみに人口は8352万人で日本の66%ほど。人口の割には経済規模が大きいことがわかります。

そして、インドが第5位になっています! 人口で中国に続く大国のインドの経済成長はここまできました。イギリス、フランス、イタリアなどを超えています。人口は13億6642万人で中国に匹敵します。その割にはGDPはまだ中国の2割弱です。

そして、第6位はイギリス。ヨーロッパではドイツに続いて2位の地位を維持しています。ちなみに2017年ではインドより上の5位でした。


【7位から10位まで】

第7位 フランス 2,716(3.10) 

第8位 イタリア 2,001(2.29)

第9位 ブラジル 1,839(2.10)

第10位 カナダ 1,736(1.98)

これが上位の10カ国です。8位以下はダンゴレースです。カナダのGDPって案外大きいのですね。ちなみに人口は3711万人で39位です。イタリアは6055万人で23位です。

欧州のドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン(13位)を合わせると、12810となり、中国の14732に肉薄します。オランダやスイス、北欧などを合わせると、中国を超えます。そうすると、米国、中国、欧州が経済の3極になりそうです。



【11〜15位はこちら】

どんどんいきましょう。

第11位 ロシア 1,702(1.94)

第12位 韓国 1,647(1.88)

第13位 スペイン 1,394(1.59)

第14位 オーストラリア 1,387(1.58)

第15位 メキシコ 1,258(1.43)

上位15カ国のGDPの合計はあ66,493。全世界194の国と地域のGDPの76%になります。ちなみに、そのあとはインドネシア、オランダ、サウジアラビア、トルコ、スイスと続きます。


こうして見ると、日本のGDPはまだまだ大きいような気がします。

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数字はこちらのサイト(GLOBAL NOTE)から引用しています。名目GDP(IMF統計) 


1993年 世界各国のGDP上位15カ国

では、バブル崩壊度の1993年のGDPです。単位は同じく10億US$です。当時の世界のGDPは25,896でした。2019年は、そこから3.38倍になっています。


【1993年の上位3カ国は】

(順位)国名 GDP(世界シェア)

第1位 アメリカ 6,859(26.49)

第2位 日本 4,454(17.20)

第3位 ドイツ 2,072(8.00)

今も昔もアメリカが1位です。世界シェアは26.49%、2019年は24.48%と、少し落としています。

バブル崩壊直後の日本の経済規模はアメリカの64.9%もありました。アメリカのほぼ2/3です。そして世界経済の17.2%を占めていました。それが2019年には5.8%まで落としています。国際的地位の低下と言われるわけです。そしてドイツの2倍以上の規模でした。しかし、2019年ではドイツの1.3倍ほどです。

ドイツは、1993年の世界シェアは8%でしたが、2019年には4.41%に落ちています。中国などの中進国のGDPが延びたため、先進国のシェアが相対的に落ちてます。そう思うと、アメリカの数値は立派な感じがします。


【1993年の4位以降は】

第4位 フランス 1,324(5.11)

第5位 イギリス 1,154(4.46)

第6位 イタリア 1,053(4.07)

第7位 中国 617(2.38)

第8位 カナダ 579(2.24)

第9位 スペイン 529(2.04)

第10位 メキシコ 501(1.93)

第11位 ブラジル 429(1.66)

第12位 韓国 393(1.52)

第13位 オランダ 356(1.37)

第14位 オーストラリア 309(1.19)

第15位 インド 284(1.10)


1993年と26年後の2019年で、上位15カ国のメンバーはほとんど変化していません。ロシアが1993年の22位から11位に伸びているのと、オランダが13位から17位に落ちたのが例外です。

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先ほど紹介したサイトでは、1990年から2019年までの各国・地域のGDPや人口などのデータを見ることができます。気になる方は調べて見るといろいろな発見があると思いますよ。


26年間の経済成長は

つぎに1993年から2019年までの26年間にどれほどGDPが大きくなったのかをみていきます。まずは2019年GDPの大きな順番で並べてみましょう。全世界では、25,896(10億US$)から87,552へ3.38倍に伸びました。


【2019年GDP上位3カ国の26年間の伸長率】

(順位)国名 GDP(伸長率:倍)

第1位 アメリカ 21,433(3.12)

第2位 中国 14,732(23.88)

第3位 日本 5,080(1.14)

中国が約24倍に伸びています。中進国や後進国は大きくの伸びる可能性はあるのかもしれません。別の記事に書きますが、それでも一人当たりのGDPはまだ、先進諸国より低くなっています。アメリカは26年間でGDPが3.12倍となり世界平均の3.38倍と同じくらい伸びました。

一方、日本は1.14倍にとどまっています。先進国の伸びは緩やかなものだとメディアから聞かされています。欧州などの他の国々はどうなのか、気になるところです。


【2019年GDP上位15カ国の26年間の伸長率】

第4位 ドイツ 3,862(1.86)

第5位 インド 2,869(10.10)

 第6位 イギリス 2,837(2.46)

第7位 フランス 2,716(2.05) 

第8位 イタリア 2,001(1.90)

第9位 ブラジル 1,839(4.29)

第10位 カナダ 1,736(3.00)

第11位 ロシア 1,702(8.68)

第12位 韓国 1,647(4.19)

第13位 スペイン 1,394(2.64)

第14位 オーストラリア 1,387(4.49)

第15位 メキシコ 1,258(2.51)

イギリス、フランス、スペインは2倍を超える成長です。ドイツ、イタリアも2倍に近い伸びでした。日本だけが取り残されているようです。少しわかりにくいので、次の項目では、26年間の経済の伸び率の順番を記載しています。


このころBRICSという中進国に投資が行われました。BRICSとはあブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国です。投資に伴い経済規模も大きくなりました。GDPの伸びは、ブラジルは4.29倍、ロシアは8.68倍、インドは10.10倍、中国は23.88倍です。南アフリカは、1993年の133(10億ドル)(26位)から2019年には351(38位)と2.64倍の伸びです。


【上位15カ国を26年間の伸び率順に並べて見ると】

(順位)国名 GDP(伸長率:倍)

第1位 中国 14,732(23.88)

第2位 インド 2,869(10.10)

第3位 ロシア 1,702(8.68)

第4位 オーストラリア 1,387(4.49)

第5位 ブラジル 1,839(4.29)

第6位 韓国 1,647(4.19)

第7位 アメリカ 21,433(3.12) 

第8位 カナダ 1,736(3.00)

第9位 スペイン 1,394(2.64)

第10位 メキシコ 1,258(2.51)

第11位 イギリス 2,837(2.46)

第12位 フランス 2,716(2.05)

第13位 イタリア 2,001(1.90)

第14位 ドイツ 3,862(1.86)

第15位 日本 5,080(1.14)


日本だけ、圧倒的に伸びていません。

イタリアやスペインでさえ2倍近いのです。ここまで、ひどい状況なのに、メディアは報道しません。私も呑気に「先進国は伸びないものだ」と洗脳されていたのかもしれません。ちゃんとやっていれば、もっと所得は多かったのかもしれません。

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多くの人は真面目に働いているのに、なぜ?

26年前は真面目に働いていたけど、今は、不真面目になったのでしょうか? そんなことはありません。

あの頃は「24時間働けますか?」などというテレビCMがあったように、がむしゃらなに働いていたのかもしれません。しかし、当時は専業主婦も多く、定年後に働いている人は少数でした。

今では、共稼ぎが増え、定年後も働いている人がいます。その分のGDPが上がっていても良さそうなのですが・・・


従業員が一生懸命働いているのなら、経営者側が「ちゃんと儲かるように働かせていない」というのが原因かもしれません。 戦略が間違っているのでしょうか? 組織上の問題があるのでしょうか?


グローバル経済と言われて久しいですが、国際的な競争力は落ちたということでしょうか。顧客は世界中にいるのに、内向きになっているのでしょうか?


日本の経済だけが、伸びていない! それについては、それぞれが、思うところがあると思います。あなたはどう思いますか?


日本の経営手法は昭和のまま、さほど変わっていません。経営システムが劣化しているというのが、わたしの考えです。今までのやり方を続けていても、さほど効果がないことがわかったのだから、変えていくべきだと思いませんか?

新しい経営システムである「経営3.0」について、このnoteに少しずつ書いていきますね。


もし、この記事を読んで「日本経済の将来に多少なりとも危機感を覚えて、働き方や経営の仕方を変えていくべきだ」思われた方は、ぜひこの記事を引用してください知り合いにも話してみてください。自分で調べてみてください。具体的な行動を期待しています。

一緒に、考えていきませんか?


原因を知れば、対策もできるはずです。対策しにくい問題だからここまできてしまったのかも知れません・・・


まだまだ、書きたいのですが、今日はこの辺で・・・

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