第56回全国大学選手権準決勝を見て

今日は、第56回全国大学選手権の準決勝を見た感想を書こうと思います。
まずは、第一試合の
「早稲田大学×天理大学」
についてです。

僕が最も印象に残っているのは・・・早稲田大学の1本目のトライです。
あのカットアウトが、あの伸びが、非常に印象的でした。
僕が若い頃の先輩が言ってました。
「バックスのATは、タイミングとコースが合えば必ず抜ける!」
と。それがそのまま表現されたシーンだったと思います。
DFとすれ違いざまに抜き去ったシーンが印象的でした。

正直な話、想像以上にスコアが開いた試合になってしまいました。
その肝となったのは、前半の中盤、早稲田大学ゴール前での攻防だったかと思います。
天理大学が攻め込んで、LOをスチールされたシーンですね。
あのシーンが、試合の結果に大きく影響を与えたように思います。
あくまでも、結果論ですが・・・。
天理大学側に原因があってスコアできなかったのではなく、早稲田大学が自らの力で攻撃権を奪ったので、試合結果に影響を与えたのではないかと思っています。
以下は僕の持論ですが、LOからのドライビングモールに対する最高のDFは、モールを組ませないことだと思っています。
モールを組まれた後にどうするとかではなく、モールを組む権利を奪ってしまう。
それが最高のDFだと、僕は思っています。

天理大学側から見ると、細かくて細かいところに差が出てしまったのではないかと思います。
例えば、1本のパスが胸元に収まらないとか。
例えば、キックされたボールは最後まで目を離さないとか。
本当に些細なことですが、そういった小さくて小さい差が積み重なったことがスコアに現れたのだと思います。
「神は細部に宿る」
勝利の神様を呼び込むには、細部までこだわる必要があるのかもしれません。

次に、第二試合の
「明治大学×東海大学」
についてです。

両チームとも、フィジカルに自信のあるチームカラーだと思っていました。そして、実際に両チームともフィジカルは強烈だったと思います。
しかしながら、そのフィジカルをスコアに反映できたのは明治大学の方だったと思います。
その理由は・・・
「いかにして、コンタクトするときに自分の方が優位な体勢を作るか。」
にあったと思います。
明治大学は、そこに工夫が見られたと思います。
例えば、コンタクトをする直前に小さくて細かいステップを踏むとか、
例えば、ラインATの選手間の距離を広くして、DFの選手の一人当たりの守備範囲を広げるとか、
例えば、複層的に選手を配置して、DFの1人の選手に対して複数人数でATを仕掛けるとか、
細部に工夫があったと思います。
もちろん、東海大学にもこのような工夫が感じられたときはラインブレイクをしていました。
ということは、そのような局面を多く作ることができたのが明治大学の側だったということになるのかもしれません。
そのほかには・・・明治大学が東海大学にATをさせないように試合を進めたのが印象的でした。
しっかり前に出て、スペースと時間を奪い取って、自由にプレーをさせなかったことが、東海大学にATをさせなかった要因になったと思います。
その結果として、東海大学のATはほぼほぼミスで終わっていたように感じました。
データ集計をした訳ではありませんが、ATの終わりが意図しないミスだったのが多いように感じました。

という訳で、決勝戦の対戦カードが決まりました。
「明治大学×早稲田大学」
早明戦で、優勝が決まります。
これは・・・試合当日は大混雑の予感ですね。
新国立競技場に、何人のお客さんが入るのだろうか。。

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