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夜、灯す(プレイメモ)

日本一ソフトウェアより発売されたホラーADVノベルゲーム『夜、灯す』プレイしました。

高校二年生の夏休み初日、神楽原女学園・箏曲部に通う十六夜 鈴と友人達四人は、あるひとつの怪談を耳にする。
それは昔「疑似姉妹」という秘密の契約を結んで心中をした二人が神楽原女学園には今も尚、霊となって彷徨っているというもの。

鈴は怪談を聞き、なぜかその少女達を鮮明に思い描くことが出来───初めて聞く怪談なのに何故、と不可解に思っていた矢先、かつて心中して亡くなった片方の少女に瓜二つで箏曲の家元の娘・皇 有華が転校してくる。
そして、時を同じくして、彼女たちの周りでは不可解な事件が起こりはじめる。
仲睦まじかった箏曲部は次第に様子を変え、部長の麻里乃は転落事故に巻き込まれ•••
穏やかだった鈴たちの生活は、有華の登場を機に少しずつ変化していく。
次々に変異に巻き込まれ、命の危険にさらされていく友達。
救おうとすれば自身すら•••

そのうち、有華の大叔母にあたる小夜子が事件の元凶だと分かってくるが、彼女の目的は一体何なのか?

小夜子のかつての部活仲間だったという人物から話を聞くうち、小夜子は壮絶な死を遂げたのだと知る。
それは学園に伝わる噂の通り心中であり、だが相手の女生徒•灯音は一命を取り留め存命で•••なんと、その灯音とは鈴のおばあちゃんだったのだ。

おばあちゃんをあの世に連れ去るのが小夜子の目的なら阻止せねばと、鈴は小夜子の成仏を願い、仲間と共に渾身の合奏を奏でる。

しかし、小夜子は未練に狂うもう一人の小夜子により浸食されていた。
彼女に懸命に語りかけても想いは届かない。
暴走寸前の小夜子の前に、鈴のおばあちゃん───灯音が現れ•••

二人は手を取り合い、逝くのだった。

その後、おばあちゃんを失った鈴は有華の実家の懇意に皇家の世話になることに。

様々な思いを馳せる鈴は有華に手を引かれ、住処だった寺を後にするのだった───
これがノーマルエンド。

トゥルーエンドでは、小夜子への懸命な説得が通じ、彼女は成仏する。
おばあちゃんも存命で、全てを悟っていた彼女はいつもと変わらず元気な鈴達の登校を見送る。

戻った日常。
掛け替えのない友達。

煌めく彼女たちを見送る灯音の横には小夜子の姿も。

果たせなかった願い。
それでも届き、通じ合い、昇華された想い。

夏は終わりを告げ、新しい季節が始まろうとしていた•••

完!!

という感じでクリア&トロコン。
素敵なシナリオでした。
絵も箏のBGMも声優さん達の熱演も素晴らしかったです。
特にキャラ毎のエピソードで、真弥が鈴への執着を吐露するシーンは良かった。

青春の、葛藤や焦り、憧憬。キラキラしてて眩しかった。

ちなみに、ラストの学校のシーンで、現実と過去の学校の情景が重なり小夜子が現れ怪奇現象さながらな描写があるんだけど、

この後コープスパーティーや青鬼みたいな急展開になればなぁ、って思ったけどそうはならなかった(当たり前)

そして、ボリューム無くてフルプライスで買うのはちょっと•••的なレビューを見掛けたけど、まぁ確かにボリュームは無いんだけど(シナリオが分岐していかない)ノベルゲーでそれを言うのは酷かなぁ、なんて。
他に、ホラー味も百合味も薄い、なんてレビューもあったが、私的には品良くまとまっていて、美しく、後味良く終わるラストに涙でした。
だから、これはこれで良いゲームだと思いました。