見出し画像

小さい奇跡

5分以内に読み終わります。

小さい奇跡が起きると目がまん丸になるんだと分かった先週のお話です。

人の目がまん丸になるところを初めてみたのは関西人の叔母さん(僕の父のお姉さん)だった。

叔母さん夫婦がニュージーランドに留学をしていた兄を訪れていた時だった。旅の前に「Makoちゃんも一緒に行けたらええのにー」と言っていたが僕の予定も合わずに参加を断念したが、旅の途中から僕が参加できることになり、
ニュージーランドを兄と色々と渡る叔母さん夫婦には内緒で、僕だけ最終地点のウェリントンに先に到着し、ホテルで鉢合わせるという完全な家族絡みの世界で我々しか知ることのない世界規模のドッキリを仕掛け、

19歳にて人生初一人海外渡航がこんなドッキリになるとは思わずに、なんとかニュージーランド内で飛行機を乗り換え、一人でホテルにチェックインし(奇跡でした)1時間くらいするとロビーになんと叔母さん夫婦と兄がチェックインしていた。叔父さんと兄がチェックインをしているので、叔母さんはロビーのソファーに座っていた。

隣から少しずつ寄って行って、

ソファーの横に立つと、

「ん?誰や?」

という感じで僕を見上げ、目が合い、


5秒すると、

だんだん目が丸くなり、


「嘘やろ?」

「なんでおるん?」

日本にいてわざわざ「ニュージーランドには行かない」と言っていた人がニュージーランドに居るもんだから全てが繋がるための解読に目があってから8秒くらいかかった。

それから5年ほど経った東京のど真ん中で奇跡は起きる。
それも今度は父親の弟さん。

営業をかけるのが大変大きな商社の子会社のそれもまた大きな会社なので、
日本橋まで電車で営業に行き、営業も上手くいき、このまま帰る時間もなくミーティングが入っていたので、一日のみ使えるコワーキングスペースのようなところを使いたいと思ったら東京にはめちゃめちゃ多くある。

めちゃめちゃ多い。

その中から適当に予約したらなんと八重洲で働いている叔父さん(父の弟さん)の企業の建物の3階にあり、

同じ建物で働いているー!

となった。

ご多忙だと分かりながらも急いでラインを入れ、お昼のお誘いをしたが、
もちろん返信はなく昼を迎え、
去年一度スペイン人の上司が来たときに叔父さんに勧めてもらった定食屋で一人で食べるかと、行ったら、すごい静かにすごい繁盛していた。

もうまでは普通になった静かに繁盛しているお店を見て僕も元気を貰った。

定食を食べると同時に、狭いお店の中でおじさんが居ないかと確認しながら食べる。

が全然来ない。まぁそうか。ラインを見ても既読はついていない。流石に大きな企業に勤めていたらお昼の時間も大変なのかなと最後のお味噌汁を吸っているとカウンター先の横に新しい人案内されてきたので見ると

なんと叔父さんなのだ。

一瞬目が合い

僕が思わず

「うおぉ!」(言葉にならない感情)

と言うと、

おじさんは一瞬解読に時間がかかったが流石頭が冴える、一瞬で状況を理解し、おじさんも

「うおぉ!」(言葉にならない感情)

僕もおじさんも目がまん丸になっていた。

叔父さん「来てたん!?」(感情になる言葉)

僕「うおぉ!」(言葉にならない感情)

静かな定食屋で二人だけ静かーにその奇跡の凄さに浸っていた。

叔父さんもその定食屋に来たのは数ヶ月ぶりでたまたま来たら、
たまたま東京に来た僕と日が重なりしかも時間も席まで隣になるという奇跡。ラインも見ていないという奇跡。

本当にびっくりした。ニュージーランドはあっても良いドッキリだったが、今回のはあることが想像できない物だったので、より奇跡感が大きかった。

なんか当たり前ですが奇跡って起きるんだと分かった。

そしてまだその「うおぉ!」(言葉にならない感情)の快感に浸っている。

ちなみに父を見ていて家に帰ってきて

「おぉー」と迎えてくれた時も目がまん丸なので、もしかしたらそういう系統なのかもしれないが、もっとまん丸にするためにドッキリでも仕掛けたろか。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?