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トークイベントに向けて 【連載4:全員が全員で作用しあう】

トークイベントに向けての連載
「よい環境」と現状との比較から生まれる葛藤
社会につながるための「きみトリのメガネ」
外の人のかかわりによる「眺め直し」
に続き、4回目をお送りします。最終回です。

本記事では、イベントで一緒に対談してくださるラーンネット・グローバルスクール(以下ラーンネット)のナビゲータ* 青木芳恵(あおら)さんときみトリの舟之川(聖子)が事前打ち合わせでお話したことを、会話形式でご紹介していきます。
読みながら、当日のイベントを楽しみにしていただければ幸いです。

*ラーンネットでは、子どもの学習を側面支援するという意味で、先生でなくナビゲータと呼んでいます。

連載4: 全員が全員で作用し合う

今回のイベントは動画配信ですが、その中でもライブで、なるべく双方向性を持って、進められたらと思っています。
それはやはりラーンネットで起こった、「全員が全員で作用し合う」感覚を知っているから、再現したい。しかもそれをお互いが自然に場に含まれることでシェアできたら。そんな話をしました。


あおらさん:
やっぱり1学期が「いやだとOK」というバウンダリー(境界線)のテーマからスタートしたっていうのは、子どもたちにとってもわたしにとってもすごく大きくて。そこでまず「メタで見る」(自分自身や他者が何かを認知している状態を、客観的に見つめること)練習をしたと思うんですよね。
それがすごくよかったので、今回のイベントに参加される方にとっても、一回自分を取り出して見る体験になったらいいなというのが、わたしの欲望としてあります。

聖子:
うん、そうですね。それだけでけっこう変わる。

あおらさん:
トリミングとはちょっと違う。何か取り出してきて一回眺めて、その「わかった自分」を使って人とつながるし、社会とつながるんだなって感じはすごくしてます。

聖子:
今回やることは、双六の駒で進んでる自分を、一回その双六の盤からふわっと浮かせて、もう一回同じところに置くみたいな、そんぐらいの感じです。双六の盤自体を変えるとかじゃなくて。同じ双六で同じとこまで進んでて、またサイコロ投げるんやけど、その前に一回離す。離して置き直すみたいな。

あおらさん:
現在地がわかるってすごいおっきなことだと思うんですよね。それだけでだいぶ違うというか。
みんな新たな道具をたくさん背負いたがるんですよね。教育的な話をすると、「こんな道具便利だよ、あんな道具これから要るよ、未来に生きる力はこんな道具を持っているといいよ」って、どんどん背中を重くしていくんだけど。そうじゃなくて、ちゃんと内側にあるところの自分とつながっているということがまず大事で。

聖子:
そうそう、そこそこ。当日はそこにいけるといいなぁ。そういうふうに思えているときにはもう、ラーンネットとかラーンネットじゃないとか、公立とか私立とか、国内とか海外とか、二項対立の話じゃなくなってるという。ほんとうにそういうふうになったら、「人は当たり前に違う」とつながっていて、わたしも全然違う、わたしだけのわたしであるっていうところから、不安なく、楽しみを持って生きていけるかな。そうだといいな。
ちょっと今、不安な要素が社会にあって。疫病に戦争に地震もあったんで、それらが重なって来ているこういうときは、人間の中で時間の流れ方も変わっちゃう。地面から揺れたりすると不安になるけど、もう一回手を握って、ここにいることを確認して、きょうも生きるかって感じに参加してくれるみなさんとなってるといいな。
そういうことを大人はいろいろ経験してきたし、知ってきたし、たくさん傷ついてきてもいて、それでちょっと希望が持ちづらくなるときがある。でも、10歳前後の人たちと接してると、すごく自然に世界に対してひらかれているんですよね。可能性と希望を感じる。知らないからとか、未熟だから、無邪気とか、何も考えてないとかじゃなくてね。学び合える、いい時期なんだなぁと思いました。
そういう時期の人に関われるということが、お互いにとってすごくいいからこそ、みんな自分が持っている大事なものを持って会いに行ってみたらいいんちゃうっていうことも言いたいんですよ。教育に携わっている人や、よく学校に講座に行ってますっていう人じゃなくても。それが具体的にどうすることなのかっていうのは、一人ひとり違うと思うんですけど。
うちらも、もちろん仕事としてやっているのもあるんだけど、今回はそうじゃなくて、新しいものを持って会いに行こうとしたっていうところを大事にしてて。必ずしも「これができるから」「これが教えられるから」行ったっていうわけでもない。そういうかかわり方は誰でもできるんちゃうかな。そんでそこから得られるものは無限大というか。

あおらさん:
たぶんこの一年間で聖子さんたちも自分を見つめ直してきて。子どもたちから返ってきたもので得るものがあったり、それをまた返したり。全員が全員が作用し合っていることが、こんなにも図示されるんやなっていうのをすごく意識しましたねぇ。

聖子:
「全員が全員で作用しあっている」。ほんとそうかも。

あおらさん:
今回の場のテーマに近いような気がします。その人その人が作用することが、何かにつながっていくみたいな。教育として大事なんじゃないかなと思いますね。そこに自分がいるって思えることは。

聖子:
ほんとそう。あれ、通年で、3人で1学期ずつやるみたいなプランって、あおらさんがくれはったんちゃうっけ?

あおらさん:
わたし強欲やから。あの本が3章仕立てというところから、「全員きて!全員!」みたいな(笑)。

聖子:
うちらのほうはそこまで考えてなかったんですよね。

あおらさん:
そうですよね、みなさん、ぽかーんてされてて。でもわたしグイグイいく、みたいな(笑)。

聖子:
めっちゃ作用してますやん(笑)それを受けて、「これはめっちゃ熱量高く、期待してくれてはるんや〜」と思って、わたし、ライチさんと二人で、本屋さんのカフェで、そこにあったナプキンの裏にペンで年間計画書いたんですよ。あの時間めっちゃ楽しかった。
作用し合ってる。いいですね。ありがとうございます。

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あおらさん、あらためてありがとうございました。本番が楽しみですね!
これをお読みの皆さま、続きは今夜のイベントで。後ほどお会いしましょう!

アーカイブも予定しています。ライブでご参加いただけない方も、お申し込みだけはしておいていただけたら!

この時代を生きる人間同士の学び合いとは 〜ラーンネット・グローバルスクール5,6年生との年間授業から見えてきたもの

2022年4月2日(土)21:00-22:30
Youtubeライブ配信(事前申込み制、1ヶ月アーカイブ限定公開予定)

ラーンネット・グローバルスクールの青木芳恵さんをお迎えし、5, 6年生との授業の中で得た学びについて、きみトリ著者3人と対談します。

○出演:
 青木芳恵さん(ラーンネット・グローバルスクール ナビゲータ)
 稲葉麻由美(『きみトリ』著者, セラピスト)
 高橋ライチ(『きみトリ』著者, カウンセラー)
 舟之川聖子(『きみトリ』著者, ファシリテーター)

○参加費:1,000円
○定員:なし

○当日の流れ(予定)
・書籍『きみトリ』ときみトリプロジェクトの紹介
・ラーンネット・グローバルスクールの紹介
・きみトリ授業のシラバス
・各学期の授業概要と学びのシェア
・学びのシェアに対する感想を手がかりに、4人で対話

○当日のキーワード
 当たり前に人は違う
 可能性に対してひらかれている
 全員が全員で作用し合っている
 自分の内側から人とつながる、社会とつながる
 きみトリは自分と人と社会を見るためのメガネ
 大人と子どもが共に学び合うこと
 管理でもなく、放任でもなく(ナビゲーション)
 大人として、子どもと共に社会をどうつくるか
 大人にしかできないこと、大人だからできること
 外の人間が場に入ることの良さ
 混迷を深める今をどう生きるか
 心をどう保ち、選択をするか
 常に「今ここで起きている」
 成長期の人にかかわれる、恵み
 社会にあるものを自由に使っていい

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