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苦い経験に価値を与える人【東京の思い出】

約4年ぶりに東京を訪れた。以前は東京に住んでいたので、半年後の移住を前に最後に友人たちに会いたいと思ったのだ。

関西に引っ越してからもずっと東京に行きたかったが、コロナ禍でなかなか行けず、結局4年も空いてしまった。

4年の間に仲良しの友人夫婦が千葉に家を建てたので、遊びに行ってきた。

吉田夫婦とは2017年に一緒にキューバを旅行した。

私は元々夫のほうと飲み友達で、奥さんのMさんに会ったのはそのときが初めてだった。そのサバサバした人柄や心の強さが本当に素敵で、旅行が始まってスグに大好きになった。

キューバ旅行の序盤、私は自分の不注意でiPadを失くした。私は焦ったりがっかりしたり、せっかくの旅行なのにめそめそしていたけど、Mさんが

マナちゃん、これはチャンスだよ!海外旅行でツライ目に遭うって、自分が進化するチャンスだから!こんなことなかなか経験できないよ!やったじゃん!!iPadなくしたことで、マナちゃんは次の世界に進めるよ!次のレベルに行けちゃうじゃん!これでよかったんだよ!!!やったよ!うらやましい!!!

こんな調子でずっと励ましてくれた。

iPadが交番に届いてないか、届いてなかったら海外旅行保険が下りるかもしれないから届け出を出そう、ということで翌日交番に行くことになった。Mさんは「スマホの地図アプリより紙の地図のほうが安全(なくしても大丈夫)」と言って、紙に交番までの地図を手書きして私に持たせてくれた。

マナちゃん、やったよ!!ハプニングはお金じゃ買えないからね!

とその日もずっと励ましてくれた。Mさんがこうやってそばにいてくれたから、私はコトを前向きに捉えられるようになったし、その後も元気に旅行を楽しむことができた。

Mさんは常にそんな感じだった。私たちはみんなキューバの公用語であるスペイン語が不自由で、タクシーとの交渉や町での人とのやりとりに手こずったけど、吉田夫婦は周りの人となんとか単語や数字や身振り手振りでコミュニケーションをとるのがすごく上手だった。

私は英語がペラペラだけど、逆にこういう言葉ナシのコミュニケーションがうまくできない。通じるかどうか不安だとなかなか積極的に人に話しかけられないからだ。吉田夫婦はどんどん人に話しかけ、どんどん仲良くなって周りを笑顔にしていて、素晴らしい姿勢だなと感銘を受けた。

実は友達と海外旅行に行ったのはそのときが初めてだった。あんなに楽しく、学びになった旅行はない。ふたりはそれまで以上にかけがえのない友達になった。

ふたりは千葉に家を建てて、今年からヴィンテージショップを始めたそうだ。アメ車がたたずむガレージハウスに、アメリカで買い付けてきたヴィンテージ物が天井までズラリと並んだおうちは圧巻。ショールーム兼ショップというわけだ。

「今年もロサンゼルスに買い付けに行ったんだけど、高かった食器類が結構割れちゃって、かなりヘコんだ。でもね、やってよかったよ。勉強になった。やらないとわかんないからね。前に進んだよ!

とMさんが言ったとき、私はキューバの旅行を鮮明に思い出して再び心が温まった。

どんなことも前向きに捉えて、次へ進む糧にする。人は、そうしたほうがいいと頭でわかっていても、そうできないこともあると思う。Mさんはいつも、「こうやって進むんだよ」と言葉と行動で教えてくれる。

どんな経験も捉え方次第でプラスにもマイナスにもなる。悪い経験こそ、プラスに変えていきたいものだ。吉田夫婦、いつも本当にありがとう。

ふたりのヴィンテージショップ CANDY STORE ROCKはこちら。


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