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188.完全な姿は青写真として胸に秘め、不安を飼いならすと克己心が生じる

著・三松會 占心行動学塾長  脇田尚揮   ■LINE公式アカウント■
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不安のない人は恐らくこの世の中に一人としていないでしょう。どんなにお金持ちでも権力者でも心配事は必ずあるもの。むしろ多くのものを持っているからこそ、それを失うことへの恐れから強い不安にさいなまれてしまう場合も少なくないと言えます。

不安に捉われるとどうしてもネガティブな心理状況になり、周囲に対しても疑い深くなってしまいがちです。そんな状態はまさに“疑心暗鬼”と表現できるでしょう。この故事成語は中国の春秋戦国時代に書かれた『列子』という道教の書物にある話が由来です。

その内容は次の通り。ある人が斧をなくしてしまいました。隣の息子が盗んだのではないかと疑います。あの歩き方、あの顔色、あのしゃべり方、あの態度…… どれもこれもきっと斧を盗んだ人間のもの。ところがふと気がついて窪地を掘ってみるとそこから斧が出てきました。その後その隣の息子をまた見てみると、動作も態度も斧を盗んだ人間の様子には見えなかった、と。

このように不安な心理状態であると、世間や人を曇った色眼鏡で見てしまいがちになってしまいます。ただ実際的に不安を無くすことはできませんが、それを飼いならすことはできます。それは完全な姿を“青写真”として胸に秘めることです。

つまり理想は理想として、今の状態に満足をする「足ることを知る」ことができれば、今の状態を物足りないと感じて必要以上のものを求めることも、今の状態が失われることへの恐れも無くなるでしょう。

「足ることを知る」とは、物質的な満足感だけを指すものではありません。 実際に財産や地位を持っていなかったとしても、自分が置かれている現状に満足し周りへの感謝を忘れないという“心の豊かさ(真の富)”も意味します。

この発想こそが不安を克服する“克己心”の要。不安に振り回されずに済む「知足者富(足るを知る者は富む)」(老子の思想)の在り方なのです。

Q.あなたにはどんな不安がありますか? 足ることを知るならそれはどう解消されますか。


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