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「本を語る」100日100冊チャレンジ 第98日「うまいこと老いる生き方」



❶[1BOOK]
「不安と折り合いをつけて うまいこと老いる生き方」
中村恒子・奥田弘美 すばる舎  2021年8月24日

❷[3POINT +1]
◎「はじめに」(中村恒子より)
さて、私はこのように、その時々のやるべきことをやっつけていたら、いつの間にか卒寿を迎えていましたが、多くの中高年、シニアにとって長い老後についての不安は尽きないことでしょう。
そこで、世代の違う精神科医のコンビで「老後の心身の不安と折り合いをつけて、うまいこと老いる」をテーマに、もうひとしゃべり、することといたしました。

①老いを受け入れるほど人は幸せになれる
☆仕事も、子育ても、60代からは全く新しい景色が見える
若い頃のように数字やノルマに追われない分、気楽に働けるはずです。
それは寂しいことじゃなくて、責任やプレッシャーから次々に解放されていくってことなんですよね! 年齢を重ねることで仕事に対するストレスも軽くなっていくなら、老いることはやっぱり悪くないですね。(奥田)

②「これまで」や「これから」で頭を満たさない
☆体が、お世話しないと動かないように心もお手入れしてあげないと働かない。
日々ふっとやってくるような自己嫌悪感や自罰感情程度は、一晩ぐっすり眠ったらどこかへ消えてしまうか、薄れてしまうことも多い。だから深刻に捉えすぎないこと。それが、さっきも言った、自分の一番の味方でいるってことや。(中村)

③「死」との向き合い方はちゃんとある
☆趣味があれば老後が楽しいと思ったら間違い。体が動かなくなったときも想定しておく。
予想外に長生きしてしまった私からの提案としては、まずは、体が動くうちにできる楽しみや趣味は、たっぷりしておくことやね。
家でできる趣味も見つけておいたら良かったなと、それだけは小さな後悔かなぁ。(中村)

❸[1ACTION]
[実行すること=自分との約束]
「体が動くうちにやりたいこと」をやっておく。

[思いついたこと]
「人生の先輩たち」の話を、たくさん取り上げてきました。そしてとうとう、90代の方に到達した〜って感じですね。団塊の世代が70代であることを考えると、80代、90代というのは戦前に生まれた方々です。育ち盛りの頃の食生活も、まったく違っていたのではないかと思います。粗食であったことに加え、無駄な添加物もなかったわけで、身体のでき方自体が、根本的に違うのかもしれません。

私などは、子どもの頃から甘いもの、しかも今では製造禁止になっているような甘味料を使ったお菓子で育っています。母親も、頑張って手作りのものを食べさせてくれましたが、それでも、ダメージは残っているような気がします。だからもうダメというわけではありませんが、手抜きの食生活で、不要な脂肪を溜め込み、弱っちい筋肉や骨で、意外と長生きできないのではないか、と感じています。

[そして]
こういう本を読むたびに、日常生活を丁寧に、大切にしなければと思うのです。長生きしたいわけではありませんが、あと10年は、元気で活動したい!ので、できるだけ、夕食は自分で作るようにしています。この時期、二日に一度は「鍋料理」になってしまいますが、それでも、野菜たっぷりにして、なんとかバランスを取るように、努力しています。

「家でできる趣味」はたくさんあるのですが、体が動くうちにやっておきたいことと言えば、「日本中の鉄道に乗る」ことです。北海道などは、どんどん路線が廃止されていきます。その意味でも、「全線走破」は急がなくてはなりません。海外旅行も、魅力的ですが、飛行機は好きでも、10時間以上のフライトと聞くと、やっぱり二の足を踏みます。もう少し早く、気づけばよかったと小さな後悔かなぁ。せめて鉄道地図を広げて、計画でも立ててみましょうかね。

❹[1episode]
☆おわりに
92歳になった中村恒子先生と、54歳の奥田弘美という年の離れた二人の精神科医が「人生の下り坂」で起きる色々な「不安」をテーマに、本音で、赤裸々に語り合いましたが、いかがだったでしょうか?
1945年、日本が終戦を迎える2か月前、16歳でたった一人、尾道から大阪に医師になるためにやってきた少女は激動の時代を生き抜き、二人の息子さんを立派に育て上げ、90歳まで現役精神科医としての仕事を全うされました。
6人のお孫さんに慕われつつ、人生の最終ステージは施設で過ごすことを自分自身で決定されました。まさに中村流の「最後の思いやり」「人生のケジメ」だと思います。
実に見事で潔く、人生の最終ゴールに向かって独立独歩を貫いていらっしゃる恒子先生とともに、本書を執筆できた幸せを、私は今、しみじみと噛み締めています。
このような経緯で生まれた本書が、皆様のこれからも続く長い人生の、心の旅に、ささやかながらもお役に立てますことを恒子先生とともに願っております。
(奥田弘美)



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