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いっそ迷子を楽しもう、進め!方向音痴


わたしはとにかく迷子にモテる


自慢じゃないけど、わたしはよく人に道を聞かれる。
これは一種の才能なのでは…と思うくらいに本当の本当によく道を聞かれる。(しつこいけど強調)


【道に迷った際はこの者に訪ねるべし】
とかいう張り紙を背中にでも貼られてるのかと思うほどだ。


道を聞かれることに関しては、老若男女問わずにぶっちぎりでモテると自信を持って言える。
もし、プロフィールの特技欄に書いていいなら、太字で書きたいくらいのレベルの特技だと思っている。


ではここで、わたしについて簡単に説明させてもらいたい。


ド方向音痴。


以上。


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そう、わたしはとんでもない方向音痴


人に道とか聞かれちゃうけど、笑えないレベルの方向音痴。だからね、当然道を聞かれても説明なんぞできないのですよ。


どれだけ方向音痴なのかといえば、これは方向音痴界では当たり前のことに分類されるけど、Googleマップなんて当然よめない。
とりあえず、道に迷ったときはいっちょ前にアプリを起動させてみたりするけど、わたしの手にかかればどんなアプリだってその存在を否定された気持ちになると思う。


方向音痴に優しい地図アプリの開発をお待ちしております。


あとは、これも方向音痴界ではあるあるだけど、初めて行く場所はめちゃくちゃ早く行って必ず下見をする。(前日にするパターンも有り)


もうね、こんなの当然。
何度、駅から徒歩5分☆に騙されたか。


みんなの5分はわたしにとっては30分。


他にもトイレに行ったら戻ってこれないとか、自信満々に向かうと99%逆方向だったり、とかもうほんとに笑えないくらい、たくさん武勇伝がある。

あ、あと音楽聞いてるように見せかけて実は、音声案内聞いてるってのも方向音痴あるあるだと思ってる。


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そんなわたしだから道を聞かれると、しれっとした顔をしていても内心はとてつもなく困っている。


人に道を聞かれすぎた、わたしに備わった能力があるからぜひ聞いて欲しい。それは、その人のちょっとした目線だけで、


(あ、この人多分わたしに道聞いてくる。ほら、こっちくる。くる。きた!!!)


そう。わたしは、
この人わたしに道を聞いてくるだろうな察知能力がかなり発達してしまった。


「すみません!」

と声をかけられた時、覚悟をきめる。


あなたがわたしに話しかけてくることなんて全然察知してませんでしたよ。


風な笑顔で対応する。


「○○駅までってどうやって行けばいいんですか??この近くだと思うんですけど…」


「あー!○○駅なら近いですよ。
えーと、まずはこっからまーすぐ行って少ししたらきゅっと曲がってる道があるので、そこをぐいっと道なりに曲がってください。
そしたら階段があるので全部だーってのぼりきってください。そこまで行ったら人が急にたくさん現れると思うので、その人たちの後をついていけば駅に着きますよ!」


これは個人的な調査結果だけど、方向音痴の人って道の説明をする時に擬音を使いがちな気がする。例にもれずわたしはそのタイプ。


毎朝、毎晩、わたしが1年365日のうち、350日は使っている最寄り駅までの説明がこちらになります。プラス相手は日本人なのにも関わらず必ずジェスチャーを付けて説明する。


━こんな説明で分かるわけない。


でもみんな優しい…。

「あ!分かりましたー!
ご親切にありがとうございます〜」

そう言い、だいたいの人は笑顔でお礼を言ってくれる。


(この先きっと、違う誰かにまた道聞いてるんだろうな…ごめん、ほんとごめん…。)


そんなことを思い、いつも迷い人と別れた後は胸が痛くなる。


なので、もう、時間がある時はその人の目的地まで自分が分かるならば一緒に行くことにしている。
これは親切でもなんでもなく、ただ自分が迷い人に対して罪悪感を感じたくないからだ。


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それにしても、なんでこんなに道聞かれるの…



わたしが迷子だったらまず、わたしみたいな者に道なんて絶対に聞かない。

少し前までのわたしは警戒心をあおるような派手な色の髪。
変な柄×派手な色の個性と個性のぶつかり稽古みたいな服着てる時もあるし…。


どう軽く見積ったって道を知ってそうなやつには見えない。
わたしだったら絶対にわたしには話しかけない。


友達に、なんでわたしこんなに道を聞かれるんだろ。って聞いてみたら


「その土地になじんでるからじゃん?地元感。」


って言う、何とも言えない微妙な回答が返ってきた。


どの土地にいてもなじんでいるのか〜。
なんか変幻自在なカメレオンみたいな女だな、と思った。


東京23区、カメレオン女はどこにいても道を聞かれる。
たぶんこの先もわたしは道を聞かれ続けるだろうし、その度にとんちんかんな回答しか出来ない。そしてわたしの方向音痴もきっと不治の病。


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でもね、方向音痴っていいこともある。

ぐるぐる迷うことで見つけた、いままで知らなかったお店。

壁にかかれた芸術的なスプレーアート。

裏路地にある、どこかの家からただよう夕飯のカレーのかおり。

全然なついてくれない散歩中のねこ。

好きな人に教えたくなる、きれいな景色。

全部、ぜんぶ。迷子になったから見つけられた。


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そう、わたしは方向音痴


いつも何度でも道に迷う。
でも目的地にたどり着けなかった事は1度もないし、帰れなかったことだってない。


方向音痴なのに、裏路地が好きで知らない道を歩くのが大好きなのは、きっと先が分からない事にずっとわくわくし続けたいからなんだろうなと自己分析。


答えが分かりきっていることよりも、何が待っているのか分からないほうが断然楽しい。わたしはそんな性格。



地図なんか全然よめなくても、目的地にたどり着く方法はいくらでもある。答えはいつだってひとつじゃない。


岡本太郎先生は言った。


危険だ、という道は必ず自分の行きたい道なのだ 


本能のままに突き進むわたしにぴったりの言葉だ。


だからわたしは今日も迷うことなんておそれずに堂々と進む。


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後日実家に行くと、

「今日2人に道聞かれた」

と母が話していた。


ここにもいた。


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