ドイツ滞在許可証、インテグレーションコース
海外で生活をする時に心配な事を考えてみると、まず自分がその国の言語がどのくらい話せるか、気候や食生活の違いは?地域の治安は安全なのか?など考えたらキリがない。
ドイツは移民が多い事もあって政府が移民に対するドイツ生活への統合を滞在許可証の発行に条件をつけている。(例外あり)
私のように国際結婚で相手国に住む場合はまずは配偶者ビザを取得する。
ドイツ人配偶者ビザの場合は申請時にドイツ語のA1合格証明証が必要と記載されている。これは最低A1という事でそれ以上でも構わないが、将来の為にこれからドイツ語を勉強するんだ!という人はとにかくA1を取得すればドイツで現地の語学学校に政府の補助金を受けて通える為、この時点では頑張りすぎなくても大丈夫である。
ドイツに入国してから住民票やその他必要な書類を準備して外国人局で配偶者ビザの申請をすると、担当者からドイツ政府が義務付けをしているインテグレーションコースという語学とドイツ社会へ統合する為の"Leben in Deutchland"(レーベン・イン・ドイチュランド)というドイツの歴史や生活に必要な法律などの授業を受ける権利が書かれた種類をもらう。これがないと補助金が受けられない為、説明がなかったら遠慮なくすぐにその場で担当者に聞く事が大切。
(実際、私が通った語学学校のクラスメイトに配偶者ビザで滞在をしている外国人で私と同じ立場だったのにも関わらずこの書類をもらえずに100%自己負担で通って来ている人が1人いた。あとからどんなに外国人局へ訴えても結局このクラスメイトが政府からの補助金を受けれる書類を手にする事はできなかった。)
※インテグレーションコースについて
この書類を受け取ってから2年以内に2つの試験(ドイツ語とLeben in Deutchlandの試験)の両方に合格すると支払った授業料の50%が返金される制度がある。
ドイツ語の試験は移民向けのB1(ドイツ語の試験で有名なゲーテで受けるB1より内容が簡単)なので心配しなくても合格ができる。
もし、試験で不合格になっても2回までの試験は無料で受けられる。(これも政府の補助金対象者なので、先にかいたインテグレーションコース参加権利の書類がないと自腹になる。)
ちなみに、Leben in Deutchlandの試験は1度きりの挑戦だ。試験の問題と解答は全て公開されていて、そこからランダムに出題される。携帯のアプリやWebで模擬試験を無料で利用できる為、毎日2回くらいそれをやっていれば1ヶ月後には覚えてしまう。(私は学校に着いて授業が始まる前に携帯のアプリでそれをやっていた。)
そして、インテグレーションコース修了をして上記の2つの合格証を取得していると、ドイツ人の配偶者であれば有効なビザ取得から3年後にはドイツの永住権が申請できる。
ちなみに5年以上ドイツに継続して住んでいるとEUの永住権の申請ができる。
気をつけなければいけないのが現在ドイツの滞在許可証はパスポートに紐づいている為、パスポートの有効期限に注意しなければならない。(パスポートの番号が滞在許可証に紐づいて記載される為、パスポートに変更があると滞在許可証も変更しなければならない。)
実際に一番初めの配偶者ビザを取得した時点でパスポートの有効期限が1年しかなかった為にビザ取得から1年後にすぐにビザ更新でお金を支払った人がいた。
なので、配偶者ビザを申請する時には最低でもパスポートが3年以上ある事、永住権の申請の時も有効期限に注意をする事が大事である。
現在のドイツのパスポートと滞在許可証が紐づいているシステムの場合、パスポートの更新と共にドイツの滞在許可証も更新をしなければならないので最長で10年毎に両方の更新が必須となる。
滞在許可証を独立させようという案も出ているようなので将来的にはパスポートだけの更新で済むようになるという希望があります。🙏
また、このB1とLeben in Deutchlandの合格でドイツ国籍を取得する事も可能。
その場合は日本国籍喪失となる。
私が通ったインテグレーションコースのクラスメイトには時期的にウクライナからの避難民、モロッコ、インド、アフガニスタン、フィリピン、ジョージア、トルコなどの国籍で溢れていて、その中で母国の情勢が不安定な人はドイツ国籍を取得した人も何人かいた。
総じてドイツは移民に対してとても開かれているシステムを持っていると感じた。
真剣にドイツで生活をしていこうと思う外国人にはドイツ語と生活の中で必要な法律や国の文化などを政府の補助を受けて学ぶ事ができるのだから。
※インテグレーションコースで学べるドイツ語はA1からB1まで
・1モジュールは229ユーロ(A1.1からB1.2で語学は全部で6モジュール)
・Leben in Deutchland 229ユーロ
・試験料は語学は2回まで無料
・Leben in Deutchlandは1回まで無料
試験に不合格の場合、300時間まで(A1.2からB1.2)再受講可能
・1モジュールは229ユーロ
2年以内に合格した場合、支払った金額の50%が返金
オンライン、学校または郵送で申請
※申請について