遺族の日々

10月30日、国立がん研究センターより、

【人生の最終段階の療養生活の状況や受けた医療】に関する全国調査についての記者発表がありました。


病気で家族を亡くした後、1年以上経過しても抑うつ症状がある人が1~2割、深い悲しみを抱いている人が2~3割に上ることが、国立がん研究センターが国の委託を受けて初めて実施した大規模調査で明らかになりました。

生前に介護の負担を感じた人は4~5割に上ります。


この発表内容とともに、私のコメントを朝日新聞デジタルに掲載していただきました。


詳細は有料会員記事の部分となっているので、私がお話した内容のポイントを以下に記します。

【家族は第二の患者。患者が治療を受けている時から、家族にも医療者の伴走が必要】


*患者会に寄せられる声からは、今回の調査結果より、もっと多くの遺族がつらい気持ちを感じていると思う。

*周囲から「亡くなったのはあなたのせいだ」と責められている遺族が少なくない

*私自身、夫が亡くなってから4年以上の月日が経ったが、突然闇の中に落ちるような気持ちになり、涙が出てくることが毎日のようにある。同様の事例が、月日が経った人に起きている

*悲しみから立ち直るのを支援するグリーフケアを市民団体や医療機関が実施していたり、病院に遺族外来があっても、一旦、病院から離れてしまうと、そこに改めて通う必要はないと思ってしまう人も多い。

*遺族外来へ行き、抑えていた気持ちがあふれ出して止まらなくなると怖いという気持ちと、そこに行っても大切な人は帰ってこないのに話したところでどうなるのだという声が寄せられる。

*配偶者を亡くし、数年間がむしゃらに子育てをしてきた人が、子どもが独立したとたんに突然うつ病を発症したりすることもある。

周囲には、何年経っても悲しみは消えず、遺族は苦しさを抱えて生きていることをわかってほしいと思っています。

がんに対する正しい知識を身につけてもらうことも重要です。


患者さんが治療を受けている時から、家族に対するカウンセリングの時間をとったり、患者が亡くなった後も医療者と遺族がつながりを継続したりすることが仕組みとして必要だと思っています。

全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。