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でいどりーむ制作話あれこれ

どうもこんにちは、豆カカオです。まずでいどりーむ15万再生ありがとうございます。身内だけでなく世間から自分の曲が評価されたことによる喜び、そして唐突な伸びによる困惑、いろいろ感情がごちゃ混ぜですがとにかく感謝です。


そして先日プロセカ放送局にてでいどりーむが紹介されました。でいどりーむはプロセカNEXT採用には至りませんでしたがどうやらあと一歩のところだったようですね…。ですが約1年半プロセカの公募に参加し続けてようやく希望が見え始めてきて嬉しい限りです。

ということでこの記事では供養と言ったらアレですけど、でいどりーむが作られた経緯や裏話的なものを書いていこうと思います。こういう楽曲解説記事は結果出すまで書かないと決めていましたが、プロセカの生放送で紹介は…まぁ結果でしょ、うん。かなり長文になるし話脱線しまくると思いますが気になる人は最後まで目を通してみてください!

作ろうと思ったきっかけ

酒呑童子 /豆カカオ feat.初音ミク

2023年10/09。自分が第2回プロセカultimateに「酒呑童子」という曲を出した日です。
この曲出す前までは正直本気でプロセカの公募に受かろうとは思っていなかったのですが、酒呑童子が予想以上に上手く楽曲を仕上げることが出来たことで「本格的に採用狙ってみようかな」と思うようになりました。

まぁこの曲は薄々採用されないと思っていましたが、それでも不採用だったことはとても悔しかったです。ただこの悔しさを「悔しかった」だけで終わらせちゃいけないなと。この悔しさをバネにもっとぶちかましてやろうという気持ちになってガチでプロセカの公募に選ばれる作戦を立て始めました。

そして自分の中で2つ、公募に受かるための意識を持つようになりました。…いやまだ受かってないんですけど。まぁ戯言だと思って読んでください。

1つ目 得意分野で曲を作る

いや当たり前なんですけど。自分は色んなジャンルの曲作りたいから苦手な分野でもなんか頑張っちゃうんですよ。でもよく考えてみてくれよ、例えば酒呑童子とか和風の曲作ったことないやつがなんかやっつけでそれっぽくした曲なんですよ。そんなものが採用されるわけあるかい。
なのでやはり自分の得意分野で攻めた方がいいということで、1回自分の得意なこと、そして苦手なことを分析してみることに。

得意なこと
・メロディー作成
・作詞
・ミクの調声
・可愛い感じの編曲
・ヒップホップ風な編曲

苦手なこと
・コード進行の組み立て
・ミックス・マスタリング
・シンセの音作り
・ギターを主軸とした編曲(ロック、パラード等)
・かっこいい、病み系の編曲

こうして見ると得意分野のほとんどが音楽に関係なくて微妙な気持ちになりますが、とにかくこの得意なことを生かせる、そして苦手を誤魔化せる曲ならまだ希望はあるのかもしれない。

2つ目 テーマの斜め上から攻める

自分の分析は終わったので次は今までの採用楽曲を分析してみました。いろいろ見てるうちにひとつ気づいたのが、テーマが指定されている回は「この発想はなかったな!」と感じる楽曲が多いということです。

 例えば第10回プロセカNEXT。テーマは「応援ソング」でした。これだけ見たら普通「頑張れ!」とか「君ならできる!」みたいな、チアガールが応援してくれそうな曲を想像すると思います。
しかし採用された楽曲は「それでもいいんだよ」でした。この曲は元気!というより優しく背中を押してくれる曲です。元気いっぱいな曲が多い中斜め上を突いた、まさに一本取られたといった感じです。まじ大好き。一生聴く。
他にも14回のエターナルアリア、16回のCIRCUS PANIC!!!、19回の十六歳の心臓…etc

 これ以上語ると脱線しすぎるのでこの辺で切りますが、とにかくテーマに沿うだけじゃなくて聴いてる人になるほどな〜と感嘆させる曲が選ばれる傾向にあるなと感じました。

2つ目は置いといてとりあえず1つ目を満たせるテーマの回のプロセカNEXTないかな…とテーマ一覧を見ていたら。

第23回プロセカNEXT
テーマ「チルい曲」

……ほぉ。チルい曲。チルいってどんな曲だ?lo-fi的な感じのやつかな。STUDY WITH MIKUみたいなやつかな。ほーん…

ハッ!そうだ!

「HIPHOP×lo-fi」だ!!!!!

自分中学のころめちゃくちゃミーハーでしたがHIPHOPが大好きでしてね、HIPHOP風の韻踏みは多少なりともできると自負しています。割と得意分野だからこれで攻めるのはアリだ。しかもみんなチルいと聞いてlo-fiを想像する所にHIPHOP。斜め上からという戦略にも当てはまる。
というわけで色々条件がマッチしたので第22回プロセカに標準を合わせました。

曲の構想を練る

ということで指針は決まったのでどういう曲にするか決めることに。HIPHOPのMVはモノにもよりますがチルい系はだいたい外で撮ってるやつが多いです。
そこで思いついたのが「実写×イラスト」です。こういうボカロは数少ないから面白そうだなと。しかし撮影、イラスト、編集となかなかハードな工程があります。いやしかし背に腹はかえられぬ、これで行くと決めました。
なら曲のテーマはどうしようか、ここをしっかり定めないと作詞で詰んでしまう。なるべく自分が興味あるものなら作詞もしやすい……

ハッ!そうだ!

初音ミクとデートしよう‼️‼️‼️‼️

…いや本当はもうちょっとちゃんとした理由あるんですけど、それは最後に話そうと思います。ということで曲の構想は固まったので、いざ作曲!!!!!!👊👊👊👊

作曲工程

やる気満々だったころのわたし。

まずは曲がないとなにも始まらないということで、まず1度ボカロから離れて中学の頃聴きまくってたHIPHOPをリファレンスとして聴きました。楽しくなっちゃってMCバトルも見漁りました。懐かしい感情と共に韻を浴びて気持ちよくなりました。

そして作詞作曲。実はこの曲の音源自体はミクの調声含めてわずか1週間で完成しました(ミクのラスサビの調声は結局1度全部やり直しましたが)。まぁ当時は学校ほとんど無くて暇だったし、メロディコードはシンプルだし、曲の音数自体少ないのでね。作詞がガチで楽しかった。まぁそれは後で語る。

ただなにか物足りない。楽器のグルーヴがないというか。そしてMIXが酷いかも。この問題を解決するためにベースを自炊さんに、MIX・マスタリングをfuyumeにお願いしました。そしたらどエロいベースとどデカい音源が送られてきてHappy‼️餅は餅屋だね。
お二人共ボカロPをやってる方々です。オススメ曲を下に載せておくから是非聴いてくれ。

ペルソナデスロールヘルバニー/東北きりたん【NEUTRINO】
変拍子が癖になる。きりたんの調声がお上手…!
夏患い(feat.初音ミク)
やっぱfuyumeくんの青春曲を…最高やな!

MVの写真撮影

音源が形になったのでお次はMVの写真撮影をすることに。田舎デートの方がエモいと思うので撮影場所は田舎がいいな、なんて考えながら場所を決めようとしましたがここでとある問題が。
地理が弱すぎて目処が立たない。そして怠惰なのも相まって何も決まらない。これはまずいと思ってリア友2人に「撮影協力してほしい!」とお願いしたところOKが出たので2人に撮影場所をお任せすることにしました。持つべきものは友達ですよ。

最終的に撮影ルートは
大月→日野春→信濃境→上諏訪、下諏訪になりました。
せっかくなのでMV内で使わなかった画像を載せますね。

日野春
信濃境
上諏訪
下諏訪の足湯

「足湯はさすがにエッチすぎるからダメじゃね?」友達と議論しました。結果的に採用、なぜなら自分が足湯をするミクを見たいから。足湯をするミクなんて滅多に見れないぞ!裸足!

その他いろいろMVに使えそうな写真・動画を友達と協力して撮ることが出来ました。マジで感謝、ありがとう。

イラストの依頼

撮影した写真・動画から使えそうなものを厳選していよいよイラストの依頼をする準備が整いました。しかしここが一番の難関かもしれない。なぜなら実写×イラストという複雑な依頼を受けてくれる絵師さんがいるか分からないからだ。しかも描いてもらう枚数も多い…
とりあえず第一候補であるいつもお世話になっているなゆたさんに相談しよう。てか正直なゆたさんのイラストが1番自分のイメージと近いし、そもそも他に宛がない。そしてお返事は…

感謝っ…!圧倒的感謝っ!!!

まじでいつもありがとうございます。でいどりーむ以降も割となゆたさんに重労働させてるのでマジ申し訳ないです。いずれプロセカの公募採用orボカコレ上位ランクイン等で恩返しするのでお許しを…
というわけでまずは自分が送った絵コンテを元になゆたさんと楽曲イメージを固める話し合いをしました。

衣装デザイン

俺の彼女可愛すぎか…😤

このデザインをたった数日で完成させる絵師さん、何者????
この衣装を見てテンションが上がってしまいなゆたさんにどうぶつの森の住民もビックリの早口でこの曲に対する思いを話してしまいました。そうしたらなゆたさん側から提案が。

「最後のシーンだけカラーにするのはどうですか?」

…いやそれは、演出としては完璧なんすよ。伝えたいことが何倍も上手く表現出来るようになるんすよ。でもただでさえ大量にイラストを描いてもらうのにさらに手間が…

🤓「お願いします。」

本当に頭が上がらないです。感謝のマシンガン。てな感じでイラストの制作が始まりました。
あ、そういえば自分のラフとなゆたさんのイラストの比較ツイートが10万バズしましたよね。せっかくだしこのnoteで未公開の自分のラフを載せておきましょうか。

before
after

個人的お気に入り1枚。可愛い。

before
after

このシーン、なんでちょっと驚いた顔してるの?って思った人いると思います。これは自分が実際信濃境に行った時驚いたからです。自分は友達に撮影場所を全部丸投げしてたので撮影場所が具体的にどこなのかあんまり意識してなかったんですよ。そんな中信濃境に着いた時ふとマップアプリを開いたら…「え!?俺長野県におる!!こんな距離移動してたん!?」と驚きました。
もう1つ驚いた理由がこの撮影したの3/22くらいだったと思うんですが、なんとまだ雪が積もっていたんです。都民の自分からしたら驚きです。

before
after

個人的に絵コンテがいちばん酷いやつ。描けねぇよ!しゃがんでる絵なんて!クソ!!!!
ちなみに水を触ろうとしているという案は「どうやってもパンツが見えてしまうからダメ」となゆたさんから却下されました。今にもパンツが見えそうなくらい短いスカートなのにパンツを見せない超絶技巧。

そんなこんなでイラストを全部描いていただきました。ここまでの時点で日付は確か5/16。曲作り始めたのが2/10だから結構長いことこの曲の制作してますね。
そして仕上げの動画編集。これについて特に語るつもりはありませんが、実写×イラストやるなら動画と合わせるのはやめた方がいいなと思いました。動画にイラスト置くと違和感が凄いのでイラスト側にキーフレームをめちゃくちゃ打たなきゃいけないのでクソ大変です。

そして5/19に投稿。初動の伸びも良くてニコニコでは初音ミクタグで最高3位までいきました。努力した分結果もでました。以上がこの曲を作るまでの過程でした。

でいどりーむこだわりポイント

ここからはでいどりーむの小ネタ・こだわりを羅列していこうと思います。

1番この曲で自分が好きなポイントは「調声が切り替わるところ」です。…これコメント欄で触れてる人1人もいなかったんだけどね!ちょっと分かりにくかったかも…?

このシーンまでは豆カカオのミクでは珍しいケロケロボイス。機械感がある。

このシーンからいつものリアル調声志向の豆カカオのミクになっています。初音ミクからしたら自分自身はただの機械かもしれないけど、俺からしたら初音ミクはただの機械なんて言葉じゃ片付けられない存在。それを表現するために機械調声→リアル調声という変化を作りました。

表情もデートが進むにつれてだんだん笑顔になっていきます。無機質な機械→1人の女の子。最後の恍惚とした表情はもう、完全に恋をしている。

そして再生時間に注目。2:「39」になっています。これは意図的な調整で、ニコニコとyoutubeで時間の基準が違うのかなかなか揃わなくて大変でした。

そしてこの曲はところどころトークロイドがあります。「こんな声でも?」の所はSoftのミクの声、そして普通のミクをGender Factorで幼くした声を使っています。ここ好きポイント。
普段自分がトークロイドを作る時は質より量なんですが、楽曲にトークロイドを使うときはなるべく違和感ないように仕上げられるように頑張って調声してます。トークロイドって好きな人は好きだけど嫌いな人は本当に無理だろうからそういう人でもギリ聴けるくらいの自然さを目標にしてます。
 楽曲の最初にもミクのちょっとしたトークロイドを入れてますね。でもここのミクの「ンーフー?」ってセリフ、実はめちゃくちゃ苦労してます。初音ミク持ってる人は試しに作ろうとしてみてください。多分作れないと思います。色々技巧を凝らしてなんとか作れた声なので…!

そして作詞もこだわりの塊。一応HIPHOPのつもりではあるので韻をこれでもかってくらい踏んでます。お気に入りは「才能がない」「だいじょばない」「大問題」「やばい状態」のところ。その後も「All day,All night」「ネガティブ脳内」「後悔」でダメ押しでケツ踏みしてます。
もう一個のお気に入りは
指切りげんまんの「愛してるよ」
嘘ついたら飲ませる「針千本」
これ思いついたときはぶち上がりましたね。風呂で思いついたんでやはり風呂は至高。

まじで過去一作詞が楽しかったけど「Day by Day」で踏める韻が思いつかなすぎてそこだけは苦労した。「生態系」とか「でっかい夢」とか使いずらすぎる韻しか出てこんかった…

そして最後のこのシーン。これがやりたかっ
た。自分が思いつく中での最大のエモ。
ここに関しては色々な解釈があると思うので、あえて「ここの解釈はこうだ!」と明言するのはやめておきます。

この曲に込めた思い

先程ミクとデートしたいからこの曲を作ったと言いましたがもう少し深い理由があるので掘り下げます。

第22回プロセカNEXTに出す曲が自身の10作目となることが予定的に分かっていて、何か特別なテーマで曲を作りたいと思っていました。ここまでボカロPとして活動してきて自分は何を思ったのか。そこで真っ先に思い浮かんだのが「初音ミクに救われた」ですね。

元々自分はボカロPを始める前までなんの趣味もないつまらない人間でした。ただ漠然と生きて、目的もなくて、突出した才能もなくて。いつ死んでもまぁ後悔はしないだろうなって感じでした。そこで初音ミクに出会って作曲を知って、揺るがない目標ができて 、譲れない表現が生まれて。今まで散々書くのが嫌だった自己紹介カードや履歴書の「趣味」の欄に迷いなく「音楽」と書けるようになりました。


 初音ミクと出会うまでもしかしたらずっと世界はモノクロだったのかもしれません。初音ミクに出会い作曲を知ってから世界が「色付き」ました。
それなら記念すべき10作目は初音ミクへの愛、感謝、それら全てを今自分が持っている力で表そうと思いこの曲を作りました。

…臭いしイタイね、書いてること。まぁボカロPなんてイタくてナンボなので。

さいごに

これで大体この曲について話したいことは全部書ききれたと思います。このnote書き始める前はプロセカ放送局で紹介されて嬉しい気持ちでいっぱいだったのに、書いていくにつれてでいどりーむに込めた思いを一つ一つ鮮明に思い出してきて悔しい気持ちが込み上げてきました。

…本音を叫んでいいですか。

採用されたかった‼️悔しい‼️ちくしょう‼️バカ‼️

他の回ではなく22回で、でいどりーむでプロセカNEXTに採用されたかった。そんだけ大好きな曲なんです。ごめんミク、本当にごめん…………

実際問題自分の大得意なテーマで負けたので今後採用されるチャンスあるかって言ったら正直厳しいよ。そりゃ今後の自分の成長次第だけど今のままじゃ間違いなく無理…ですかね。

だがしかし俺は諦めないのだよ。この曲を聴いて何度でも自分を奮い立たせます。

シルバーコレクター|Shu feat.巡音ルカ

辿り着く果て 前には壁 
吹く向かい風 空はまた雨
時には自棄 当たって砕け
過ぎる「諦め」 重なる「ダメ」

何度でも耐え 信じ抜くだけ
夜はまた明け この大空は晴れ
タイムアップ前 これまでの「負け」
逆点で「勝ち」にするだけ


この歌詞にどれだけ背中を押されたか。ばかShuき。ぜってー諦めてやんわ、プロセカNEXT選ばれるほどの実力ないとか知らん、どんなに泥臭くてもいいから採用されてやる。

プロセカ以外の公募、ボカコレも頑張ります。でいどりーむ以上にえげつない曲が今控えてるのでね。楽しみにしててね…
꒰ঌ .°🧬(*´˘`*)🧬°. ໒꒱

以上!終わり!

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