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アート×コミュニティの力で意識を転換する装置を、みんなの場と心にインストールする。中崎透(Nadegata Instant Party


先日、曙橋のギャラリーで定期開催している

アーティストトーク(と打ち上げ)に参加してきました。


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普段、四谷の写真系ギャラリーにはよく行くものの

曙橋に来るのは初めてです。


参加理由は3点

・未経験ながら、いつかやりたいと思っていたワールドカフェを     アーティストと一緒に体験できること

・Nadegata Instant Partyの作品を見たことがあり記憶に残っていたので  (@水戸芸)

・近年実感著しい『アートの「場」とアーティストの「住処」』という  テーマ、タイトルに惹かれて


まずは作家さんの経歴紹介からスタート。http://nadegatainstantparty.org/profile/


活動のスタートは《インストールパーティ》@とたんギャラリー

天井につるしたバナナをとるために、会期中にみんなでギャラリーの床を積み増ししていくゲームを仕掛けました。

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「ばかげた目的のために即興でコミュニティを発生させる仕組みを作る。作品完成という目的はあくまで口実で、完成までの過程や仕掛けによって引き起こされるできごとこそが重要、それを体感するパーティー(宴/仲間)が作品」

というのが、コンセプトでありチーム名の由来。

そこには、作家が学生時代に体験した、演劇や陶芸、アートマネジメントが大きな影響を及ぼしているようです。


公開制作のほかの仕掛けとして

・3時はおやつの時間

・毎晩、お題がでてそれをクリアするためのパーティが行われる

等を用意したことにより

・近所の子供、散歩のご老人が遊びに来るようになった

・名物キャラが誕生

・泊まりだす人があらわれた

・床を上げる、という労働に参加しだす人があらわれた

等、作品が装置となって、その場に変化と物語が生まれたようです。

なるほど確かに、その制作過程で生まれた出来事自体が演劇的です。


その後の作品の

「学芸員Aの最後の仕事」は、

現代アートをかみ砕いて、楽しく学べる推理ものの素人演劇。

ナデガタ=学芸員A として、地元の人も巻き込みながら

映画の中の出来事を、舞台セットのように美術館の中に展開したり


他にも

・美大の学園祭で出店されるような、酒、おでんがあるような

 即席の居酒屋を、身軽に様々な場所に展開する「中人」

・廃棄された元砲台から、皆既日食の瞬間に大砲を模した花火をあげる

・「大風呂敷を広げる」の言葉通り、広場に大きな風呂敷をつくって展開

と、積極的に美術館以外の場所へ拡張していく活動をされています。


その時考えることは 

・いろいろな人を巻き込んで、いかにみんなが当事者になるか

・まちづくり、場所づくりという行為で、行政等、普段美術とかかわりがない、専門家以外の人にも協力してもらうしくみづくり

ということだそうです。


そういった作品作りの性質上、自治体などから町おこしのプロジェクトの 依頼があることも多く、

新潟の「水と土の芸術祭 2012」で発表された「ONECUP STORY」

では

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陶芸家間でよく話題になる「器が先か、窯が先か」という話から着想を経て、

「地元の保育園跡地に、今は忘れ去られた伝説の窯があるらしい」

というストーリーの演劇をつくるため、地元の人を巻き込み

実際に1から窯づくりをして、お茶碗も制作。

部外者からみると「演劇が先か、伝説が先か」という状態をつくり

現実に、会期終了後も実際に運営され続けている、まさに伝説を街に残しました。



作家の活動紹介が終わると、つぎはワークショップが行われました。

議題を書いた模造紙が壁に張り出されます。テーマは

・オルタナティブ

・作家の生活費と住居

・美術の場

ワールドカフェのルールにのっとり

マインドマップ形式で思いつくまま書き足されていきました。

参加者は作家、DJ、LGBT、学生、ギャラリストなど様々。

色々な人の視点を借りて、

その意識がどこにあるか、どう物事を見ているかを体感できた時間でした。



そして今回の企画の「A.N.Y Talks」は S.Y.P Art Space のギャラリストさんが1年をかけて定期開催する企画で、

今後も開催の予定があるそうです。

http://arttokyo.sub.jp/

次回もぜひ参加しようと思います。


最後に、ナデガタインスタントパーティーの活動は

youtubeで覗き見ることができますので、ご興味があれば是非。



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