見出し画像

久しぶりにキャッチボールする?


卒業生のみなさんに向けて書いた少し前の記事ですが
夏休み前のこの時期に、もう一度見直しして記事にさせていただきます。

前に、息子が一人暮らしを始めた時のあれこれを記事にしました。

息子殿は、小中高と野球をしていました。「していました」、と言っても
何か大きな足跡を残せたわけではなく、特に高校での3年間は、色んな意味でしんどかった。思い出すのもしんどい、傍で見ているのも息が詰まるような日々でした。
見込みが甘かったというのは否めないことで、野球が好きだから野球部に入っても決して右肩上がりで上手くなるわけではなく、壁・・又壁。
順風ばかり吹きはしない、、のは当たり前なんですが。

わかっていても、始めてしまったことは、何とかなるだろうと きっとうまくいくだろうと 思いたいもんです。とにかく一生懸命やる、それしかないっしょ、みたいな思考停止で無我夢中。
今にして思えば、野球部母病・・みたいな熱病の様相。
早朝、暗い時間から起きて 弁当と朝ご飯の用意して 駅まで送り、
夜遅く、クタクタになった彼を迎えに行き、ご飯食べさせ、洗濯して、、
寝坊したらどうしよう、と怯えながら寝る、日々。
決して地上に着地しない、回り続ける観覧車に
乗っけられた息子殿は、どうよ。

お気楽な私は、ひとりよがりで 頑張ってる体で、
弁当と回すことしか考えてなくて、
もはや彼のことも 誰のことも 
何も見てなかった。

だいたい、観覧車で上まで行ったら、戻ってきて降りるもんだよ。

「降ります。」と言わないまま 息子は、
だんだん元気がなくなってきて、なかなか起きられなくなって、
勉強もしてなくて ひょっとして何かあるのか、と
やっと気づいたある日、訊ねたところ 答えてくれました。
野球が好きだから、上手くなりたいから、と
意気込んで進学したけれど、入学後 早数か月で 学校をやめようかと考え始めたと。
野球部目当てで進学しているので、野球を手放したら学校にはいられないというのだった。
野球が好き、なんてそんな話どーでもいいんだわ。 圧倒的に実力が足りなくて、よしんば上達したとしても スタート時点でのこの差をどうすることもできない。甘かった、間違っていた、やめるしかないのだ、と。
希望がない。絶望している16歳の坊主頭。
私は、ただ おろおろと心配していました。思考停止のまま、バカですね。

しかし、高校を中退すると、そのあと結構大変らしいと 自分で調べて考えて、息子殿は
自ら 観覧車を降りました。

野球部をやめると顧問に伝えたと事後報告を受けました。
えー、、って 私はまたもおろおろし、青くなりましたが
担任でもあった顧問の先生は、熱い人で、遺留してくださって 一年我慢しろ、となった。
息子は、やめたい、もう放り出したいところだけれども 1年間ということで、自分と折り合いをつけて承諾した。
「すみませんでした、もう一回頑張ります。」
ぜひとも残って活躍してくれ、という話ではなかったが、とにかく今まで通り、となったのだ。本人がどう感じていたのか、本当のところはわからないが
その間も、なんとか学校は休まず、練習も休まなかった。
頑張ってみよう、やっぱり無理だわ、の波に揺さぶられながら
結果的に、卒業まで続けて、三年間、皆勤だった。
なんというか、良くも悪くも 律儀なヤツなんです。
ダメダメからの再スタートだったが、同学年の友達はずっと変わらず接してくれて、突き放さなかった。出るの出ないの の話は なかったかのように。
卒業まで続けられたのは、全くもって 友人たちのお陰だと思う。

なにより野球は好き。始まりはみんなそうかな?
でもねー、
(野球部で野球を楽しむのは難しい)
当たり前ですね。当たり前なんです。
私にその覚悟がなかったし、おろおろし過ぎで 構えが甘くて
役に立たなかっただけでした。

息子殿には、詫びたいです。ほんとに さーせんでした。

部に戻るにあたっては、
マイナスからスタートするのだから、どんなことも我慢しようと、
彼なりに、腹をくくっていましたが
憧れの先輩がいたことが 大きかったようで。

2学年上の エースで4番の その先輩の投球を見る時 息子殿は
声援ができないほど集中しているのが 遠くで見ていても分かった。
私に似て、不器用で分かり易いやつなのだった。

先輩のように なれたらと思う。それは、無理とも思いながらも
純粋に憧れる気持ちを手放さなかった。
勇気を奮い起こしてアドバイスをお願いした、と嬉しそうに話してくれたこともあった。ご卒業の時には、一緒に写真を撮ってもらって、このガタイでココロは女子か?というほど喜んでいた。

観覧車に 再び自分から乗り込んで 景色を眺めたりもできるようになった
けれど、また無理やりでも降りたくなったりする。
理想と現実の乖離。思うようにできない腑がいなさ。
葛藤もあった。ありまくったが、
一旦、観覧車から離れたことで 
ガラスに傷がついた分、ちょっと大人になれたかもしれない。

試合に連れて行ってはもらえない、けれど、基礎練を「やらされている」
だけではなかった。応援の練習をイヤイヤやっていたわけでもなかった。

上手くなりたいという気持ちは、持ち続けていたと思う。

最後の試合に登板すること は、叶わなかったが
野球を好きであり続けていたこと。
前に進もうと もがき続けていたこと。私は 知ってるよ。
失敗などではない。恥じることではない。
とても誇らしいです。

それでも
あーあ、と、下を向きかねないし、 野球が嫌いにもなるかもしれない、
それも仕方ないか、と私は内心思っていた。
高校を卒業して、しばらくは 野球を離れるかな、と思っていたのだが
そうでもなかった。

少年野球のチームメイトから「キャッチボールしよう。」と誘われると、
いそいそ出かける。
大学でも、野球部に入部こそしなかったが、グラブはちゃんと持って行った。草野球チームで投げたよ、三振取ったよ、と私に自慢してきた。

「野球は、やっぱ好きよ。」らしい。

コロナで、一年間帰省できなかったが、ようやく帰省した際
「久しぶりに、キャッチボールしたくなった。せえへん?」
と、父親を誘って 河原に出掛けていた。
ウチに置いてあったグラブやボールを磨いたり、テープを巻いたり、
二人で 楽しそうに 入念に準備をして。
ただそれだけのこと なんですが
後ろで見ていた私は、不覚にも 涙が出てしまった。

野球 を好きでいてくれている。
(厳密にいうと、ただのキャッチボールなんですけど)
そのことは、
這うようにして乗り越えてきた 自分の高校生活を受容している、ということ。「野球が好き」という自分を大事にしているということ。

結果を残したか、と言われれば 残していませんよ、何も。
しかし、
息子殿は、真直ぐ成長しました、と 私は 胸を張ります。そして
これからも、成長すると思います。

ありがとう。

自分を大事にしてくれて。

わが身を大切に、ボチボチ頑張ってくれたまえ。

画像1

今、頑張っている皆さんと、彼らを応援しているご家族にも
心からのエールを送りたいと思います。

若い皆さんへ おさんぽ婆さんの独り立ち考 

これからひとり暮らしを始める皆さん、
「からだ」を大事にしようね。
元気でいなければ、楽しめないのだから
だからこそ
自分にとってよくないことがあるかもしれない、
災害や事故、病気など、普段は考えないでしょうけど、
何が起こるか、わかんないなって ちょっと考えておくことも大切だと思うのです。
困ったら、信頼できる誰か に相談しよう。
自分を守ることを優先してほしい。

バタバタしているときは、気づかないものですが、
荷下ろしが一段落したあたりで、
ちょっと弱音を吐きたくなるかもしれない。
そりゃ、そうですよね。

弱音吐いたらいい、ですよ。
私、息子にも言いました。「ぜったい、かっこつけるな。」と。
弱い自分、未熟な部分を受け入れる。自分に対して、自分をさらけ出す
ことが、スタートだと思います。周りに対しては、飾らずに接する、
できるだけ ありのままでいること。
そこから、飾らない友人関係が築けるのではないか。新しい部屋が、
自分の安心できる場所になるのではないか。これは、
わかっちゃいるけど まあまあ難しいと思います。
具体的には、
もし、困ったことがあったり、失敗をしたら、棚上げやそのまま放置はしない。自分に起こったことは、なかったことにはしない。

別世界にワープはできないので、
どうするか、は自分で考えないといけない。
至らなかった。怒られるかもしれない。我慢も必要かもしれないけど
逃げる のも当然あり。助けを求めることも正しい対処です。
負けじゃない。是正改善しようとする流れ。勇気ある行動です。
失敗は隠さない。だって、ひょっとしたら失敗じゃないかもしれないし、
心配かけるから親にも言わないってのは、親不孝なことですよ。
所属する学校や自治体のHPにも 必ず相談窓口がありますから
躊躇せず連絡。そして現実を受け容れること。

20歳そこそこで間違うことなんて当たり前にあるでしょう。私も、
間違えまくって、失礼しまくってました、って今もか、、、今もです!

最終的に、笑い話になっても、それは、それでいいではないか。

元気でいること、これは当たり前のようで、簡単なことではないです。
自分を大切に。
守られてきたから、これまで気にしなかったかもしれないけど
あなたは、大切な人なんだから 大事にする努力をしてください。
社会にあるツールを使いましょう。

その辺にある薬局も、たぶん familiar with you 。

まずは、近くの医療機関を知る。厚労省のHPで‟医療”から自身の住む自治体の医療機能情報を検索してみてください(くどいですが)。なかでも
一人暮らしの皆さんにとって、
薬局は身近で使い勝手のいい医療機関だと思います。ラインで相談できる薬局もありますよ。
何も買わなくてもいいし、処方箋がなくてもいいんです。
薬局を都合よく利用して どうか元気な日々を お過ごしください。

応援しています
長文をお読みいただき ありがとうございました。

おさんぽでした。



この記事が参加している募集