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読書「科学的な適職④」~仕事にやりがいを感じるためのポイント~

私は5年近く同じ会社に勤めていますが、これでよかったんだろうかと悩むことが最近あります。本書では膨大な研究データから導き出された統計的な根拠を基に、人間が誤まった選択をする原因と最適解を選択するためのノウハウが書かれています。自身の考え方のクセを直すことと、今後のキャリア形成に役立つかなと思い、手に取りました。
ステップ2の後半では仕事におけるモチベーションを高めるポイントが書かれています。これは適職選びにも大切な要素であり、このポイントを満たした職業や職場が自分に適したところと言えます。

・明確な賞罰や指示は病気になるリスクを下げる

賃金や賞罰が明確な会社に勤めると社員の死亡率や精神病の発症率が下がると言われています。また、タスクが明確であることも大切であり、タスクが明らかになることでモチベーションが高まると言われています。加えて上からの指示が一貫しないことも病気のリスクが高まると書かれています。これらから言えるのは、適職探しにおいては多岐にわたって明確さが求められるということです。

・プロジェクト全体に関われるか

人間は日常の仕事で、自分のスキルを幅広く活かせること、業務内容がバラエティに富んでいること、の2条件を満たすほど幸福度は上がると書かれています。ファッション業界であれば、新しい服の企画から商品の売り込みまで関わることができると、プロジェクト全体の流れが見渡せるため、責任感が生まれ、仕事の意味を見出しやすくなります。重要なのは始まりから終わりまでの工程にどこまで関わることができるかです。

・友人がモチベーションを高める

職場内に友人が3人いれば仕事へのモチベーションは700%上がるという結果があります。社内に良い友人がいるだけで、給料の多さなどは関係なく人生が幸福になるようです。逆に人間関係の悪化が及ぼす健康への影響は非常に大きく、長時間労働や福利厚生不足の悪影響を上回るようです。職選びの際に、良い人間関係が作れそうか確認するポイントは「自分に似た人がどれくらいいるか」です。些細なことでも自分と似ていると好感度は高まるといいます。

・他人の喜ぶ顔が見られると満足度が高まる

シカゴ大学が調査したもっとも満足度の高い仕事トップ5は高い方から順に聖職者、理学療法士、消防員、教育関係者、画家・彫刻家となるそうです。これらに共通するのは他人を気づかい、他人に新たな知見を与え、他人の人生を守る要素を持つことです。逆に満足度が低い職業となったのは工場での作業などの単純作業でした。他人の喜ぶ顔が見えやすい仕事は満足度が高いと言えます。

・仕事へのモチベーションを高める3つの欲求

他者への親切によって人間は自尊心、親密感、自律性の3つの欲求が満たされます。
自尊心:役に立ったことで自分は有能な人間なのだとの感覚が生まれる
親密感:親切のおかげで他人と近くなった気分になり、孤独感から逃れやすくなる
自律性:他人のためになったという感覚が、指示されてやったわけでなく、自分の幸せを選択できたという気持ちにつながる
これらの欲求がうまく満たせない限り、仕事のやりがいは生まれません。社会に役立つ行為をした直後にはやる気ホルモンとして知られる物質があふれることがわかっています。自分の仕事が他人の役に立った事実を可視化できる仕事を選ぶことが重要です。

~終わりに~

この章でもまた、これまでを振り返って「あー、確かにモチベーションが上がったな」と思えるシーンが多くありました。私は5年間ほとんどおなじ工程を担当していて、顧客への営業などはしたことが無いのですが、「お客さんはこの製品についてどう思っているんだろう」という風に考えることがあります。ジョブローテーションが必要ということは、「遊べる鉄工所」にも書かれていましたが、モチベーションを高めるためにも必要だと実感します。

また、他者への貢献度が高い職業が良いと書かれていますが、これはどんな業務でも貢献度を高めることは可能だと思います。どんな些細なことでも「ありがとう」と言うことや、掃除をする、トイレットペーパーの芯を交換する、といったことも他人の役に立ったという感覚が生まれ、仕事の満足度を高めるのではないかなと思います。

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