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【就活】フレームワークを極めてエントリーシートを書こう

就活がずいぶん前に終わって,いろいろ忘れ始めたので全部忘れちゃう前にここにメモしておきます

自己紹介

まさおといいます.都内の理系大学院生(21卒)です.
専門は機械だけど,いろいろ迷走した結果IT業界を志望していました


ESの書き方や面接の話し方など,就活のお作法には色々とコツがあります.
「結論から話した方がいいよ」くらいなら言われたことあるんじゃないでしょうか?
僕はそれを独自に研究して,「フレームワーク」と呼んでいました.
今回はフレームワークを意識してESを書く時の僕の手順をそのままなぞることで,僕が就活中に考えていたことをお伝えできれば,と思います.

理系の大学院生なので就活そのものは比較的ゆるかったかもしれないですが,その分じっくりと就活については考えながら対策を進めました.参考になれば


結論:大切なのは中身

先に言っておきますが,最も大切なのは「あなた自身」が見える文章を書くことです.フレームワークはあなたを面接官にしっかりと理解してもらうための武器にすぎません.
なので自己分析&会社の分析でESを通して伝えたいことをしっかりと決めて,それが伝わるように文構成(フレームワーク)を決めて文章を作る,という順番でESは書いていきます.


早速ですが,例題をもとにESを書くまでの作業を追いかけていきましょう.

例題:「学生時代に力を入れたことを教えてください」

「学生時代に力を入れたこと」は絶対にどの会社でも聞かれると思います.これを例にESを書いていきましょう.

①面接官が聞きたいことを知る

この質問だと,単純に頑張ったこと知りたいというよりも,学生時代に頑張ったことの話を通じてあなたの考え方や性格を知って,会社が求める人材であり,入社後ちゃんと会社になじめそうかを知りたいという側面が強いでしょう.

ということは「友達がいなかったので,ひたすら英語を勉強してTOEICで990点をとりました!」という話は入社後に会社になじめるかが判断できないのでNG.グループで何かを頑張った話を中心に据えましょう.

ここで知らないといけないのが,「会社はどんな人を求めているのか」ということ.就活は情報戦です.あらゆる手を尽くしてこの情報を集めましょう.例えば,
・同じ会社を受ける友達
・サークルの先輩
・OB社員
・説明会,パンフレット,座談会
・投資家向け資料(IR)

特に投資家向け資料には極力目を通しましょう.飾られていない情報が載っていたり,会社の強みや今後力を入れる領域が書かれています.これってそのまま会社が求めている人材に直結しますよね?


②自分が押し出したいことを知る

先ほども書いた通り,面接官は様々な質問を通してあなたの性格や考え方を知りたいと思っています.逆にあなたは面接官にどういう人間だと評価されたいですか?努力家,まじめ,知的な分析家,情熱的なリーダー,愚直な苦労人,縁の下の力持ち,なんだってかまいません.最も自信をもって伝えられるものを選びましょう(ちょっとだけずるいことを言うと会社が求めてそうな人格にちょっとだけ近づけるといい).

リーダーシップを前面に押し出せると良い!とよく言われますが,個人的には無理にリーダーシップを押し出すよりも,リーダーの弱点を即座に見抜き支えた話などチーム全体を見渡して自分なりに考え,最大限にコミットできた話があればよいと思ってます.

僕の後輩で情報収集やチームの体調管理など,裏方仕事を極めたやつがいます.平凡なリーダーだと伝えるくらいならいっそ世界一の裏方だと言い切れた方がカッコイイですよ.

最初はわからないと思います.自己分析や他己分析っていうのはここを埋めるために使います.あなたが他人からよく褒められることってなんですか?

面接官が知りたいことを前面に押し出した文章の細かいフレーズや切り取り方の中に,自分がどんな人間かをそっと忍ばせましょう.

③自分のモチベーションの根源を知る

①②が決まって安心して文章を作った就活生は,面接官の「なんでこれやろうとおもったの?」というフレーズでフリーズします.

大丈夫です.学生時代に一番頑張ったものにはそれだけの理由が絶対にあります.そんなに簡単に書けるものではないかもしませんが,焦らずにじっくりと探してください.自分の人生がこの理由に詰まっていると僕は思っていました.

探すコツとしては,「なぜ」をひたすら繰り返すこと.
「なんとなく」という理由でも,「どうしてなんとなくやろうと思ったのか」という観点から突き詰めると意外と子供のころからの憧れだったから,とか昔〇〇という失敗をしたから大学時代にもう一度挑戦してみたかったからとか出てくるかもしれないですよ?

④文章構成を決める

お待たせしました.フレームワークの登場です.
ここまでに伝えたいことが固まっているのかな?と思うので,ここからはこれを明確な文章に落としていく作業です.就活サイトから過去のESを探して,そのなかで自分の言いたいことを最もうまく伝えられそうな文章構成を探しましょう.第3志望の会社くらいまでは外資就活ドットコムとワンキャリに載ってる過去のESを3年分くらいは目を通して内定者の使っているフレームワークを頭に叩き込みましょう

なぜこれが大切かというと,同じ体験をしていてもそこへのモチベーションや考え方,切り取り方は千差万別だと僕が思っているからです.体験の内容ではなく,それに取り組んだ姿勢や考え方,そこから学んだことや将来のあなたを伝えられるフレームワークを選べているかということなんです.

文章のフレームワークがしっかりしていなくて,伝えたいことが面接官に伝わらないのが一番もったいないですよね.こんなに一生懸命考えたのに,面接官から見たらほかの学生と同じようなこと言ってるよねという評価を受けたくはないと思います.

逆に言うとフレームワークさえしっかりしていれば,ほかの人と同じような体験でも自分らしさを盛り込めるということです.

実際にESを書くとこんな感じ

割と一般的な話かなというところで,「バイトリーダーとしてカフェの売り上げを2倍にした」という話を書くことにしました.カンボジアに井戸を建てた話と迷ったんですがバイトリーダーの方がその人自身の顔が見えにくいかなということで.

文章を書く前に自己分析と今回応募する会社の情報を整理します.
今回は

・体育会系の会社なので,やるべきことを決めたらやりきる遂行力をアピールしたい
・分析力に自信があるので,これも盛り込みたい
・小さいころからマスターと仲良くしているので,カフェをどうしてもつぶしたくなかった

という想定にしましょう.

文構造は分析力と遂行力をアピールするために「結論」→「状態」→「分析」→「仮定」→「遂行」→「結果」→「まとめ」という構造を選びました.なるべく話の全体像から伝えるためにこの文章構成を選択しています.1文目を読むだけで何をしたのかが伝わり,2文目まで読めば状況が分かります.
答えるべき質問はあくまで「学生時代に力を入れたことは?」です.1文目でこれに答えることでここから先にどんな話が来るのかが大体推測できるようになるので,話を理解してもらいやすくなります

・結論(バイトリーダーとして,売り上げを2倍にしました)
・状態(バイトしている店で,店長に売り上げが上がらないと相談された)
・分析(詳しく聞いてみたところ,若者をターゲットとしているが,若者からの認知度が低いことが判明しました)
・仮定(現状の新聞への折り込みチラシだけでは若者に対するアプローチとして十分ではないと考えました)
・遂行(そこで若者への集客効果が期待されるSNSや大学内でのビラ活動を実施しました)
・結果(その結果,若者の利用率が増加し売り上げが2倍にすることができました)
・まとめ(この経験を活かし,貴社で〇〇をしたいです./この経験は,貴社での〇〇という仕事に生かせると考えています/このことから,〇〇を学ぶことが出来ました)

こんな感じでしょうか.この話は「大学時代に頑張ったこと」でありながら,自分は会社の求めている「遂行力のある人間である」ことが分かります.さらには「分析力という長所」もアピールできています.

※マスターと子供のころから仲良くしていて店に愛着があったという話は文字数に余裕がなければ無理に書く必要はないと判断したので載せていません.面接ではこの話もできるように練習しておくといいでしょう

こうやって1つの話の中にアピールポイントを盛り込みつつ,流れはフレームワークを使うことできれいに整えるという作文技術が求められるのが就活の文章なのかなーと思ってます.

それ以外の質問へのフレームワーク

・入社してやりたいことは?

「結論」→「そう思った体験」→「なぜ御社でなければならないか」→「なぜ私がそれをやるのか」→「まとめ」

「将来の夢」が「会社のビジョン」にマッチしているかどうかを伝えるのが第一で,その次にその夢が嘘でないことを原体験を見せることで裏付ける.最後に確実に採用してもらえるように自分を採用すべき理由を書くことでダメ押し,というフレームワークをよく使ってました.

※面接では10年後にどんな部署でどんな仕事をしたいかの具体的なプランを語れるようにしておく(OBOGに話を詳しく聞いておく)と,会社に入ってからギャップを感じでやめにくいことをアピールできる

・就活の軸は?

「結論(3つの軸があります.1つ目は~)」→「自分が将来やりたいこと」→「そのために必要な要素」→「それぞれをすべて鑑みると御社になりました」→「機械系という異分子の自分がIT企業に入社することでどんな変化を起こせるか(ダメ押し)」→「まとめ」

業界から話し始めるとつまらないので,差別化のためにちょっと変なフレームワークを使っていました.
自分がやりたいことを話して,それをいくつかの軸に分解する.それを掛け算するとほら御社しかないでしょ?という話し方をすると説得力がありつつプレゼンがうまい人に見えるかな,とか考えてました.
最後にダメ押しで自己アピールを忍ばせてました.

・最近気になる技術は?

「結論(最近気になる技術は~です)」→「その技術の簡単な説明」→「この技術がいま注目されているのはなぜか」→「この技術は世界をどう変えるか」→「まとめ」

これは普通は聞かれないと思うけど,なぜか割と聞かれたので書いておきます.
こういう専門的な要素を含む質問はかみ砕いて説明する力が問われると感じたので,なるべく簡単な言葉を使うことと,その技術の詳細な部分よりそれを使うことで世界がどう変わるかというワクワクを伝えることを重視しました.

結論:大切なのは中身.それを支えるのが文構造

再度結論ですが,まずは会社のことをよく知って,自分が将来どういう人間になりたいのかを知りましょう.そのうえでその視点から自分がやってきたことを振り返って面接官に自分らしさを伝えていきましょう.


おまけ:その他飛び道具的なテクニック

「御社の製品,そんなもんじゃないですよ」

数あるフレームワークの中で一番好きだったのがこれ.「事業提案型エントリーシート」って呼んでました.

例:貴社の〇〇事業がめっちゃすごいんだけど,さらなるポテンシャルを持っている領域だと考えている.なぜなら〇〇で,〇〇だからである.つまり〇〇として応用可能で,これはめっちゃすごい.だから私は貴社に入社後〇〇して〇〇したい.

・事業がすごい(=具体的な製品名を出せば企業理解,企業への志望度の高さが伝わる)
・しかもさらなるポテンシャルを持っている(=企業理解,圧倒的熱意)
・すなわち〇〇として利用可能である(=独自の視点,入社後やりたいことが非常に明確)
・そのために入社後〇〇して〇〇したい(=根拠を持った明確なキャリアプラン)

面接で求められるすべての要素が入っていて,しかもビジネスの視点から話せる人間であることがアピールできる.これは貴重(なはず).僕は理系だったので,ほかの設問を技術に寄せて書いておけばビジネスの視点を持ちつつ技術もすごいスーパー人間であることも主張できるかも?とおもったのでほかの設問もこれに合わせて調整してました.

また相手の技術を相手にプレゼンするようなものだからべた褒めしながら熱意もアピールできるのも大きな魅力です.御社の製品には御社も気づいていない素晴らしいポテンシャルが眠っているんですよなんてプレゼンしてくる学生世の中にいますか?

ただし大きなデメリットとしてここで提案する事業プランが実在するor会社の方針と合っていない場合すべての発言が説得力を失います.なのでOB訪問をして事前にすり合わせておくか失敗してもOKな会社で実行してください.

逆質問を制すものは面接を制す

面接の最後に,「なにか聞いておきたいことはありますか?」という時間がある.この時間に福利厚生について聞いてはいけません.もう一度言います.この時間に福利厚生については絶対に聞いてはいけません

裏技的な話をするなら,この時間は自分の会社理解度のアピールのために使うのが得策です.この時間に聞ける質問はせいぜい3つしかないから,そのうちの1つをいつでも聞ける福利厚生に使うのは非常にもったいないです.残業は多いですか~?ってなんだその質問は.そういうのは事前にOBに確認しておいて,面接では面接でしか聞けないことを聞くのが良いと思います.

この限られた時間でやるべきことは4つあります

1. 会社について調べてきているというアピール(企業理解,と呼ばれます)
2. 自分は会社の社風と非常に合っているというアピール
3. 自分は意欲的でやる気がある学生である,というアピール
4. 偉い人に楽しそうにしゃべらせる(いわゆるヨイショ)

例えば,「御社が最近リリースした〇〇という製品は〇〇という今までにない切り口で設計されていますが,この設計にはやはり苦労されたのでしょうか」とかは会社をよく知っている学生にしかできない良い質問です.これは①④を満たしています.

「若手のうちからいろいろなチャレンジをしてみたいと考えているのですが,御社にはそういうチャレンジを受け入れる空気はあるんでしょうか」.これも絶対聞いてました.ない会社には落とされるかもしれませんがそういうところにはどの道いかないかなと思っていたのと,チャレンジを受け入れる空気がある会社には意欲がある学生だと思ってもらえるから一石二鳥かなーと.

④だけ要素として異質ですが,人は過去の体験を偉そうに語ることで気持ちよくなる生き物なので,面接官に気持ちよく面接を終わらせることで内定取得率を少しでも上げておくという高等テクニックです...


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