こんな夜更けに映画かよ~始まった連休と終わらない状況
どこにも行けず、映画を映画館で観ることもできない今だからこそ。お家でゆっくり見たい映画を紹介するエッセイ。おうち時間の参考になれば幸いです。
29日から5月6日までの大型連休が始まった。だけど何処にも行くことが出来ない。ぴえん。
しかし私自身は、仕事に多少支障はあるものの、ほとんどこれまでと変わらない生活ができている。ありがたい。
SNSを開けば、生活が一変してしまった人の情報が溢れている。誰もがいつ、その状況になるか分からない時代に突入した。世界は確実に変わったのだと痛感する。
たとえ今は仕事が出来ていても、ある日突然仕事が出来なくなったとしたら。社会のセーフティーネットを頼らざるを得なくなる。
その時が来ても良いように、きちんと仕事をして、けして多くはないけれど税金も納めてきた。だけど社会は本当に私を助けてくれるのだろうか。漠然とした知識で何となく、そう信じているだけではないだろうか。
『わたしは、ダニエル・ブレイク』を観ながらそんなことを考えていた。
この映画に出てくるダニエルは、どこにでもいるおじいちゃんだ。ただ大工仕事一筋で生きてきて、心臓病で医者から仕事を止められているだけ。それだけなのに、彼はじりじりと追い詰められていく。
イギリスが舞台の映画なのに、どうも他人事とは思えない。彼を苦しめたのは役所の人か? 警察か? それとも目には見えない”誰か”なのだろうか。
彼はは粗暴だから自業自得、と考える人もいるかもしれない。でも果たして本当にそうだろうか。誰だって怒る一面もあれば、困っている人を助けてあげる一面もある。
社会の歪を描き出すこの映画は、今までは限られた人の心にしか届かなかったかもしれない。だけど状況が変わった世界線の今なら、多くの人の心に届くと思う。いや、届いてほしい。
「人生は変えられる。隣の誰かを助けるだけで。」
状況が変わった世界線でも大切にしたい全てが、この映画に詰まっている。
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5月6日をひとつの区切りという雰囲気がある。連休は始まったばかりだが、連休が終わった後の状況を考える。これ以上何も変わらないといいな。
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