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14歳に伝えたい「仕事の選択肢」

今、うちには中学2年生の娘がいます。
中学2年生といえば、私が住む兵庫県では「トライやるウイーク」という街ぐるみのお仕事体験がある学年で(今年は残念ながら中止になってしまいましたが)、そろそろ将来について考え始めるお年頃。

これまでの仕事のあり方が大きく変わっている今だからこそ、いろんな選択肢があるということを知って欲しいし、将来を考えるにあたって今まさにそれを知って欲しい時期。

ただ娘に「いろんな仕事の選択肢があるんだよ」と伝えてはいるんですが・・・如何せん家族だとどうしても話半分に聞かれてしまうんですよね。

おそらく信頼できる第三者から話すと違うんだろうなあ・・と思いつつ。
私がひょっとしたら誰かのおせっかいおばちゃんになれるかも?と思い、独り言のようにこのブログにしたためることにしました。

みんなが知っている「職業」はほんの一部に過ぎない

たとえば、スーパーで売っているお菓子。
このお菓子に関わる仕事、どんなものが浮かびますか?
おそらくこの辺りが浮かぶ人が多いのではないでしょうか。

・商品開発する人
・工場で作る人
・スーパーまで配送する人
・スーパーで売る人

でも実際には、

一つの商品に関わる仕事

●商品を作る人
・製造(商品を作る人)
・仕入(材料を調達)
 →材料メーカー
  営業(材料を使ってくださいとアピールする人)
  製造(材料を作る人)
  材料自体を製造する人(農家など)
・品質管理(製品を検査・チェック)
・在庫管理(製造する数量を調整する)
・パッケージデザイン
・パッケージの印刷

●商品を生み出す人
・マーケティング(消費者が欲しい商品を調査)
・商品企画(どんな商品を作るか?を企画)
・商品開発( 味や原材料、形状などを決めていく)

●商品をアピールする人
・広報(新商品の情報などを社外に知らせる)
・PR(商品のアピール方法を考える)
・広告(新聞、テレビ、取材)
・イメージタレント
・CM制作
・Webサイト制作
・パンフレット等制作

●商品を売り込む人
・営業(スーパーなどにうちの商品を置いてください、とアピール)

●商品を運ぶ人(運送会社)
・配送
・卸管理(どこにどれくらいの数量を運ぶかなどを管理)

●商品販売する人(スーパーや小売店など)
・商品仕入(どの商品をどれくらいの数量仕入れるか決める)
・広告宣伝(折込チラシ、POPの作成など)
・販売
・在庫管理(どれくらいの数量売れたか、残り数などを管理)

●会社を支える人
・経営者(会社全体を仕切る人)
・人事(働く人を採用・管理する、お給料の計算なども)
 →働く人を紹介する職業(人材紹介、人材派遣)
 →労務管理など(社労士)
・総務(会社に関わる事務作業)
・経理・財務(売上やかかったお金などを計算し管理)
 →税金に関するアドバイス等(税理士)
 →全般に関するアドバイス等(会計士) 
 →資金の管理や調達に関すること(銀行)
・法務(売り出す商品が法律を守っているかチェック)
 →アドバイス(弁護士)

●システムを作る人
・工場の機械(製造、チェック、梱包など)
・在庫管理などのシステム など

ざっと挙げただけでもこんなに色々とあるんですよね。
そしてここに書いてあるのはほんの一部で、おそらくもっといろんな関わり方をしている人がいるはずです。たとえばイメージモデルさんにはマネージャーやスタイリストさんがついていて・・といった感じで。

要するに「一つの商品」に関する仕事は色々あって、いろんな関わり方があるのです
ぜひ皆さんの保護者の方にも「どんなことに関わっている仕事?」と聞いてみてください。

なくなる職業もある、でも新しくできる職業もある

緊急事態宣言などの影響で、飲食店や旅行業、航空会社などの経営が厳しいということは皆さんもおそらくニュースなどをみて理解しているのではないかと思います。
でもおそらく旅行も飲食も航空も、つい2年くらい前まではこんな事態になるとは誰も予測していなかったのではないでしょうか。
(実際にはこれらの職業はなくなるわけではなくコロナが収束したら、ある程度復活するとは思いますが・・・)

またここ数年でAIに置き換えられてきているお仕事もたくさんあります。
たとえばスーパーのレジのお仕事は、セルフレジが出てきていますし、お店を出ると同時にスマホで自動決済ができるように、という流れもあるので、今後減っていくと言われています。

逆に新しく生まれているお仕事もあります。
たとえば私のお仕事「Webディレクター(ホームページを作るお仕事)」は、私が中学生の時にはそもそもホームページもなく、存在しなかったお仕事ですが。
30年経った今ではどの会社も1つはホームページを持っており、一般的なお仕事となっています。

というわけで、今どんなお仕事があるか?必要とされているか?というところを考えるのも、職業選びの大きなポイントです。

なくなる職業と新しくできる職業の違いって?

前章で「なくなる職業と新しくできる職業」という話をしましたが。
この違いって何だと思いますか?

1番の大きな違いは、「お金を払ってくれる人がいるかどうか」。
旅行も飲食も必要とされながらも緊急事態宣言で、そもそもお客様にきてもらえないという状況だから厳しいんですよね・・・。

逆に、Youtuberは皆さんがみたいと思っているコンテンツを彼らがどんどん配信していて、そこに広告を出して欲しい!とお金を払う企業がいるからこそ成り立っている職業ですよね。

また学校の先生(公立)や公務員のように、お客様からお金を支払っていただくのではなく、国や自治体が必要と判断して税金から報酬が支払われる職業もあります。

夢は破れることもある。そのときどうする?

おそらく皆さんの中には「自分には夢がある」という人も多いと思います。
たとえば野球選手になりたいと一生懸命に練習に励んでいる人など。
一生懸命に何かに取り組むことは素晴らしいし、ぜひ応援したい!
ただプロ野球選手になれる人は一握りであり、さらにその中で一軍で活躍できる人はさらに一握りというとても厳しい世界。
それに怪我で急にできなくなるというリスクもある。

もしその夢が叶わないとわかったとき・・・。
「野球選手」という職業しか知らないと、これまでの努力がすべて無駄になってしまうような絶望的な気持ちになってしまうと思いますが。
野球選手でなくても、審判や取材記者、コーチ、トレーナーなどこれまでの野球経験を活かせる仕事は探せばいくらでもあります。
また一人の野球選手が活躍する裏にはたくさんのサポートする人がいます。
だから夢は違う形でも実現できる、ということも知っておいて欲しいなと。
まずは活躍の裏で支えている人にはどんな人たちがいるんだろう?というのを考えてみるのもとても良いと思います!

まだ夢がない人はどうする?

逆に「まだなりたい職業が見つかっていない」という人もおそらく多いのではないでしょうか。

そういう人は、まずは今のうちに勉強を頑張ってみて欲しい!

無料(※公立の場合)でこんなに勉強の機会を与えてもらえるのは今だけです。大人になると自分で学費を払わなければなりませんし、働いているとなかなか時間も取れません。

また将来やりたいことが見つかった時、職業によっては「大学卒業」など学歴が条件に含まれる場合もあります(身近なところだと学校の先生もそうですね)。
そのときに大学進学から始めるのと、すでに進学・卒業しているのとでは全然違いますよね。
もちろん勉強が全てではないですが、勉強をしておくと確実に将来選べる職業の選択肢は広がります。

それでも「どうしても勉強に身が入らない」という人は。
部活を頑張ったり夢中になれるものを見つけるのもいいと思います!
何かを頑張った経験は必ずどこかでいきてくるので(^^)

まだまだ知らない世界はたくさんある!

皆さんが知っている世界はまだまだ小さく、皆さんが思う以上に社会にはいろんな世界が広がっています。
(これを書いている私自身もまだまだ知らない世界がたくさんあると思っています)

だからこそ。
「私にはこれしかない」と考えを狭めず、これからいろんな発見をして欲しいなと思っています!

<余談>報酬ゼロの職業もある

365日休みなし、残業多め、報酬0円、ボーナス0円。
この職業、何だと思いますか?

正解は、家事労働です。

報酬にはつながらないけれど、家庭を支えていくにあたってとても大事な仕事。家事と育児、両方こなしている場合、年収に換算すると約600万円にものぼるとも言われています。かなり大きな金額ですよね・・!
kajiry 「家事労働をお金に換算するといくら?」参照)

だからこそ皆さんには保護者の方が家事などをしていることを「当たり前」と思わず、感謝の気持ちを持って欲しいなと思っています。
また「手伝おうか?」という気持ちを持ってもらえるとうれしいです。


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