見出し画像

イルミネーション

少し前に、息子が部活の大会で他県に行っていた。
数日間、宿泊ありで。

息子は、疲れから少し体調を崩していたので、私はそれが気がかりで、写真を撮れたら送ってねと言って送り出した。
友達と一緒に楽しそうに写っている写真を見たら、安心できる…だからそういうのを、期待してた。

でも息子が送って寄越すのは、街のクリスマスのイルミネーションばかり。
止まったホテルのロビーのツリーとか。

うん、もうわかったよ。
キレイだね。

でもね、お母さん、イルミネーションじゃなくて、あなたが見たいのよ。体調崩してないか、心配しているの。
ねぇ、元気なの?
具合悪くないの?

何か写真、撮りなさいよ。
それで、母に送りなさいよ。
知らぬ街のイルミネーションなんぞ、どうでもいいんだけど。
そんな悪態が、口をついて出る。

まぁでも、自撮りして母に送る高校生男子なんて居ないか。
イルミネーションを綺麗だと感じて写真を撮るくらいには、元気だということだろう。

気を取り直して、今度はまじまじとイルミネーションの写真を見つめる。

…青い光が、好きなんだね。

息子が何を思って、何枚も青いイルミネーションの写真を送って寄越すのか、わからないけれど。

とりあえず、今の息子にとっては、切り取っておきたい何かなんだろう。

遠い街の青いキラキラを、私も保存した。


このnoteにいただいたサポートは、他の方のサポートや、良い記事を書くための投資に使わせていただきます。