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【美術】アーティゾン美術館 開館記念展に行った

 2020年1月にリニューアルオープンしたアーティゾン美術館の開館記念展に行きました。全美術好きに、いや美術にさほど興味のない方にもお勧めしたい展覧会でしたので、早速レポートしていきます!

概要

主題 開館記念展
   「見えてくる光景 コレクションの現在地」
場所 アーティゾン美術館(東京都)
期間 2020年1月18日〜3月31日

 もとはブリジストン美術館という名前だった美術館が、約5年かけて全く新しい最新の美術館に生まれ変わり、開館記念の覧会を行っています。この美術館自体がとても素敵な場所になっていたのですが、そのことはまた別のノートに書くとして、今回は開館記念展のことのみ書きます。

圧巻のボリューム!

 特筆すべきは展示の多さで、その数なんと206点! 通常の企画展の展示数が大体60~100点前後ということを踏まえると、その多さがお分かりいただけるかと思います。実際に見て回ってもすごいボリュームで、アートでお腹いっぱいになりました。駆け足で見ても、すべての作品を見るのに1時間30分ほどかかりました。残念なのはボリュームが多すぎて、途中で少し集中力が切れてしまったことです。3時間ほど観覧時間を見積もっておくか、余裕のある方は2回訪れることをお勧めします。ざっと見てしまうにはもったいないです。

クオリティもすごい

 驚かされるのは量だけではありません。その質も非常に高かったです。近現代美術を中心に、国内外問わず多数の名画が集結しております。誰もが知っているモネの睡蓮もあれば、これまで名前を聞いたこともない画家さんの作品もたくさんありました。 
 また、絵画以外の芸術品も多数展示されておりました。第二部では古代エジプト時代のレリーフや彫像の展示もあり、石橋財団のコレクションの 深さを感じることができました。
 新収蔵品の目玉の一つとして、洛中洛外図屏風の展示がありました。私は高校生の時日本史を勉強したので、本物の洛中洛外図屏風が見られて感動しました 。また別のnoteでも書きたいのですが、この展覧会は写真撮影ができるため、気に入った作品を記憶にも記録にも残せます。

モダンアートの魅力

 ここからは私がこの展覧会に行って得たものについて書きます。まず、モダンアートの魅力を少しわかることができました。モダンアートはら何を描いているかはっきりとしない、見るものに解釈が委ねられています。中には全然理解もできない美しいとも思えないものもあり、というかそういうものばかりというイメージがあり、これまでモダンアートを積極的に見ていませんでした。が、この展覧会で多数のモダンアートに触れ、絵の具の質感や材質をうまく使って作品を作っているものなんかは、私のような素人でも、なんとなくいいなぁなどと思いながら 見て回ることができました。今後はもう少しモダンアートにも注目してみたいなと思います。写真はお気に入りの1枚。何を描いたんだかわかりませんが、色数を抑えてありシンプルでかっこよかったのと、絵の具をすごく厚くしてある部分の立体感がおもしろいなと思いました。

彫刻の魅力

 この展覧会で彫刻も面白いなと思いました。今まで彫刻を熱心に見たことはなかったのですが、この展覧会で一気に色々な時代の彫刻を見て、時代によって彫刻の現すものが全く違ったのが面白かったです。例えばこちらは古代ギリシャ時代の彫刻です。ちなみにこの彫像はコレクション外で展示されていたものですが、文句なしに美しいですね。

それに対してこちらの写真は、20世紀に作られた彫刻です。

 タイトルは三美神。三美神といえば、 ボッティチェリの名画春の中に登場する 3人の女神が思い起こされますが...

 現代の 彫刻家が此の女神たちを表現するとこのように表されるのか、と斬新に思いました。このように対比しながら見るとに面白く感じ、もう少し彫刻の展示を熱心に見たいなと思いました。以前、箱根彫刻の森美術館に行った時はあまり面白さに気づけなかったのですが、今行ってみるとまた違った感じ方ができるかもしれません。
 余談ですが展示の第二部で、芸術の役割を解説したいくつかの文章の中で特に気に入ったものを載せておきます。人は聖なるものにも、俗なるものにも惹かれる。そこに美術の面白さがある。素敵な文章だなと感じました。

まとめ

 とにかく美術品の量と質が圧倒的です。アートが好きな人はもちろん、ちょっと美術館に行ってみたいなという人も是非訪問をお勧めします!ここで展示されている206点を見ると、自分の好みが少し分かると思います。また、ここまでのボリュームで石橋財団のコレクションを一気に見られることはもうそうそうないかもしれないので、とにかく一度是非行ってみてください!私も機会があればもう一度行きたいのです。あまりに良かったので当日は買わなかった図録を、後日、美術館の近くで働いている友人に代理購入をお願いしたぐらいです。

以上

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