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天王洲アイル探訪記3 WHAT

「天王洲アイル」を訪れた記録の第3弾です。
今回は「WHAT」についてです。

WHAT とは

WHAT とは、寺田倉庫さんがオープンさせた「コレクターズミュージアム」です。「WAREHOUSE OF ART TERRADA」のアルファベットを取り「WHAT」と呼んでいるとのこと。

一般の美術館のように財団や自治体が集めた作品ではなく、あくまでコレクター個人の所蔵品を展示するというのが特徴的なポイントです。一般の美術館以上に、集まった作品に個性が現れたり、一般の美術館にはまだおさまっていない、「活きのいい」作品が見られそうなイメージでした。

なんと12月12日にオープンしたばかりです。サイトもかっこいい。

解き放たれたコレクション展

今回訪れたのは「—INSIDE THE COLLECTOR’S VAULT, VOL.1—解き放たれたコレクション展」です。高橋龍太郎さんとAさん(匿名?)のコレクター2名が集めた作品が展示されていました。

高橋龍太郎さんは有名なコレクターのようで、所蔵品で巡回展を企画されたり、下のような本も出されていました。全然知らなかった・・・

館内は一部作品を除き撮影が可能でしたので、気に入った作品を記録しておきます。

高橋龍太郎さんのコレクション

まずこちら、水戸部七絵さんの「DEPTH」という作品。

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ものすごい立体感のある作品です。比較対象がないんで分かりづらいですが、結構大きいです。作品リストによると204cm×172cm×90cmでした。

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横から見ると盛り上がりがすごいです。
私には山のようにも、動物の鼻のようにも見えました。盛り上がりの中身は何なんでしょう。

また、不思議な感じのするこちらの作品。川内理香子さんの「Forest of the night」

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色合いがすごく素敵だなーと思い見入っていると、同じ色で脳等、臓器の図形や犬の顔が書いてあったりして、謎です・・・。何を表現したいのか全くわかりません。でもキレイ。

次は梅沢和木さんの「ジェノサイドの軌跡」。これは結構、自分としては落としどころがつけやすい作品でした。

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見た目は抽象絵画っぽくて、これもやはり、遠くから見ると色合いが綺麗だなと思っていました。どこがジェノサイドなのか、と近づいてみると・・・

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アニメ顔らしきものが見え隠れするのがわかりますでしょうか。実は全面がこんな感じで、何かが塗りつぶされていました。塗りつぶすこと=ジェノサイドなのかな?みたいな・・・違うかもしれませんが。

他にもおもしろい作品、素敵な作品、ナニコレ?と思ってしまう作品が展示されており、おもちゃ箱の中をのぞいているような感覚になりました。

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Aさんのコレクション

Aさんのコレクションはわかりやすく、全てが奈良美智さんの作品でした。奈良さんの作品がお好きで、ずっと前から集めていらっしゃるようでした。

私自身は奈良さんの作品をまじまじと見るのはこの日が初めてで、女の子のモチーフを多用されていることくらいしか知りませんでした。

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女の子の絵たちはあまりにも有名なので、それ以外に良いなと思った作品たちがこちらです。

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こんな感じで、浮世絵に直接自分の絵を描きこんだ作品が多数展示されていました。浮世絵のパロディみたいのは見たことがありますが、浮世絵に自分の絵を直接融合させていくのは面白かったです。しかも調和させようともしておらず、あくまで奈良美智さんの作風で書きこんでいるのが新鮮でした。

あとはこちらの作品です。

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これも、何を表現しているのか、表現したいのかは理解しきれていないのですが、家にこれ飾ったらかわいいなあと思える、心癒される作品でした。(でも値段はきっとかわいくない・・・というか買えない)

コレクターズミュージアムの可能性

このコレクターズミュージアム、とても良いな!と思いました。
美術館のように名作の展示もいいのですが、このような新しい作品、しかも自分が知りもしなかった作品に出会える機会が持てるのは素晴らしいです。一般市民の自分はアートを集めるのも経済的に厳しいし、買えもしないのに画廊に行く勇気も出ないので、こうして展示をしてくださると堂々と身に行けるのがありがたいなと思いました。

ふりかえれば、今は評価が定着している印象派やピカソ等、超有名どころも、作品が産まれた当初はこのように、コレクターさんや画商等、「個人」が才能を見出したことで、作品の価値があがっていったんですよね。

もしかしたらこれらの作品も、何年、何十年と後にはすごく有名なものになっているかも?なんてミーハー心を持って、でも楽しみつつ、展示を見て回ることができました。

ほかに「謳う建築展」というのもやっていました。
詩人が建築物を訪れて、そこから得たインスピレーションを基に作った詩と、その建築の模型や図面が並べて展示してあるというものです。

すみません、私は魅力を楽しめませんでしたが、コンセプトじたいは面白いなと思えましたので、きっとハマる人にはハマるでしょう。

さらに今回は、これらの展覧会に加えて「模型保管庫」の見学なるものにも行ってきました。この模型保管庫がすごくて、行ってよかったです。
また続きます。

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