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試されるかいぬし

 野生のコザクラインコは、アフリカの高地で暮らしているという。

 アフリカの鳥というので、もっと瑞々しい、極彩色の森で暮らしているのかと思っていたので、初めてそうと知った時は、なかなか衝撃的だった。しかし気性の荒いコザクラインコには、厳しい環境がよく似合っている気がする。

 画像検索をすると、サボテンに穴を開けたり、太い木の幹をほじくって巣穴を作る、グリーンのボディに赤いハチマキのノーマルカラーのコザクラインコの、たくましくも美しい姿を見ることが出来る。

 そんなに硬いものをかじることが出来るのだから、噛まれたら痛いのは当然だ、と妙に納得してしまう。

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 納得はするけれども、噛まれてもよいという訳ではないので、もちろん「噛んではいけない」ということは真っ先に教えた。
 きみちゃんはとても頭がいいので、すぐに理解してくれた。
(※実際には3ヶ月くらいかかっているが…)

 本気で噛まれると、一瞬で血がにじむ。幸い、小型のインコなので、指を食いちぎられることはないが、一瞬、「あ、指なくなった…」と思う程度には痛い。

 噛んではいけないということが分かっているくせに、時々、強めに噛むことがある。私はそれを、きみちゃんに試されているのだと思っている。

 このくらいは噛んでもいいかな?ここまでは許されるかな?と、定期的に確認作業をしているような気がする。

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 実は、「甘噛み」か「本気噛み」かの境界線を明確に引くことは、案外難しいものがある。

 お遊びで甘噛みしていて、興奮して強めに噛んでしまった、が、それもまた遊びの延長で…ということもある。

 だから、噛まれて痛かった時、怒るべきか否か、を迷うシーンが時々あるのだが、「痛い」と言うと力を弱めてくれたり、噛むのをやめてくれたりして、言うとほぼ確実に伝わるので、やはり言うべきことは言わなくてはならないのだと思う。

 可愛くて美しくて賢くて、鳥さんは本当に素晴らしいとしか言いようがない。

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