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オペラがおいしい、楽しい。

歌劇のほうではありません。チョコレートケーキの話です。

「オペラ」は、ダロワイヨの名物ケーキとして有名な直方体のチョコレートケーキで、チョコレート系の生地を何層にも重ねて作ったものを指します。

厳密には使う洋酒や層の素材にも決まりがあるようなのですが、まあ食べる側としてはあまり気にならないので深堀りしません。名前の認知度もそう高くないので、別の名前がついていることもあるでしょう。今日食べたのも「オペラ」とは呼べないかもしれないけど大目に見てほしい。


このオペラ、名前からしておしゃれで、見た目も端正で美しいのですが、きれいに食べるのはなかなか難儀です。重層構造なので、ケーキのはしをちょっとフォークで取ろうにも、層がひっかかってきれいに取れないし、中の生地がボロボロこぼれたりする。

端正な見た目のまま上品にいただきたいと思うのですが、私はうまくいったためしがありません。あきらめましょう。「見た目より中身」ということで、上品な味わいを楽しむことに集中します。


さて、いよいよ味わい方について。オペラをなす生地の層はたいてい複数の種類があるため、外側のコーティング(あれば)を含め、フォークですくいとった部位に応じて微妙に味わいが変化します。これを利用して、取る部位を意識したり、こぼれた生地を足してみたりして味わいを変えていきます。これが楽しい。

おすすめは、最初のひとさじで、ケーキのはしを縦に切り取ること。ようかんを切るようなイメージ。これで層が一望でき、どの部位がどんな風味かを探ることができます。始めての店の場合はこれをやると、その店のオペラの特徴をつかみやすかったりします。

こうやって細かくやっていますが、別に使ってる素材とかはわからなくていいんです(素人には無茶です)。自己満足の世界、というと聞こえが悪いですが、いま自分がオペラを満喫するための儀式くらいの位置づけです。

ところでこのケーキは、濃厚なチョコレートを使っているため脂質・糖質ともに申し分なく(いい意味でも悪い意味でも)、非常にコーヒーとの相性がいいです。細かく部位を検討していく中で、コーヒーを口に含んだ時の印象も加味していくとなおさら楽しくなります。「最初にこの風味がコーヒーとぶつかって……あー、この風味がコーヒーと混ざった後も残る……これ好き……」みたいな。


楽しくないですか?

え、きもちわるい?
まあまあ、そう言わず機会があったらやってみてください。目の前のおいしさに没入できると満足度高いと思います。それと、食べたあとに軽い運動をすると罪悪感も減ってなおよいですよ(摂取カロリーは減りません)。さあオペラを満喫しましょう!


※オペラには洋酒が多く使用されている場合があるので、運転を控えている際などはご注意ください。


興味をもっていただきありがとうございます。