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【ウェビナー振り返り】コロナ禍×地方×ブランディングを再構築する。~第1講座編~

こんにちは、桜井です。

9月16日に実施したウェビナー「コロナ禍×地方×ブランディングを再構築する。」についてお話したことを簡単に振り返ってみます。

第1講座、第2講座と分かれているため、本日は前半部分の第1講座について振り返ってみたいと思います。

当日の資料もPDFでDLできるようにしてありますので、気になった方はお気軽にどうぞ~。

※第2講座note作成しました!(2020年9月20日)


テーマは「地方×ブランディングの再構築」

テーマはずばり、地方×ブランディングの再構築。

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少し前に地方の“エセ”ブランディングについてnote内で、地方に蔓延る「それっぽいブランディング」「なぜそれっぽいブランディングがまかり通ってしまうのか」について書きました。

図2

↑がそれっぽいブランディング例なのですが、どうしてこんなことが起こってしまうかと言うと、以下のような理由ではないかと思っています。

・マスメディアの力(広告の力)と自分たちの提案力(効果・成果がある)が混合している

・これまで、ブランドづくりはメディアを売るための手段にしか使っていなかった(ブランドを軽視している)

・クライアント側が費用対効果についての知識が少なく(なく)、あまり問われなかったので大事だと思っていない

・昨今のSNS(≒UGC)、SDGs、LGBTなどのトレンドについていけず、本質的な理解(なぜブランドづくりが大事なのか)がわかっていない(でも誰に聞けばいいかわからない・・・)

そこで地方でのブランドづくりを考える際に私なりの方法をまとめてみました。

カリキュラムの前半はブランディングとはそもそもなにか?そして、後半に地方×ブランディング事例を紹介をしました。

図3


ブランディングとはどう思われたいかを決めることから始まる

マーケティング・ブランディングを学んでいる人なら誰しもが分かっていることだと思うのですが、シンプルな話、「企業(ブランド側)が消費者に対してどう思われたいか?」を決めることから、ブランドづくりは始まるのだと思っています。

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飲食店を例に出すと、「特別感のあるお店と思われたい」にもかかわらず、それ以外(ファミリー向け・リーズナブル)を「価値」としてお店に来てくれる消費者とどう付き合っていくか?ということです。

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ブランディングには一貫性が求められる

ブランディングとはかっこいいロゴやサイト、パンフレットをつくることだけではなく、以下の挙げているように様々な要素を含んでいます。

消費者には見えない「リサーチ・データ解析・現地調査」などの現状把握をすることもあれば、消費者に直接アプローチする「広告販促・接客・SNS」もブランディングの一環であると言えます。

つまり消費者の「こう思う!」と企業側の「こう思われたい!」を近づける・一致させる活動のすべてがブランディングである、と考えています。

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飲食店の事例に戻ると、どう思ってもらいたいか?のポジションを決めていく必要があります。ここでは例として「高価格帯でしっとり」「低価格帯でワイワイ」の2軸で考えてみました。

ここでのポイントはポジションはどこか1つに絞った方が差別化しやすく、固定ファンもつきやすい、ということです。

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個人的にはポジションを全方位型にしてターゲティングすると、失客リスクがあると思っています。理由はシンプルで「高価格帯でしっとり」を望む消費者がお店に行って「低価格でワイワイ」している場面を見たときにどう感じるか、理由はお察しの通り「ここのお店は私のイメージと違うかも、、」となるでしょう。

飲食店は無数にあります。「〇〇のお店の◎◎を食べたい・飲みたい」とならない限り、消費者はより自分に合ったお店を探しに離脱するはずです。

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戦略的コンセプトを決める

ここからは私の大好きな足立光さんのマーケティング大原則から戦略的コンセプトの決め方を抜粋してご紹介しようと思います。

戦略的コンセプトとは以下のような内容で構成されています。

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最も重要になるのは、やはり「コンセプト」です。ブランドのコンセプト、製品・サービスのコンセプト、コミュニケーションのコンセプト、イベントのコンセプトなど、コンセプトこそマーケティング活動のすべての中心でしょう。

従来のマーケティングにおいて、コンセプトは「誰に何を提供するか」であると説明されることが多いようです。そして、代表的なコンセプト開発のためのフレームワークといえば「ABC」でしょう。

①ターゲット消費者(Audience)
②消費者便益(benefit)
③説得力のある「信じる理由」(compelling Reason Why)

マーケティング大原則のサマリ―は過去、以下にまとめていますのでまたお時間のあるときにでも・・・。

ここで1989年よりテレビCMをした東海道新幹線の例を紹介します。当時のABCはこちら。

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JR東海の「クリスマス・エクスプレス」の競合は「電話や手紙」と言われています。普通は在来線や車を思い浮かびますが、新幹線が「直接会う」に対して競合は「会わずに声や文面でのやり取り」という点にあります。

消費者の便益として、新幹線のお金を掛けても「相手のぬくもりを感じたい」となるわけですが、そりゃー会えるに越したことはないでしょう!


一方で今年の7月にフルモデルチェンジした「N700S」の訴求内容はどうかというと、「安全性・安定性・快適性・環境性能」。クリスマス・エクスプレスとは真逆の訴求内容です。

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「クリスマス・エクスプレス」と「N700S」では時代背景が異なれば、消費者のニーズも変わっているため一概に良い・悪いの判断はできませんが、戦っているポジションが違うことは一目瞭然だと思います。

クリスマス・エクスプレスが「人と会うため」なのに対し、N700Sは「安全・快適な移動手段」であることが分かります。

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機能か情緒か。どちらを差別化のポイントにしているか。ではどちらを差別化に使用するのがいいのでしょうか?

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機能は「数字」で表されることが多いため、客観的な目線である一方、情緒は「感情・原体験(自分の過去の経験・喜怒哀楽)」から来るものであるため、極めて主観的な目線であると言えます。

数字は客観性が高く、触れる機会が多いように感じます。感情・原体験は自らの主観的な要素が多いため「自分が体験しなければ比較のしようがない」というのが特徴的かな、と思います。比較検討の機会が少ない方が優位性が高い、という観点では情緒性を高めた方がより深く・長く愛してくれる消費者と巡り合える可能性は高いと言えるはずです。

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補足として、マーケティングの大原則ではブランドパーパスを決めることの大事さにも言及しています。

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「このブランドは何のために存在しているのか」「なくなったら何が変わるのか」というブランドの存在意義や提供価値にかかわる問いに対する答えが「ブランドパーパス」です。たとえば、P&Gの「パンパース」のブランドパーパスは「赤ちゃんの笑顔」です。

それは同時に「お母さんの笑顔」を意味しています。つまり、パンパースのマーケティング担当者の仕事は赤ちゃんとお母さんを笑顔にすること、というわけです。

企業担当者だと、「上から降りてきたミッションで」とか「〇億円の収益目標が必達で」などが初めに口から出てしまいそうなことがあると思います。ですが、その言葉を消費者に直接伝えることはできません。

きちんと企業の言葉で、自分たちの言葉で消費者へ提供できる価値を考え、伝えることが大切だと思っています。

ただ、そもそもその意義を持っていない、考えてたことのない人がいることも事実。であれば、意義をつくることから始めてみるといいと思います。


第1講座:最後に

ここまでブランディングとはそもそもなにか?についてまとめてみました。でもブランディングってなんかふわっとしてるように感じ人も多いと思います。

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だからこそ、ブランドづくりが進んでいるかどうかは「定量化」していく必要があると考えています。

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第2講座ではブランディングをどのように定量化させていくか?について考えて行きたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
第2講座へつづく。 


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