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【TED】#6 What really matters at the end of life

TEDの閲覧記録です。今回の動画はこちら↓(19分07秒,2015年3月)

▶︎ 結論

死に向けたデザインをすることで,『死ぬからこそ』より良く生きることができる。

▶︎ 内容と学び

① 医療現場における終末期の現状

スピーカーは大学 2 年生の時に片手と両足を失い,その日の晩から『自分の死』との付き合いが始まりました。

良いか悪いかはさておき,現在の医療や病院は本質的に人のためではなく,病気のためにデザインされています。 

病院は急性の外傷や治療可能な病気を扱う場所であり,人間らしく人生を過ごし,死にゆく場所ではありません。

病院はそのようにデザインされていないのです。

② 終末(死)をデザインするという考え方

終末期において大半の人が恐れているのは,『死そのもの』ではなく,『死によって苦しめられること』です。

今の医療現場のデザインは,患者を病室や治療に縛りつけ,(意図せずして)『生の感覚』から遠ざけることによって,非常に多くの苦痛を不要に生み出しています。

この現状は,デザイン思考を取り入れることで変えることができます。

つまり,死を迎い入れる際に,意図と創造性をそこに持ち込むのです。

③ 死を間近に控えた人にとって大切なこと

研究治験に基づくと,死を間近に控えた人々にとって最も大切なことは,穏やかな心です。

重荷がなく,愛しい人にも負担をかけない実存的平穏,そして驚嘆とスピリチュアリティの感覚です。

感覚に訴える美的な満足が重要であり,その瞬間,ほんの一瞬の間,私たちはただ存在しているだけで報われると感じることができるのです。

その多くは結局のところ,感覚によって,そして身体によって自分の時間を愛おしむことです。

まさにこれが生きること,死にゆくことなのです。

感覚が生きている限り – たとえ 1 つだけでも − 人間らしく誰かと繋がっていると感じさせてくれるものに少なくともアクセスが可能です。

④ 死をデザインするための糸口

不必要な苦しみをシステムから除くことが第一のデザインの糸口だとすれば,感覚によって身体という美的な領域によって人としての尊厳を尊重することは,第二のデザインの糸口になります。

第三の糸口は,私たちは視点を上げ,より良い生(Well-being)に目を向ける必要があるということです。

ケアのモデルが患者すなわち人間中心であるとき,ケアという営みは創造的で生産的で,遊び心が満ちたものにさえなるのです。

また,受け入れる余地を作ること,それは生を最後まで全うするための物理的・精神的余地のことです。

それによって,歳を取ることや死にゆくことは単に人生を離脱することではなく,終末のクライマックスに向かう過程になりえます。

死なないで済む方法は現状ありません。死に向けたデザインをしましょう。

『死ぬにもかかわらず』ではなく『死ぬからこそ』,よりよく生きることを学ぶことができるのです。

▶︎ 所感

『より良く生きること』,そして『より良く死を迎えること』の難しさを改めて感じさせられる動画でした。

正直,この動画を受けてもまだ自分の中で答えが見つかっているわけではありません。

患者さんやその家族,その時の環境によって,最適な選択肢(デザイン)は変わってくると思います。

自分がそのような状況に身を置いていないので突き詰めて考えることは難しいですが,少なくとも,思考停止をしてただ目の前にある医療を受け入れるのではなく,自分の『生』にとって何が一番幸せなのかを深く考えることが重要であることを再認識しました。

また,その時を迎えるまでに,健康面や情報収集の観点から,日々準備をしておくことも重要であると思いました。

終末期を含め人生をより良く生きるために,日々の生活を全うしたいと思います。

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