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Makuake実行者対談:雪駄×スニーカー「unda-雲駄-」

こんにちは、Makuake note編集部です。
2回目のnoteでは、実際にMakuakeに挑戦した実行者に登場いただき、プロジェクトの裏話やこれからのことについて、マクアケとの対談形式でお届けします。

まず初回では、今年の「Makuake Award 2019」でGOLD賞も受賞した、【雪駄×スニーカー「unda-雲駄-」】の実行者・goyemonのお二人をご紹介します。

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「unda-雲駄-」は、日本の伝統的な履物である雪駄に、スニーカーのソールを融合させた新しい履物です。

今年2月にMakuakeを開始し、半日で当初用意していたリターンの280足が即完売。急遽、追加生産調整をおこない、最終的にMakuakeでは1480足・2000万円以上の応援購入がありました。
Makuake終了後も多くのメディアやセレクトショップから問い合わせがある、注目のプロダクトです。

そんな「unda-雲駄-」の開発秘話や、goyemonのモノづくりの原点について、goyemon 大西藍さんと武内賢太さんのお二人に、「unda-雲駄-」愛用者でもあるマクアケ代表の中山がお話を伺いました。

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※左から、マクアケ中山、goyemonの大西さんと武内さん。

世の中に無かった「エアクッションが入った雪駄」

中山:雲駄いいですよね。私も応援購入して今日も履いてますし、普段使いで大活躍してくれています。

武内:ありがとうございます、すごく嬉しいです!

中山:お二人は高校時代からの友人で、ずっと一緒にモノづくりをされてきたそうですが、本格的に世の中にお披露目したのはこの「unda-雲駄-」が初めてだったんですよね。ファーストプロダクトを生み出すのって、楽しさだけじゃなく怖さや不安もあったんじゃないですか?

大西:売れないかもしれない、受け入れられないかもしれないという怖さが一番大きかったですね。また、長年雪駄を作ってきたり取り扱ってきたりされた方々からの反感も多少ありました。

武内:毎日Twitterなどで「unda」と検索していたのですが、中には「これは雪駄とは呼ばない」という意見もありました。けれど、それで凹むことはありませんでした。世の中にない新しいものを生み出すって、そういうことだと思うんで。

中山:新しいモノを作っているわけですからね。作ってくれるメーカーさんはどうやって探し出したんですか?

大西:ひたすらインターネットで検索して、デザインイメージを送りました。シンプルにエアクッションに雪駄を乗せた合成画像の。するとだいたい「できません」って言われちゃうんですよね。むしろ、返事が返ってこないことがほとんど。電話をしても「メール見ておきます」で止まっちゃって、撃沈でした。そんな中、奈良県のメーカーさんは少し反応を示してくださったんです。

中山:そのメーカーさんは、何が刺さって目を留めてくれたんでしょうか?

武内:メーカーの方も、雪駄を世の中に普及させたいという考えで、若者向けのデザインのものを作られたりしていたんです。近しいビジョンを持っていらっしゃったので、ご協力いただくことができました。

イメージを形にすることを諦めない

大西:それでも、途中で一度頓挫しそうになったこともありました。雪駄屋さんなので、ソールにエアクッションを入れるのが難しいと。そうして「実現できるもの」の範囲で仕様を変えて行ったら、ちょっとオシャレなだけの雪駄が出来上がってしまって。「あれ、これじゃあただの雪駄じゃん!」って(笑)。紆余曲折ありましたが、ソール部分は弊社協力会社で作ってもらい、それを支給し仕上げてもらうことになりました。発起してから、サンプルがあがってくるまでに実に1年掛かりました。

中山:大変なプロデュースですよね。伝統文化×イノベーションという企画をしたのに、ノンイノベーティブなオシャレ雪駄になってしまったと。それを、もともとのコンセプトに立ち戻って乗り越えたというのがスゴイなと思います。何も知らない人からは「雪駄とエアクッションを掛け合わせただけでしょ」って言われるかもしれないけど、その一文じゃ表せないような苦難だったと思います。

武内:ありがとうございます。見た目も構造もインパクトがある商品を作らないと、Makuakeを実施する上ではサポーターに刺さらないなと。Makuakeのページってサムネイルがずらっと並んでいるので、画像でも伝わる商品のインパクトを出したかったんです。色々なパターンを仮当てしてみて、やはり横向きのエアーが見えるものが良いなと考えていたので、どうしてもエアクッションは入れたかったんです。

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中山:「エアクッションが入った雪駄」って、ワクワクしますしね。「unda-雲駄-」を受け取ったサポーターからはどういった反応がありましたか?

武内:Makuakeの応援コメントやSNSを拝見しましたが、様々な意見がありました。
「思っていたよりも重い」という意見については「軽くして欲しい」という人も居れば「このしっかりとした重さが好き」という人も居て、賛否両論でした。今後の商品開発に活かすためにも、たくさんの反応見れることは、やりがいに繋がります。

goyemonのモノづくりの原点

中山:二人のそうしたモノづくりにおける情熱の原点ってどこにあるんでしょうか。

大西:高校からずっと一緒に創作活動をしてきました。東京都立工芸高等学校というデザイン系の学校なのですが、3年間同じクラスで、部活も一緒で、ほぼ毎日一緒に何か作っていました。

中山:どんなものを作っていたんですか?

武内:アクセサリーとか、一輪挿しとか、色々なものを作りました。課題に対して、自分が作りたいものを自由に作らせてくれるんです。その代わり妥協は許されないというか、最初に描いたイメージをどうしたら形にできるのかを考え抜くことはそこで教えていただきましたね。先生たちも一緒になって考えてくれるんです。

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中山:そうした教えがあったから、「unda-雲駄-」も妥協せずに生み出されたんですね。そこから会社設立に至る。

大西:大学・就職と別々の道を歩んでいたんですが、その間もつるんで遊んでいました。お互いの大学に遊びに行って制作したり、就職してからもずっと「何か一緒にやろう」と話をしたりていて。

武内:10年来、ずっと一緒にモノづくりしてきたので、全てを言葉にしなくても伝わるんですよね。僕は勝手にそれを「テレパシー」って呼んでいるんですけど(笑)。仕事って、数字的な根拠を揃えたり市場の背景を説明したりしないと物事が進まないと思うんですが、大西とは「こういうイメージにしたい」の一言で100%伝わって「やろう!」となる。goyemon設立を決意したのも、この先、こうした感覚を信じてモノづくりをしたいなと思ったからです。

大西:楽しむことが大事なのかなと思っています。方向性でも仕様でも、意思決定するときは「ハイタッチしたらGO」みたいな。そういう楽しさがサポーターの方や消費者にも伝わっているのかなと。

中山:伝わってきました。「伝統を守るんだ!」っていう肩肘張ってる感じじゃなくて、エンジョイしている感じが。「伝統を残したい」という思いだけじゃなくて、価値にフォーカスして新しいものを生み出している所もすごく良いですよね。goyemonの伝統文化×イノベーションというコンセプトはどんな思いから生まれたんですか?

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大西:日本のモノづくりって長く使うための工夫が沢山つまっているんですよね。気候に合うように作られていて、理にかなった知恵や伝統技術の集大成なんです。知れば知るほど面白くて、そこに焦点を当てて発信して行きたいなと思ったんです。

武内:例えば雪駄って左右形が一緒なので、定期的に左右を交換して履く事で、ソールの寿命を長くすることができます。でもそれを知っている日本人て、少ないんですよね。僕たちも調べて初めて知りました。伝統文化や技術を現代風にアレンジし、新しい技術と掛け合わせることで、若い人達にも響くデザイン・ビジュアルでインパクトのある商品を作り、知ってもらうきっかけを作るっていきたいと思っています。

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モノづくりをスタートアップさせる段階の悩みを解決させられるような場作りがしたい

中山:第二弾、第三弾と今後のgoyemonのプロダクトが楽しみなのですが、もう少し先に描いている展望などはありますか?

大西:Makuakeの前段階の、「どう作るか?」「どう量産するか?」といったモノづくりをスタートアップさせる段階の悩みを解決させられるような場作りがしたいですね。アイデアはあるけどそこからどう進めたら良いのかわからない、という人って多いと思うんです。
一方で、技術はあるけどアイデアがなかなか生まれないという人もいると思います。そうした人たちを気軽にミートアップさせられるような場を作りたいですね。

武内:例えば月1でプレゼン大会を実施したりして、どんどんアイデアの種を育てることができたら良いなと思います。そこにMakuakeの方にご参加いただいたりしても面白そうですね!

大西:僕たちは今ちょうど境界線にいるんじゃないかと思うんです。何の境界線かと言うと、「挑戦する前の世界」と「挑戦した先にある世界」の。なので、ここの扉を大きく開けることができるんじゃないかと思っています。壁の乗り越え方とか、実現のさせ方とか、色々な不安要素を拭うこともできるんじゃないかと思っています。

中山:素晴らしい。マクアケも挑戦者を応援するプラットフォーマーとして、これからもお二人を応援しています!

◎NEWBASIC株式会社 大西 藍/武内 賢太

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大西 藍(東京都立工芸高等学校にてモノづくりを学び、日本大学芸術学部へ進学。その後株式会社スターにて玩具をメインとするデザイン・企画・製造に携わる )と武内 賢太(東京都立工芸高等学校にてモノづくりを学び、東京工芸大学 芸術学部へ進学。コイズミ照明株式会社 商品部にて、企画・デザインを務める ※2019年12月 退社)のデザインユニットによる【雪駄×スニーカー「unda-雲駄-」】がMakuakeにて応援購入金額2,000万円を超え大ヒット、各種メディアから注目を浴びる。2019年11月、NEWBASIC株式会社を設立。
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Makuake実行者対談、いかがでしたでしょうか。今後も様々な実行者さんをご紹介していきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!