エイプリルフールの怪談

 ちょっと怖い話を思いついたので書いてみます。

 村上春樹さんが作家になる前、ジャズバーのマスターをされていたのは有名なお話です。そんなライフスタイルに憧れて、カフェやバーのマスターをやりながら作家活動をしたい…という夢を持っている人は多いのではないでしょうか。実はわたしもそのうちの1人だったりします。

 でね、相変わらずそんな夢をつらつらと考えていたら、すごくいいアイデアを思いついたんですよ。

 作家になるにしても、なったとしても、ライバルの存在というのは正直ウザいものです。良きライバル??いや、そんなの建前でしょ。自分より上手い人、人気のある人、そんな作家が出てくれば出てくる程、自分の作家としての価値は相対的に低くなって行くのですから。

 カフェやバーを開いたとして、あわせて作家を目指すにしても、なったとしても、そのようなライフスタイルを全面に出してお店を宣伝すれば、作家志望の方とか作家さんがお店に来てくれるようになると思うのです。

 そこでですよ、そのような作家志望、作家のお客様に、わたくしマスターが、いかに作家という仕事が大変で、さしてお金も儲からず、うんぬんかんぬん…えっと、そのあたりの事はですね、ググってみたところ以下のこのあたりにとくとくと書かれてあるようなので、わたしもこれらを読んで改めてしっかり勉強しておこうとは思うのですが…

 あ、そうか、村上春樹も森博嗣も、わたしと同じく自分のライバルを出来るだけ減らそうとこの本を書いたのか。さすがだな。さすがすぎる。すでにしっかり先を越されている。伊達にベストセラー作家だったり、ノーベル賞候補だったりしないわ。

 との感心はさておき。

 この知識を持ってして、お店にいらした作家志望や作家のお客様に、わたくしマスターが、いかに作家という仕事が大変で、さしてお金も儲からず、うんぬんかんぬん…と、とくとくと語り、作家なんてならない方がいい、辞めた方がいい、と思わせ、筆を折らせて行けば…。お店は繁盛、作家のライバルは減り、わたしの作家としての活動は守られる、と実に上手い事行くじゃないか!と。

 え、今のお話??あくまでもフィクションですよ。冒頭に、「ちょっと怖い話を思いついたので書いてみます。」って書いたじゃないですか。

 そういえば今日、エイプリルフールでしたね。

〜fin