AppsFlyerでのカスタマーサクセスの現状と施策
なんと今回は、CS HACKさん企画の「CS HACK Advent Calendar 2021」の5日目の記事として書いております。
Advent Calendarの記事を読むと、他の会社の現状・施策だけでなく、その中の人がどういうことを感じているかを知ると共感できる部分が多く、ハッとする気づきがあります。
私もそんな内容が伝えれればいいなあと思い、AppsFlyerでのカスタマーサクセスの現状とその施策について書きます。
カスタマーサポート、カスタマーサクセス担当の方で、他社の事例(外資系のSaaS)に興味のある方
CSMにチャレンジしてみたい、広告やIT系のバックグラウンドのある営業、マーケター、エンジニアの方
のような方に是非読んでもらえると嬉しいです。
また、AppsFlyerに興味を持っていただけたら、
12/14 (火) 19:00 〜 採用オンライン会社説明会を実施いたしますので、是非ご参加ください。
https://appsflyer-japan2021recruitment.splashthat.com/
では、本題に移ります!
AppsFlyerってどんな会社?
イスラエルに本社がある、モバイル用の広告計測ツールの会社です。
スマホの中のSNSやゲームの途中、ニュースサイト、あるいは街のお店のポスターなど色々なところで、アプリの広告を見ますよね。
通常その広告を出している人は、実際にどれくらいの人が広告を見てアプリをインストールしたかを知ることはできません。
AppsFlyerを使うと、モバイルアプリのユーザーがどの広告のおかげでインストールしたのか、がわかるようになります。「どの広告が効果的だったを分析し、もっと投資するならどの広告がいいのか?」を知るためのアプリマーケティングようのツールとして活用いただいています。
カスタマーサクセスにおけるAppsFlyerの特徴
一般的にカスタマーサクセスのKPIとして、チャーンレート(解約率)の低減やアップセル・クロスセル、ユーザーのアクティブ率向上などが挙げられます。
チャーンレートについては、業界の中では特に低い数値です(Webサイトでの公表値によると 2.20%)。アプリの広告を出すためには同種のツールが必要になることに加えて、AppsFlyerの製品・サービスを支持いただいているおかげと考えています。
アップセルに対する考え方は、少し特徴的かもしれません。
CCOのZiv Peledが「CSMに売上目標を課してしまうと、製品価値を届けることやお客様との関係構築というCSMの最大の強みが失われてしまう」ということを述べているように、アップセル自体をCSMのKPIとしていません。
ただし、「このお客様が有償の追加機能に興味があるようだ」ということを営業側に伝えるアップセル・インディケーションがCSM側の一つのKPIとなってます。アップセル自体は営業側の役割となっています。
また、ツールの特性上、各広告媒体との連携やデータの分析がキモとなります。細かい仕様や技術的な話についていかなくてはいけないことに加えて、業界も製品もかなり目まぐるしく変化するので、新しい情報をドンドン入れながらお客様をサポートすることに難しさ/楽しさがあります。
カスタマーサクセスの成熟度
チャーンレートを低く抑えられていることなどを考慮すると、カスタマーサクセスの成熟度は高いように思いますが、まだまだ課題もあります。
Gainsight 社提唱のカスタマーサクセスの成熟度曲線で考えると、3段目の成果(Outcomes)ステージには到達しているようですが、4段目の全社一丸(Transform)ステージはまだまだこれから、というような印象を持ちます。
つまり「お客様が製品価値を理解し、継続的に利用している状態」に持っていくことは高いレベルで実現できており、カスタマーサクセス自体が社内で疑問視されるようなことはないものの、カスタマーサクセスとしてのベストプラクティス・勝ちパターンが広く共有されるにはまだ至ってない、と見ています。
この様な状況下で、今進めている施策、進めようとしているをいくつか挙げてみます。
施策1: オンボーディングポータルの整備
製品だけでなく、ヘルプセンターも更新頻度が高く、今まで記載のあった内容が違うページに整理されてしまったり、そのページの翻訳が追いつかなかったりします。また、原文の表現がイマイチ日本のお客様には伝わりづらいのではないかということが頻繁に起こります(外資系あるあるだと思います)
こういう課題から、お客様向けにオンボーディングポータル という日本語専用の資料置き場を作りました。
ここで、基本的な利用方法を日本語の資料でカバーできるようにしたり、ウェビナーのアーカイブ動画を置いて、いつでも見ていただけるようにしています。
CSMによるオンボーディングにもこの資料を使っており、そのままお客様のセルフラーニングにも使っていただけるので、やってよかったと感じる取り組みの一つです。内容的にはまだ荒削りな部分もあるので、今後ブラッシュアップしていきたいと考えています。
施策2: ベストプラクティスの共有
AppsFlyerには、お客様であれば誰でも利用可能な機能と、追加契約が必要なプレミアム機能を含め、他種多様な機能があります。それぞれの機能の概要は把握できていても、実際のお客様の利用でのベストプラクティスをうまくCSM内で共有できていませんでした。
今、下記の様な観点でまとめることで、各機能のベストプラクティスを使いやすい形で情報共有するという取り組みを始めています。
メリット
(他の機能ではなく)この機能だけで実現できること
オススメの使い方
要考慮点
利用開始時の落とし穴
制約事項
以前、FAQ(よくある質問)を取りまとめて整備してみようとしたのですが、特定のFAQに集中しているわけではなく、かつ、お客様の利用の仕方により答えるべき内容が微妙に変わってしまったりするので、うまく行きませんでした。
このようになんらかの切り口があれば、ベストプラクティスとして整理・情報共有できることはまだ他にありそうな気がしています。
施策3: アップセルの獲得
アップセル自体はCSMにとって直接のKPIでないことは上記に書いた通りなのですが、ビジネス全体やカスタマーサクセスの取り組み全体としては、当然のことながらアップセルをもっと増やしていきたいという課題はあります。
これまでは一人のセールスマネージャーが新規・既存のお客様の両方を見る形だったのですが、今後は明確にアカウントエグゼクティブ(新規)、アカウントマネージャー(既存)と役割が分かれる方向になっています。
CSMからこのアカウントマネージャーに対して、アップセルの見込みなどを連携できるような仕組みを構築していく予定です。
なお、昨日のPLAIDの野村さんの記事はまさにこの部分を書かれていて、頷きまくりでした。
https://note.com/vc_ii_1009/n/n352eb69e4633
最後に
改めて「カスタマーサクセス」という切り口で、直近のCSMとしての業務を振り返ってみました。
少しでも気づきを与えられたなら幸いです!
また、もしAppsFlyerに興味を持っていただけた方は、
12/14(火)のオンライン採用説明会でもお待ちしております。
CS HACKの人には最低20,000字と言われましたが、まったく及ばずでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?