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「かならず先に好きになるどうぶつ。/糸井重里」

「かならず先に好きになるどうぶつ。/糸井重里」
本を予約して購入するなんていうことはめったにないのだが、この本はかなり前に予約しておいた。それが届いた。

何しろ装丁が素晴らしいのだ(もちろん内容も素晴らしいのだが)。もう、紙や本作りが好きな自分にとってはたまらない。

袋から出した途端、指先にしびれが来る本。触れただけでうわーってとろけそうになる。カバーには「タントセレクト」というキャンバス地のような紙を使っているのが指先にくる。

サイズ感よし。帯を外して、カバーを外して、表紙の裏を見て、ツカを見て、小口の色を見て、角丸感、栞紐のツヤ感を見て、隅から隅まで装丁を楽しむ。

わざわざ経年劣化の注意書きのカードが挟まれている。
「質感を重視しているのでカバーにはフィルム加工などはしていません。そのために他の本より早めに経年劣化や風合いがでまます」と書いてある。

カードの表は糸井重里氏の手書きなのだろう、メッセージが書いてある。どこまでも愛情と手間がかけてある本。

早速2012年発行の8年前の「夜は、待っている」と経年劣化を比較してみる。カバーの紙は同じく「タントセレクト」。もう、また、うわーなのだ。ちゃんと経年劣化してくれている。タントセレクトのザラザラ感が薄れている。

それにカバーのインクが落ち着いて、墨のような渋い色になっている。新刊「かならず先に…」の方は、光に当てると印刷所から届いたばかりかのように黒いインクが光っている。

そして匂いをかぐ。紙の匂いか、インクの匂いかわからないが、何か知性のある家に置いてあった本のような香り。でもフレッシュで誰も触れてない香り。

所有しないとわからない魅力。図書館じゃダメだ。古くなって読まなくなったからといって売っては、この本の魅力を100%楽しんだとは言えない。

装丁を楽しむだけで時間がかかって、なかなか本の本質である「読む」に達することができない、本。
こういう本が作りたい。

PS:
只今、須田誠語録全集、編集中。

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▼壁に飾れるカバーって素晴らしい。いい本です、ホント!

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