見出し画像

血液の質と「余命の予知因子」

今日は『血流がすべて解決する』(著:堀江昭佳)より「血の質と量が、「若さ」や「寿命」を決めている」を読みました。

「血流が悪い=血流ドロドロ」であるとはかぎらないこと。そもそも流れる血の量が少なければ、勢いが弱く末端まで流れません。約9割の人が「血虚」と呼ばれる血が足りない状態であると言われます。

最初に流れを捉える際には、「流れるものは十分な量が存在しているか?」という問いが重要ということです。

よくよく聞いてみると、一人暮らしということもあって、食事がスーパーやコンビニのお惣菜やお弁当ばかりになり、かなり栄養バランスが悪くなっていました。相談に来られた当初の体質チェックを見ると、血虚もありました。(中略)「耳が聞こえない、めまいがする」という話ばかり気を取られてそこばかりを治そうとしていたのが間違いでした。この方は、老化のために耳が聞こえにくかったり、めまいが出ていたりしていたわけではなく、血が足りないために十分な血流が耳に届かず、耳の働きが悪くなっていたのです。そして、タンパク質不足のために血の質も悪くなっていました。

漢方薬剤師である著者は、これまで五万人以上の方の悩みに応えてきました。七十代の女性の方の相談を受け、耳鳴りやめまいの症状を改善する漢方を処方したところ、全く効かずに悩んでいたそうです。「疲れがある」とのことでタンパク質の栄養剤を渡したところ、疲れが取れただけでなく耳なりの症状がなくなったとのこと。

この女性の方は「血虚」がみられたようです。耳鳴りやめまいは老化によるものではなく、血の質・量がともに十分ではなかった。表面化している症状に対処しても、その問題の真因を特定してアプローチしなければ解決しないことが分かります。何か問題が起きたとき、すぐに飛びついてしまうのではなく、立ち止まって「その問題はどのようなメカニズムで起きているのだろう?」と問いかけてみること。

現在、日本では食事の内容が急速に悪化しています。とくに血の原料となり、血の質を支えるタンパク質の量の落ち込みはすさまじいものがあります。戦後一貫して増えてきたタンパク質の一日あたりの摂取量は、平成七年にピークの八一.五gを記録したあとに減りつづけ、平成二十三年には、まだ食糧不足が残っていた戦後の昭和二十五年よりも少なくなってしまいます。血液というと鉄分ばかりが注目されがちですが、実は水を除くとそのほとんどがタンパク質でできています。そのためタンパク質をとる量が減れば、すぐに血の質が悪化してしまうのです。

血の主原料が「タンパク質」であること。聞かれると案外パッと答えるのは難しいのではないでしょうか。しかも、タンパク質の摂取量が年々少なくなっている。

毎日できるだけ動物性/植物性タンパク質を摂るように心がけていますが、実感としても十分な量のタンパク質を摂った日のほうが集中力が高く、気分がよいです。一方、タンパク質が少なく、糖質(炭水化物)過多の日は頭が冴えず、身体もどこか重い感じがします。

あらためて食事の質に気をつけていかなければ、と感じます。

血液中のタンパク質は赤血球以外には主にアルブミンとして存在しますが、このアルブミンは若々しさや長寿に深く関係しています。そのため「余命の予知因子」とも呼ばれていて、アルブミンが少ないひとは寿命が短く、多いひとは長寿であることも知られています。血の質は現在の健康はもちろんのこと、若さや将来の自分の寿命にも大きな影響を与えています。質のよい血でいることは、「今」のためだけでなく、将来にとってもとても大切なことなのです。

血液中のタンパク質は、赤血球以外に主に「アルブミン」として存在する。余命の予知因子と呼ばれていることも初耳でした。血が良質であること、つまり血液中に十分なタンパク質が行き届いていること。

「健康に気を使う」とはどのようなことでしょうか。そう問われると、食べ過ぎに気をつける、体重の増加に気をつける、適度に運動をする、などの回答が思い浮かびます。一方、血液のことはすぐには思い浮かびません。

食事、栄養、血液、身体、運動。すべてはつながっています。こう書いてみると「血液」は自分の目で直接見る機会の少ない、黒子のような存在です。

「そのシステム、ネットワークには何が流れているのか?」という問いは、健康・健全な状態を考える上で根幹の問いなのかもしれません。しかも、流れているものは必ずしも目に見えるとはかぎらないわけで、感じ取る他ないこともあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?