Makoto Shirasu

「毎日をていねいに暮らす」を大切に。 興味の中心は「生命・自然・調和」。哲学、ア…

Makoto Shirasu

「毎日をていねいに暮らす」を大切に。 興味の中心は「生命・自然・調和」。哲学、アート、デザイン、サイエンス、音楽、ヨガなど幅広く。 総合商社 → AIエンジニア → 事業統括・PM・事業開発・サービスデザイン@startup → 自由に。

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記事一覧

「物」を取り囲む環境まで含めて「事物」という。

春。 道端に色とりどりの花が咲きはじめ、外を歩いているだけで気分が和む季節になりました。 晴れの日、曇りの日、雨の日。 いつもの同じ道を歩いて、今日もまた咲いて…

Makoto Shirasu
21時間前
3

言葉は便利であるがゆえに不便でもある。

言葉は便利である。便利であるがゆえに不便でもある。そんなことを思うわけです。 もしも言葉が存在しなければ、自分を取り巻く世界、環境は混沌としたものになっていて、…

2

変化と状態が織りなす円環〜呼吸は姿勢に従い、姿勢は呼吸に従う〜

"Form follows function." とは、建築家のLouis Sullivan(ルイス・サリヴァン)による格言で「形態は機能に従う」と訳されることが多いようです。 今日もまたヨガを通し…

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日常生活に偶然性を取り入れ、自分の枠を超えてゆく。

今日もまたヨガを通して感じたことを綴ります。 自分の身体は日々変わり続けていて、だからこそ毎回何かしら新しい発見や気付きがあるので、いつも新鮮な気持ちで飽きるこ…

4

守破離、秩序と無秩序のあいだ、表と裏。

先日、「生命は秩序と無秩序のあいだにある」ということを綴りました。 「秩序と無秩序のあいだ」は、空間的・静的に捉えるのではなく、時間的・動的に捉えてゆくことが大…

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「比べようのないことを比べない」ということ。

「あの人のようにできたら…」 憧れ、うらやましさ。そのような気持ちは、自分が前へと進む力になることもあれば、時として自分を縛る足枷になることもある。いわば諸刃の…

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生命は「秩序と無秩序のあいだ」にある、ということ。

「安定ゆえに不安定、不安定ゆえに安定」 昨日はそのようなことを綴りました。 型にハマりすぎると窮屈で飽きてしまうし、型がなければそれはそれで方向性が定まらない状…

4

安定ゆえに不安定、不安定ゆえに安定。~身体と呼吸の観察から~

生きていく中で最も大切なことの一つは「呼吸を続けてゆくこと」であると思います。呼吸が止まった時間がある限界を超えてしまえば、たとえ呼吸を取り戻したとしても、身体…

3

「地域性」とは「場の呼吸」ではないだろうか。

地域、ローカルという言葉がありますが、この言葉にふれた瞬間に何を想像するでしょうか。どことなく緑豊かな田園風景、ゆったりした田舎、活気ある下町。たとえば、そのよ…

3

「適切な量を測る」ということ。

植物が育つためには少なくとも「水・光・空気」が必要だけれど、これは人も同じではないかと思うのです。 当たり前のことのように思われますが、「ではどの程度の量があれ…

Makoto Shirasu
10日前
3

「無目的」という目的。

「何事においても明確な目的は必要なのだろうか」と思うことがあります。 もしも人生が目的や目標への達成の連続のみから成るのだとすれば、それは一日一日、いや一分一秒…

Makoto Shirasu
11日前
2

「人間関係の贅沢」とは何だろう。

ふれた瞬間の言葉の一つひとつが、輝き、響きあう眩い星々のように感じる文章に出会うとき。じんわりとした高揚感に包まれ、どこか縮こまって固くなっていた心が震えて、し…

Makoto Shirasu
11日前
6

"Less is more." 〜簡素さの中に豊かさを見出す感性の涵養〜

今日は私にとってとても大切なアーティストのお二方の弾き語りに足を運びました。 ピアノと歌声、ギターと歌声。 様々な音が数多く重ねられた音楽と等しく、必要最低限(…

Makoto Shirasu
12日前
4

希望のつくり方、そして隣接可能領域。

モヤモヤとしている、混沌としている。そのような状況において、進むべき方向を照らし出すような一筋の光を見出したい。そのような時に「希望」という言葉で表現することが…

Makoto Shirasu
2週間前
4

私たちは「毎日新しい道を歩いている」ということ。

『アルケミスト 夢を旅した少年』 大きな変化が訪れたとき、言葉の一つひとつを自分の内側にスッと染み込ませてゆくように。何度も読み返したくなる、大切な一冊です。 …

Makoto Shirasu
2週間前
3

「何かを知る」ということ

生まれてからこの世を去るまでの間にどれだけのことを「知る」のだろう。朝に目が覚めてから眠りにつくまでに起きた今日一日の出来事を振り返ってみたとき、知ったことがあ…

Makoto Shirasu
2週間前
4
「物」を取り囲む環境まで含めて「事物」という。

「物」を取り囲む環境まで含めて「事物」という。

春。

道端に色とりどりの花が咲きはじめ、外を歩いているだけで気分が和む季節になりました。

晴れの日、曇りの日、雨の日。

いつもの同じ道を歩いて、今日もまた咲いている花をじっと眺めていると、降り注ぐ光の明るさによって、花々の鮮やかさ、印象は変わってくることに気がつきます。

風のそよぎ方によっても印象は変わってきます。

風の強い日、やわらかな風がそよぐ日、無風の日。

風の強い日はじっと耐え

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言葉は便利であるがゆえに不便でもある。

言葉は便利であるがゆえに不便でもある。

言葉は便利である。便利であるがゆえに不便でもある。そんなことを思うわけです。

もしも言葉が存在しなければ、自分を取り巻く世界、環境は混沌としたものになっていて、あらゆるものが「それ」「あれ」と表現せざるをえない、いや「それ」とか「あれ」とすら表現することができません。

言葉は物事、事物にラベルを与え、混沌とした世界を文節化することで秩序を生み出してゆくわけですが、では「あらゆる物事、事物を言語

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変化と状態が織りなす円環〜呼吸は姿勢に従い、姿勢は呼吸に従う〜

変化と状態が織りなす円環〜呼吸は姿勢に従い、姿勢は呼吸に従う〜

"Form follows function." とは、建築家のLouis Sullivan(ルイス・サリヴァン)による格言で「形態は機能に従う」と訳されることが多いようです。

今日もまたヨガを通して感じていることを綴りたいと思うわけですが、ヨガにおいて大切な「呼吸」が「姿勢」つまり身体の状態と密接に関係していることと、"Form follows function"という言葉が重なっているのでは

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日常生活に偶然性を取り入れ、自分の枠を超えてゆく。

日常生活に偶然性を取り入れ、自分の枠を超えてゆく。

今日もまたヨガを通して感じたことを綴ります。

自分の身体は日々変わり続けていて、だからこそ毎回何かしら新しい発見や気付きがあるので、いつも新鮮な気持ちで飽きることがありません。

私が通っているヨガのレッスンでは、いつも決まった順番で決まったポーズを取っていきます。シークエンス(進み方)が固定的であるがゆえに、それをモノサシとして自分の変化に気付いてゆけることは、ルーティンの楽しみだと感じていま

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守破離、秩序と無秩序のあいだ、表と裏。

守破離、秩序と無秩序のあいだ、表と裏。

先日、「生命は秩序と無秩序のあいだにある」ということを綴りました。

「秩序と無秩序のあいだ」は、空間的・静的に捉えるのではなく、時間的・動的に捉えてゆくことが大切なように思います。秩序をつくり、環境変化に応じて築いた秩序を壊していく。その円環、繰り返しの連続、螺旋的な発展によって生命は自らの存在を維持している。こうした円環構造は「守破離」の精神にも通じているように思います。

「守破離」は何かし

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「比べようのないことを比べない」ということ。

「比べようのないことを比べない」ということ。

「あの人のようにできたら…」

憧れ、うらやましさ。そのような気持ちは、自分が前へと進む力になることもあれば、時として自分を縛る足枷になることもある。いわば諸刃の剣のように思うわけです。

今日も少しばかりヨガの話です。私はヨガスタジオに通って、色々な方と同じ時間、空間を共有して、身体を動かしています。スタジオには一面に鏡があり、皆さんそれぞれ自分の身体が映っていて、いま自分の身体がどのような状態

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生命は「秩序と無秩序のあいだ」にある、ということ。

生命は「秩序と無秩序のあいだ」にある、ということ。

「安定ゆえに不安定、不安定ゆえに安定」

昨日はそのようなことを綴りました。

型にハマりすぎると窮屈で飽きてしまうし、型がなければそれはそれで方向性が定まらない状況が続いて疲れてしまう。そのようなことを思うわけです。

それはつまり、自然に任せておくと、いずれにせよ物事、事物は「崩壊に向かっていく」というのか「沈んでいく」ような力が働いているのではないか、と思うわけです。

崩壊するから再生があ

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安定ゆえに不安定、不安定ゆえに安定。~身体と呼吸の観察から~

安定ゆえに不安定、不安定ゆえに安定。~身体と呼吸の観察から~

生きていく中で最も大切なことの一つは「呼吸を続けてゆくこと」であると思います。呼吸が止まった時間がある限界を超えてしまえば、たとえ呼吸を取り戻したとしても、身体には深刻な影響が残ってしまいます。

ヨガを続けていてよかったと思うことの一つは、呼吸の大切さを身をもって知ることです。

たとえば、デスクワークなどで同じ姿勢が続くと身体が固まってしまい身体が思うように動かないとき。そのようなときに頑張っ

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「地域性」とは「場の呼吸」ではないだろうか。

「地域性」とは「場の呼吸」ではないだろうか。

地域、ローカルという言葉がありますが、この言葉にふれた瞬間に何を想像するでしょうか。どことなく緑豊かな田園風景、ゆったりした田舎、活気ある下町。たとえば、そのようなイメージでしょうか。

一方、私は無意識のうちに区別してしまっているような気がする高層ビルが並び立つような、いわゆる「都市部」や「都心」は地域、ローカルに含まれないのだろうかと考えてみると、それはそれで違うように思います。

地域性、ロ

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「適切な量を測る」ということ。

「適切な量を測る」ということ。

植物が育つためには少なくとも「水・光・空気」が必要だけれど、これは人も同じではないかと思うのです。

当たり前のことのように思われますが、「ではどの程度の量があれば十分なのだろうか」と考えると、少なすぎても多すぎてもいけない、適切な量があるはずです。

水がなければ枯れてしまうし、与えすぎても枯れてしまう。光がなければ光合成ができず、強すぎる光は有害であるし、空気がなければやはり光合成はできないし

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「無目的」という目的。

「無目的」という目的。

「何事においても明確な目的は必要なのだろうか」と思うことがあります。

もしも人生が目的や目標への達成の連続のみから成るのだとすれば、それは一日一日、いや一分一秒の世界で自分で自分を意識的に方向づけし続けているような感覚を覚え続けるようなことなのでしょうか。

以前に「無目的が目的」ということを綴ったことが思い返されます。何かに夢中になっているとき、没入しているときは「目的を達成しよう」という意識

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「人間関係の贅沢」とは何だろう。

「人間関係の贅沢」とは何だろう。

ふれた瞬間の言葉の一つひとつが、輝き、響きあう眩い星々のように感じる文章に出会うとき。じんわりとした高揚感に包まれ、どこか縮こまって固くなっていた心が震えて、しなやかさを取り戻してゆくのを感じます。

『星の王子さま』で有名なサン=テグジュペリによる『人間の土地』も私にはとても大切な一冊です。

「人間関係の贅沢」こそが唯一の真の贅沢である。

本書で印象的な言葉の一つで、たしかにそうかもしれない

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"Less is more." 〜簡素さの中に豊かさを見出す感性の涵養〜

"Less is more." 〜簡素さの中に豊かさを見出す感性の涵養〜

今日は私にとってとても大切なアーティストのお二方の弾き語りに足を運びました。

ピアノと歌声、ギターと歌声。

様々な音が数多く重ねられた音楽と等しく、必要最低限(=必要十分)な音で紡がれる音楽にもまた、簡素さの中に豊かさが、簡素がゆえの豊かさに満ちています。

声には無限のグラデーションがあります。しっとりした声、やわらかい声、力強い声、澄んだ声、かすんだ声、伸びやかな声…。

声と楽器の重なり

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希望のつくり方、そして隣接可能領域。

希望のつくり方、そして隣接可能領域。

モヤモヤとしている、混沌としている。そのような状況において、進むべき方向を照らし出すような一筋の光を見出したい。そのような時に「希望」という言葉で表現することがあります。

ではいったい、「希望」とはどのようなものなのでしょうか。玄田有史氏の著書『希望のつくり方』を読むと、希望には「構成要素」があり、それらを組み合わせて「つくり出すことができるもの」と分かってきます。

一般的で抽象的な「希望とは

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私たちは「毎日新しい道を歩いている」ということ。

私たちは「毎日新しい道を歩いている」ということ。

『アルケミスト 夢を旅した少年』

大きな変化が訪れたとき、言葉の一つひとつを自分の内側にスッと染み込ませてゆくように。何度も読み返したくなる、大切な一冊です。

ブラジルの作詞家、小説家であるパウロ・コエーリョ氏による小説です。羊飼いの少年が宝物を探す旅の中で、さまざまな出会い、出来事から多くを学んで成長してゆく物語。

少年は起こる出来事の中に「予兆」を感じ取るのですが、その感性を支えているの

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「何かを知る」ということ

「何かを知る」ということ

生まれてからこの世を去るまでの間にどれだけのことを「知る」のだろう。朝に目が覚めてから眠りにつくまでに起きた今日一日の出来事を振り返ってみたとき、知ったことがあるとすればそれは何だろうか。そもそも「知る」とはどういうことなのだろう。ふと、そのような問いが降りてきました。

たとえば、本を読んだり、ニュースを見たり、人から話を聞いたりして何かしらの「情報にふれた」とき「知った」と感じます。

空を見

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