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ただいま、日本。ありがとう、世界。

夢か幻だったんじゃないかとさえ思えてきます。

私たち夫婦は昨年6月に世界一周の旅に出発しました。
今年6月まで1年間の予定でした。

アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南米、中米を巡り、
残るは北米とオセアニア。

あとはもう旅しやすい国ばかりだね、とほっとしていたのも束の間、
新型コロナウイルスが世界を直撃して、
旅なんて言っていられなくなりました。

私たちは、旅との境目がよくわからないくらいシームレスに、帰国しました。
その境目の感じなさったら、
もしかしたらまだ旅は続いているんじゃないかって思うくらい。

世界があっという間に閉じて、どこにも行けなくなった今、
世界中で心に刻んできた出会いや絶景があまりに眩しくて、
撮り溜めていたビフォー・コロナ時代最後の世界の写真たちは、
たった数ヶ月前の出来事なのに、
もう手の届かない遠い昔の思い出か、夢か幻みたいに思えて、
愛しく眺めています。

もうこれ以上旅はできないという状況になったとき、
私たちは世界一周を始めて52か国となるアメリカのニューヨークにいました。

そのタイミングで私が少し体調を崩してしまったこともあり、
身動きするのはやめて、
ニューヨークで会いたかった人に会うことは一人たりとも叶わぬまま、
行きたかった場所に一つも行けぬまま、
ふたりでただひたすらこもる生活が始まりました。

そのうちにロックダウンが始まり、
みるみるうちに窓から見える景色が変わっていきました。

そして、アメリカで1ヶ月こもった後、
今だというタイミングを見つけて、ひっそり帰国の路につきました。

約20人しか乗っていない飛行機で、
他のお客さんまでのソーシャルディスタンスは5列分くらい空いていました。

1年間の世界一周を終えて見える東京はどんなだろう、
どんな嬉しい再会が待っているだろう、とよく想像していたけど、
こんなに申し訳ない気持ちで帰国することになるなんて想像したこともありませんでした。

羽田空港に到着してからPCR検査を終えて約1時間後にはレンタカーに乗り、
自宅代わりの(自宅は5月末まで貸しているため、それまでお借りした)部屋へ。
ふたりとも空港で受けたPCR検査の結果は陰性で、
帰国後の自主隔離2週間は、瞬く間に過ぎていきました。

アメリカのロックダウンと日本の緊急事態宣言、両方を経験しながら、
ガラガラの飛行機とレンタカーで移動したあの日以外は
ただひたすらこもること2ヶ月近く。

オンライン上ではたくさんの交流を重ねてきたけれど、
リアルな世界では、夫婦ふたりだけの世界。
寂しいですが、親とさえ、濃厚接触していません。

外の世界が生活にほとんど影響しない暮らしをしている分には、
アメリカと日本の境目、旅と日常の境目には、移動と時差くらいしかなくて、
しかも日本でもまだ自宅ではなく仮の住まいにいる今、
どのタイミングで旅が終わったと言えるのか。

コロナでなくてもオンラインで会議に参加させてもらいながら旅をしていたから、
「各都市に物理的に移動する」ということができなくなった以外は、
旅していた時の感覚とたいして変わらない感じもしています。

そんなふわふわした状況の中で、
夫婦して「帰国しました!」と公表するのも躊躇われ…
とても遅くなってしまいましたが、
「無事帰国しています」というご報告とお礼をさせてください。

応援してくださった皆さま、
道中お世話になった皆さま、
帰国を楽しみに待っていてくださった皆さま、
心から、どうもありがとうございます。

長年の夢が叶って、美しい世界を旅できて、
本当に本当に幸せでした。

どう表現したらしきれるのかわからないほど、
何にも変えられない、かけがえのない、大切な時間でした。

旅について語ることがもう少し不謹慎じゃなく思えるようになった頃、
オンライン上で帰国報告会ができたらと話しています。

そして、これからは…
これまでやってきたことを深めつつ、
旅で集めてきたたくさんのアイディアやヒントも活かして社会に恩返しできたらと思っています。

世界ががらっと変わり、まずは今できることからと思っているので、
私に何かできることがあればぜひお声がけください。

濱松(鈴木)美穂

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11ヶ月の世界一周の旅を終えて、先日、日本に帰ってきました。
夫婦ともに元気です。
羽田空港でPCR検査も受け、結果は「陰性」でした。
2週間の自主隔離期間も終えました。

出発時に思い描いていた世界一周の帰国のイメージとは180度どころか、10000度ぐらい違いましたが、何より夫婦ともに、無事帰国できて良かったです。

2019年6月から夫婦で始めた世界一周の旅。
妻が24歳の時に乳がんになり、完治と言われる10年が経ったら、結婚して世界一周をしようと計画しました。
2人ともお世話になった大好きな会社を辞めてまで行くことにした、夫婦での1年間の世界一周。
最後はコロナで思う通りにはいかなかったけれど、この1年間は、人生で最も楽しい1年でした。

マレーシアに始まり、米国までの、5大陸・52ヵ国・116都市の10ヶ月半の旅。

とにかく居心地が良すぎたインドネシア・バリ、美食の街スペイン・サンセバスチャン、野生の動物・生物を見るならタンザニアのサバンナとエクアドル・ガラパゴス諸島、世界最高の絶景ボリビア・ウユニ塩湖、世界で一番楽しいお祭りブラジル・リオのカーニバル、世界で一番綺麗な海キューバ・バラデロ、挙げればキリがない。

でも、楽しいことばかりじゃない。
大変なことも夫婦ともに何回かありました。

ラオスで熱中症になったり、スペインでキャッシュカードを落としたり、スイスで野宿をしたり、モロッコで体調を崩したり、ブラジルで携帯を盗まれたり、そして最後は米国でコロナ拡大。

順調にいく旅なんてない、そう思って出発したけど、やっぱり、というか、想像を大きく超えた、いや、超え過ぎた旅でした。

最後の米国には1ヶ月いましたが、もちろん毎日Stay Home。
ずっとホテル・Airbnbにこもっていました。
日本に帰ってきた後も、もちろん自主隔離でStay Home。
そして自主隔離が終わった後も、緊急事態宣言のためStay Home。
ここ1ヶ月半ぐらいはいわゆる普通の旅、普通の日常ではありませんでした。

でも「人生は、旅」と言われるぐらいだから、これも人生と思えば、悔しさは無いといえばウソになるけど、命があるだけで、生きているだけで感謝です。

本当はみんなにリアルでただいま!と言いたかったし、親や兄弟を抱きしめてありがとうと言いたかったし、母親の手料理を食べたかった。リアルで帰国報告パーティーをしたかった。
でも、まだリアルで家族にも会えてない。
寂しい。
でも、世の中にはもっとつらくて大変な人たちがいるのだから、命があるだけでも感謝しています。

リアルで会えない代わりに、昨日、妻ががんになって12年の記念日(セカンドバースデーと言うそうです)に、両家の家族でZoomで集まり話しました。
リアルで会えないのは寂しいけど、家族がお帰りと言ってくれて、元気な顔が見られて、本当に幸せだと感じました。

リアルでの帰国報告パーティーはできませんが、代わりに、オンラインで帰国報告会をしようと思っています。
5月中には開催したいと思ってるので、ご都合のつく方はご参加いただけると嬉しいです。

「これからどうするの?」とよく聞かれるのですが、今はまだ具体的なことは決まっていません。ただ、2人とも、社会へ価値を生み出せるようなことをやりたいねと話しています。
それぞれやりたいこと、できることをやりながら、夫婦でも一緒にできればいいね、と。

ただ、それ以外にも、もし何か僕にできることがあれば、是非お気軽にお声がけください。色々な人たちのお手伝いができればと思っています。

世界一周の旅でお世話になった皆さん、
本当に、本当に、ありがとうございました。
皆さんの顔が、思い浮かびます。
いつかまた恩返しさせてください。

ただいま、日本。ありがとう、世界。

これが最後ではなく、僕たちの人生の旅はまだ始まったばかり。これからも旅は続きます。

これからも夫婦共々、応援いただけると嬉しいです。

濱松 誠


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夫婦で仕事を辞めて、2019年6月から一年間世界一周してきます。 一度きりの人生、世界を味わい尽くしたい。 世界中の人、場所、取り組み、文化に触れて、日本にたくさんヒントを持って帰りたい。 Worldgramは、そんな僕らが恋した、世界の記録です。