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雑記事38

自分のアパートの前はトラムが通っていて、この日記は毎朝トラムが走る音を聞きながら大体書いている。おそらく建築現場の音を聞きながら書いたら内容が変わるのだろうし、波の音を聞きながら書いたらさぞかしゆったりしたものになるのかもしれない。
その昔イッセー尾形の一人芝居にハマっていた時期があった。舞台も何度か見に行った。昔のストリップ劇場の幕間に出てきて観客を盛り上げようとするが、高齢のためうまくいかない男性を絶妙な間で演じる『アトムおじさん』は定番ネタであったし、タクシーが捕まらず、暖を取ろうとビルの隙間に入って、挟まってしまう男性の『ヘイ、タクシー』も秀作であった。
当時学生であった自分があまり理解できなかった作品に『移住作家』というものがあった。東京で学生をしていた自分にとって地中海の島のような場所に引っ越した作家の話など全く共感できるものではなかったのだ。
箔をつけようと地中海の島に引っ越したものの、海を眺めていると、全然やる気にならないんだよねー、とまったりと話す男性はどうやらインタビューを受けているらしかった。

ギリシャのイドラ島という島に行ったことがあるのだが、その島は車やバイクが禁止された島で日常の移動手段はロバであった。
その昔、村上春樹が住んでいた島でもあるらしい。
おそらくこの辺りの話をオマージュにした作品だと思うのだが、ギリシャの島には全ての物象を落ち着かせる力があると感じる。(パーティーアイランドのミコノスはまた別だが)一昨年行ったコルフ島もパソコンを持っていったが、ただの1度も開くことがなかった。ヨガをやって、ブランチとって、ビーチで寝そべる。
これで生活がコンプリートしてしまう。
確かに
「なーんにも、やる気というものがー、出てこなーいんだよねー」
という状況に陥る
自分がクリエイトしているものがテクノであったり、デジタルアートであるので相性はあまりよくない気もするが、画家とか詩人とかはいっそあのような環境でクリエイトに集中するのもいいと思う。
そういった意味では東京でのアーティストの環境というのはどのようなものなのだろうか?自分は東京に住まなくなって長いので最近の環境はわからないが、少なくとも15年前の東京ですら、なんとも不自由さを感じていた記憶がある。
かれこれ東京を離れ15年近くなるが、結局人間は慣れる生き物なのでどこでも生きていけると思う。
現状に悩みを抱えていて生きにくいと感じて間違った方向に思い切ろうとしている人がいたら、その思い切りを国外に出てしまうことに使って欲しい。
世界は広く、自分に合う場所は必ず見つかるはずだ。

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