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関係の質を高めるために、『内省』をやってみた!


前々回は、「成功循環モデル」をベースに、「チームが結果を出すためには関係の質を高めることが重要だ」というお話をしました。


前回は、「関係の質」を高めるためには、「内省」が必要だという話をしました。

ということで、早速、「内省」を職場の仲間とやってみました~♪
今回は、実際に「内省」をやるに際しての、効果や課題を報告します(長いな・・・・)。

■やり方

「内省」をやるのには、当然いくつかの方法があります。今回試してみたのは、「マネジメントハプニングス」という方法です。これは複数メンバーで一か所に集まって、一人が自分の印象的な「出来事」を語り、みんながそれに対する質問をすることで、発表者の「出来事」に関する理解、更には自分の言動に対する理解を深め、「内省」を促すという方法です。

その際、参考にさせてもらったのが、この書籍です。

実際には、以下の方法で実践してみました。

1. 3~4人で1組のチームを作って集まる。
2. メンバーそれぞれが、この一週間の間に起こった出来事を想起しながら、その中で一番印象的な「出来事」を書きだす(3~5分)。
3. メンバーの1人が、その「出来事」を説明する(2~3分)。
4. 残りのメンバーが「出来事」について、様々な質問をする(3~5分)。
5. 3~4を繰り返して、全員が自分の「出来事」を共有する。
6. 個人で自分の「出来事」を振り返り、自分の中での気づきと、気づきに関して今週やることのメモを作成する。

「出来事」に関してはできるだけ具体的に、以下の内容を書き出しました。

①その内容(いつ、どこで、だれと、どんなこと)
②その場面でのやり取り(会話)
③その時、感じたこと、思ったこと
④今、振り返ってみて、思うこと

■注意したこと

実践するのは「内省」なので、あくまでも「自分で気がつく」ことに主眼を置きます。そのため、「出来事」を書き出す際には、書籍の内容に沿って、以下の点に留意しました。

・ことの大小や重要性ではなく、自分の気持ちが揺さぶられたことを書く。
・「他人がどう感じたか」ではなく、「自分がどう感じたか」を書く。。
・日時、会話の内容等、できるだけ具体的に書く。
・事実と感情は分けて書く。

また、質問する時は、以下の点に留意しました。

・一回の質問で聞くことは一つだけ、そして簡潔に質問する。
・出来事ではなく、人に焦点を当てる。
・発表者に提案や説教はしない。
・質問について、以下の使い分けに留意する。
 1. クローズドクエスチョンとオープンクエスチョン。
 2. チャンクアップ(目的・理由)とチャンクダウン(例えば)。
 3. 未来質問(どうしたいか)と過去質問(なぜそうなったか)。

■やってみて

参加したメンバーから集約した意見として、以下のような「良かった点」が上げられました。

・自分の考えをまとめる機会になる。
そもそも日常的に自分の言動を振り返る機会というのはあまりないので、自分の行動にどんな意味があったのかを確認して、自分なりの考え方をまとめるいい機会になります。

・異なる視点を得られる。
実際にその出来事が起きた時の気持ちと、今の気持ちの二つを記述することで、「その瞬間はこう思ったけど、よくよく考えるとこうだったんじゃないか」という、別の視点を獲得することにつながります。また、他人から質問されることで、「あ、そういう見方もあったのか!」と、一つの出来事を異なる視点で考えることができます。
多面的に捉えることで、「関係の質」が向上します。

・他人の考え方に気がつく。
「あいつ、そんなことを考えていたのか」と、気づくきっかけになります。あくまでも個人的な感想ですが、身近な存在であればあるほど、そんな傾向が強かったように感じます。普段、そんな話をしないから・・・・・ですかね。

自分への理解が深まり、他人の言動への理解が深まれば「関係の質」が向上するのは、以前に書いた通りです。

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■課題

良かったことがあった反面、課題もいくつか見つかりました。

・質問する力が必要。
気付きを与える質問をするのは、想像以上に難しかったです。どうしても、アドバイスを言いたくなってしまうという意見が、思った以上にありました。

・他人の意見を聞かないのは難しい。
逆に、「具体的なアドバイスを求めたい」という意見も結構出ました。「折角の機会なのだから、解決のヒントがあるなら教えて欲しい」というのは、参加者の中から、結構聞かれました。

・意識の低い人を巻き込むのは難しい。
「内省」とかに興味のあるメンバーを巻き込むのは簡単ですが、興味のないメンバーをどう誘って、人数を拡大していくのかは大きな課題です。即効性のある話でしたらまだいいのですが、内省は効果が出るまでに時間がかかると考えていま。具体的な効果が見えにくいイベントに、興味のないメンバをどう誘うのかは悩ましいという意見は結構出ました。

■最後に

いろいろ難しい側面もあるマネジメントハプニングスですが、総じて、やったメンバーの中では好評価でした。今も、若干メンバーを変えて、継続的に取り組んでいます。

終わった後、「質問一覧」を作成・共有して、メンバーがどんなことを質問しているか確認しあったり、「刺さった質問」をみんなで共有することで、「何が人に気付きを与えられるのか」を考えたりするなど、独自の工夫もし始めています。

また、新しい発見やいいやり方があったら、この場で報告させて頂きます。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ITベンダに勤務する、中小企業診断士です。得意のITを活かしつつ、常に楽しく前向きに、中小企業の方々と一緒にいろいろ考えていきたいと思っています。