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プロ意識

プロ意識。

これと言って定義されているものは無く、職種や立場によって違うと思う。だがこれを持つ事で仕事のモチベーションが大きく変わり、モチベーション維持に大事になる。

今は、プロ意識を持って仕事に臨んでいるが初めからあったわけではない。

今回は、自分にとってのプロ意識について書きたいと思う。



お金を貰って仕事をするのは、学生時代のスーパーマーケットの一般食品部門でのアルバイトが最初だった。勿論、その頃はプロ意識等は無く時給分は仕事はしないとは思っていた。時給分の仕事をするというのは、プロ意識がある様に見えるが後で個人的な見解を書くがプロ意識とは、違うと思っている。

アルバイトを始めた最初の頃は、時給800円分の仕事をする。売上を800円では無く、利益の800円である。ポテトチップが140円で販売していて原価が90円だとすると自分が1時間働く事でポテトチップが16個以上売れないといけないと思って仕事をしていた。

アルバイトを長く続けていて少しずつ売り場を任せてもらえるようになった。商品が常時並んでいる定番と言われる商品以外に値引きして棚に並べられたり、山積みになったりしているエンドと言われる商品を出す様になった。この頃になるとアルバイトの統括的ポジションになって他のアルバイトに指示を出す様になっていた。いかに綺麗な売り場を作り、アルバイトに指示をして効率よく仕事をするかを考えていた。最終的には、バックルームの在庫を確認し、発注台帳と次のチラシの商品をチェックして売り場を確認。売り場の展開図を3パターンくらい用意して社員さんに提案するまでになった。複数パターン用意するのは、アルバイトではわからない他部門との兼ね合いや社員さんのイメージする売り場の方向性があるので近いものを選択してもらう為だ。この頃は、社員さんに頼まれて週一回だけアルバイトして社員さんが売り場に出ずに事務作業に専念する時間を捻出する状況だった。



アルバイトをしている時は、自分にはプロ意識があると思っていた。しかし、今考えてみると大きなものが欠落している。それは、お客さん目線である。売れる売り場を考える事で「どうすれば商品が見やすいか」「どうすれば商品が取りやすいか」などは考えていたがお客さんの事を考えてというよりテクニックとして身に着けていた感じだ。考えの幅が自分と社員さん、自分と雇用している会社という形でお客さんが入っていなかった。仕事のモチベーションは、高かったがそれは、ゲームをやっている事に近かったんだと思う。売り場を綺麗に作るというパズルゲーム。アルバイトを効率よく動かして作業を終わらせて人件費を抑えるシミュレーションゲーム。これらを同時にやっている感じだったのだろう。



今は、治療家として働いているがプロ意識が備わったのは、この仕事に就いてからだろう。常に患者さんの目線に立つ事を意識している。患者さん自身の体の状態を知ってもらう為に説明するインフォームドコンセントというものがある。専門用語をできるだけ避けて、解りづらければ図を書いて説明する。患者さんに伝わりやすい例え話をして理解してもらう。そして、常に「自分が治療を受けたいと思う治療家であり続ける」という事だ。その為に努力し続ける。適当に仕事をする人間に体を預けたいと思わないからだ。知識も経験も積み重ね続ける。今の仕事も人体の知識を増やし、どうすれば症状が改善するかというパズルゲームの要素となぜその症状が出るようになったかを予想するシミュレーションゲームの要素はある。しかし、アルバイトの時の無かった相手の目線というものがある。常に自分の施術は、払ってもらっている値段の価値があるか問い続けている。アルバイト時代も「どうやって作業すればお客さんの邪魔にならないように商品が出せるか」「黙々と作業をするのではなく、どう作業すれば質問しやすい」などの意識があれば良かったのだと思う。



何年後かに今の事を思い返した時にプロ意識が足りないと感じるのかもしれない。今と同じ様に。それは、もっと深い考えが出来るようになるからなのか立場が変わるからなのかはわからないが考え続けて自分の答えを探したいと思う。それが仕事のモチベーションを保つ事だと思う。

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