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地方公務員はローカルの刺さる情報の探求者でありたい

普段安平町の広報担当職員として仕事をしているのですが、少し嬉しいことがありました。
それはこちら!

NHK札幌放送局が手がける「おはよう北海道土曜プラス」と「ひるまえナマら!北海道」で安平町の特集を組んでいただいたのです。

その中で紹介されているのが競走馬の生産牧場で、ホースマンになるという夢に向かって翔ける青年。
この青年。実は、NHKさんより先にコバヤシの方で取材しておりまして…。
さらに言うと、「安平町の広報紙をきっかけに取材対象にした」というお話しもいただきました。
そんな広報紙はこちら!

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広報あびら2020年12月号で「夢に翔る若者の挑戦」と称し、広報特集を作成していました。
特集は表紙含め5ページ。
個人の特集としては異例のページ組みでした。
どれほど安平町にとって異例だったのか?
それは、担当課長から「どういう意図でこの特集内容にしたの?」と唯一聞かれた特集テーマでした。

刺さる情報の探求者でありたい 

「どういう意図でこの特集内容にしたの?」という問いに対し、いろいろの理由を伝え、記事掲載に至ったのですが、良い意味で雑に言うと、まちの広報担当は「刺さる情報の探求者でありたい 」いや ”あるべき” と考えているからです。
安平町というまちは、世界でも有数の競走馬の産地です。
例えば、ディープインパクト号(2019 年令和元年7月30日没)やアーモンドアイ号など。競馬ファンで無くても名前を聞いたことのある様な名馬を輩出するまちなのです。
なので、競走馬や牧場長などが取材されることは多くあって、まちの人も多くが知っています。
しかし、そんな名馬も調教師などの方々がいなければ、数たるレースを勝ち取ることができなかったかもしれない。
となると、絶対的に立役者となりえるポジションの方がいたわけで。
そこが、「名馬の故郷安平町をもってしても、知らないことかな?」と思い特集を組んだのです。
つまり、刺さる情報は、すでに認知された情報のすぐそばにある、知っていそうで知らない情報にも隠れていると思ったのです。

「そんなこと当然じゃん」

確かにそうだと思います。
私自信、この特集を組んだときに思った訳では決してないので。
思ってはいましたが、行動を起こすまでには至っていなかったので、この広報あびら2020年12月号「夢に翔る若者の挑戦」は、行動に起こせたものの一つだと思っています。

刺さるは尖るなのか?

なんでもかんでも、尖っていれば良いという訳では決してなくて。
ただ単に目立てば良いというわけではありません。
これが、個人のメディアなどであれば上記のような内容でもなんら問題はないのですが、まちの広報紙となれば話しは変わってくることでしょう。
尖ることよりも、正確性や公平性が不可欠です。
とは言え、特徴がなければ、そうそう認知されないのもまた事実。
そんな中、まちの広報マンとして特集ページを手がける際に、忘れずに心掛けているのは、以下の3つのどれかにフィットしているかどうかということです。

(1)知ってほしいこと(知っておいて損はないこと)
(2)知らないまちの一面
(3)まちを再認識

これらの3つのどれかにフィットしているかをまず指標の一つにしています(もちろん他にも決定要素はあり)。

今回紹介した「夢に翔る若者の挑戦」という特殊では、(2)に合う紙面にしたようと思ったのです。

ただ、「へぇ〜」と思ってもらうのなら、少しでも名が知れている方にインタビューをお願いすれば良いのです。
しかしそれでは、「(2)知らないまちの一面」には合致しない。
となれば、どう考えたか。

”できるならばNextに光を当てたい”

それは「すでに有名なものではなく、有名なものを構成するものを知ることが大切」と常から思っているからです。
上手い例えが見つかりませんが、「舞台役者では無く、舞台演出を」「スタメン選手ではなく、ベンチ待機の控え選手」など、注目を浴び続ける人ではないところまでちゃんと知って欲しいという感じです。

すでに目立っている人というものは、すでに多くのファンを持っていたり、認知されている度合いが強いものです。
しかし、そんな人だけで世の中が構成されている訳でもありません。
むしろ、そういう方以外の方がごまんといるのです。
しかし、大きな成果を残したり、経験を積んでいかないと、そういう方々のことを知り得る術が無かったり。

もちろん舞台は、役者がいなければ成り立ちませんが、演出があることで役者が引き立ち、ときには演出が役者の運命を左右することだってある。
裏方とも言える方々のチャレンジングな様子をどうしても取り上げたいと思っていたし「そこが刺さる情報」だとも思っていました。
広報担当の意地というか、くだらないプライドだったのかもしれません。

しかしこう考えると、夢を追いかけている真っ只中の若い人を紹介しても、なんら尖っているとは思わないですよね?
まちの文化を担っていこうと奮闘し、チャレンジする姿なのですから。

結局、なにを言いたいのか?

つらつら綴ってきましたが、まちの広報担当として言いたいことは、「まちを少しでも知って貰えばOK」ということです。
できれば、普段とは違う角度で取り上げられたら尚更よし。
まちのことがポジティブな情報で報じられると、まちの内外に効果をもたらしうるのです。
まちの内側にいる方(そこのまちに住んでいる人)にとっての心情とすれば、「あっ!うちのまち出てる!」「あっ!●●さんだ!」など、同じくポジティブなものになることでしょう。ワクワクした気になりますよね?誇らしく感じたりもしますよね?
簡単にものを考え過ぎかもしれませんが、こういうことがシビックプライドの醸成に通じます。

また、まちの外側(そこのまちではないところに住んでいる人)にとっては、「そんなことがあるのか!」「へぇ〜●●というまちね」など、まちやまちの雰囲気を認知してもらえる可能性にもなり得るのです。
つまりこれが、シティプロモーションや関係人口の創出といったことになるのです。

「仕事だから淡々と」

そう業務を推進していくことが重要な場面もあるでしょう。
しかし、広報担当として業務に従事できるのであれば、せっかくならば、まちを知ってもらうための仕掛けを随所に施すくらいのトライ精神を持っていても良いのかなと思っています。

以上で、北海道のちっちゃなまちの広報担当のしがないマインドでした。

ご覧いただきありがとうございました。


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